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万華鏡

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第六十七話 秋の味覚その七

「ちょっとしたら携帯小説書けるのね」
「琴乃ちゃんの弟さんって小学生よね」
「ええ、まだね」
「ううん、小学生でも投稿してる人いるかしら」
 そのだ、携帯小説をというのだ。
「けれど誰でも投稿出来るから」
「それだったらあの子も」
「出来るかもね、文章を書ければね」
「成程ね、そうなのね」
「そうなの、じゃあ一回言ってみるわね」
 琴乃は里香の話を聞いてそしてだった、あらためてだった。  
 秋について考えた、それで言うのだった。
「秋も楽しまないとね」
「そうそう、秋の楽しみね」
「それを満喫しないとね」
 四人も琴乃のその言葉に頷く、そしてだった。 
 そのうえでだ、美優は確かな顔で四人に言った。
「じゃあな、とりあえずな」
「とりあえず?」
「とりあえずっていうと」
「わんこそば大会出るか」
 こう言うのだった、笑顔で。
「そうしようか」
「何だかんだで出るのね」
「わんこそば大会に」
「そうしないかい?五人全員でな」
 笑顔のままでだ、美優は四人に提案した。
「よくね?」
「ううん、じゃあね」
「何だかんで皆食べるの好きだし」
「それならね」
「五人でね」
 四人共結局のところ美優の提案に反論はなかった、それでだった。
 五人でわんこそば大会に出ることにした、だが部活に行くと。
 男子軽音楽部員がだった、これでもかという感じで宣言していた、それもわざわざ女子軽音楽部のところに来てだ。
「俺達わんこそば大会に出ることにしたぜ」
「それも全員でな」
「全員百杯を目指すからな」
「大台突破するぜ」
「それはわかったけれど」
 書記がだ、その男子部員達にクールに返した。
「何でここで言うのよ」
「いや、そっちも出るかって思ってな」
「それで宣言しに来たんだよ」
「男女の差こそあれど負けるなってな」
「それで来たんだけれどな」
「そうなの。いいところ見せるって宣言じゃないのね」
 書記は彼等に極めてクールに返した。
「何かって思ったら」
「今更そんなことするか」
「一体どれだけの付き合いなんだ」
「そりゃ男女交際こそしていないがな」
 この辺りは部員の個人個人ではわからないがとりあえず表には出ていないのでこう話しても問題はなかった。
「それでもな」
「付き合いが長いからっていうのね」
「しかも深いだろ」
「そこ、誤解されるから訂正してね」
 深い付き合いはというのだ。
「男女交際になるから」
「おっと、そうだな」
「まあとにかく同じ軽音楽部だからなのね」
「出るんだろう、そっちも」
「ええ、今から部員に言おうと思ってたところよ」
 書記は今もクールに男子部員達に返した。
「女子軽音楽部全員大学のわんこそば大会に出るわよ」
「やはりそうだな」
「出るからにはね」
 それならというのだ、わんこそば大会に出るのなら。 
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