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転生者物語 in ハイスクールD×D

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序章・舞い降りた戦士達
  第三話

グラントータスが神奈を色魔から解放した頃、神居と戦うNダガーは戦いを有利に進めていた。

「何でだ!俺はチートオリ主なんだぞ!!何で押されてるんだ!!!」

「知れた事!貴様は神に与えられた才能にかまけて鍛錬を怠った。ならば、勝てないのは当然だ!!」

「うるせえ!!!」

神居はエクスカリバーを振るうが。Nダガーはそれをあっさりと回避する。

「何より、貴様の剣技は力任せに剣を振るうのみ。剣技とすら言えん。」

「黙れ!!!」

さらに無茶苦茶に剣を振るう神居。だが、Nダガーはそれを全て紙一重で回避して行った。

「神居!!」

そこへ、色魔から解放された神奈を連れたグラントータスとボリスがやって来る。

「はあ?誰だてめえは?」

だが、神奈の姿は大きく変わっていたので、神居は彼が誰なのか気付かなかった。

「私だ!神奈真だ!!本当の願いを思い出したんだ!!!」

「本当の願い?何を言ってんだ?」

「私は、魂に色魔を取り憑かされて願いを歪まさせられた。お前だってそうじゃないのか!!」

「何を言ってやがる!俺の願いはハイスクールD×Dの世界でマジ堕天使な六花を始めとした女の子達とハーレムを作る事だ!!!」

「本当に、それがお前の望みなのか!!」

神奈がそう叫んだ時、グラントータスが神居の身体をセンサーでスキャンした。

「どうやら、それがあいつの本心みたいじゃな。奴の身体からはお前さんに取り憑いていた色魔に似たマイナスエネルギーの反応は無い。」

「そんな・・・」

神居が元からこのような性格だった事にショックを受ける神奈。

「よく分からんが、貴様はこのまま倒してしまっていいようだな。」

一方、Nダガーの方は遠慮を捨てていた。

「行くぞ!!」

「上等だ!来い!!」

再び、剣を打ち合うNダガーと神居。そして、ついに神居のエクスカリバーが弾き飛ばされた。

「嘘だろ!?」

「さて。これからは心を入れ替えるというのならば、見逃してやってもいいぞ。」

「わ、分かった!これからは心を入れ替える!!だから見逃してくれ!!!」

「そうか、ならば・・・」

「って、言うとでも思ったか!!!」

神居は新たな剣を投影し、Nダガーが両手に持つ刀を弾き飛ばした。

「おらあ!形勢逆転だ!!!」

そして、その剣をNダガーに向かって振り下ろす。だが・・・

「甘いな。」

Nダガーは左腕についた鉤爪『刃亜拳波羽剃斗(ハーケンファウスト)』の爪と爪の間に引っ掛けるようにしてそれを受け止めた。さらに、刃亜拳波羽剃斗を動かして剣をへし折る。

「なっ!?」

「さて。こちらの警告を無視したのだ。覚悟は出来ているな。」

神居が驚愕する中、Nダガーが告げた。

「ま、待ってくれ!俺が悪かった!!」

「もう遅い。黒鴉烈爪!!!」

Nダガーが刃亜拳波羽剃斗を振るうと、三本の爪から発生したオーラが神居を斬り裂いた。




神居が倒された事で、固有結界は解除され、景色は元に戻っていた。グラントータスはロボットとしての姿では目立ってしまうので、亀守玄としての姿に戻っている。

「お前さんみたいに操られてるのもいれば、こいつみたいに根っからのもいる。悪質転成者にも色々いるんじゃな。」

玄が神奈に言った。その時、この場にかつて玄達が通って来たのと同じ空間の穴が出現した。

「な、何だ!?」

初めてそれを見る神奈は警戒する。そして、そこから出て来たのは一体の白いトランスフォーマーだった。

「あんたは誰だ?TF神の使いか何かか?」

「そうだ。私の名はプラズマウェーブ。TF神の眷属の一人だ。」

ボリスの言葉に彼、プラズマウェーブはそう答えた。

「なるほど。で、何をしに来たんじゃ?」

「その者の魂を回収しに来た。」

玄の問いにプラズマウェーブは神居の亡骸を指差しながら答える。そして、神居の亡骸に近付き、手を翳した。すると、神居の身体から光る何かが出て来て、それをプラズマウェーブが掴んだ。

「それがこの男の魂か?」

「いかにも。この者の魂は元いた世界の正常な輪廻の輪に戻り、浄化されることだろう。」

Nダガーの質問にそう答えるプラズマウェーブ。すると、今度は神奈にこう言った。

「神奈真と言ったか?お主には少し手伝ってもらいたいと思う。」

「私に、ですか?」

「そうだ。お主は転成させられる際、神に色魔を取り憑かされたそうだな。普段、神々は世界の管理に忙しく、悪質な転成者を送り込んで来る神を摘発するヒマなどは無いが、今回はそうは言ってられん。ゆえに、その神を摘発する為の証人になって欲しいのだ。」

「・・・分かりました。その話、受けましょう。」

「済まんな。なるべく早く終わらせる。」

「ありがとうございます。と言う訳だから、ここで皆とお別れだな。」

玄達の方に振り向きながら言う神奈。それに対して玄が言う。

「おう。頑張ってこいよ。俺たちは待っているからな。」

「ああ。必ず戻って来る。」

「それより、俺たちはまだ自己紹介をしてないんじゃないのか?」

ボリスのこの発言で、一同はその事に気付いた。

「そう言えばそうだったな。私は隠密忍者・獲鴑駄賀亜枝擢。頑駄無軍団所属の忍だ。気軽にNダガーと呼んでくれ。」

「ワシはグラントータス。宇宙警備隊のエネルギー生命体じゃ。この姿はアンドロイドを借りとる。この姿の時の名前は亀守玄じゃからよろしくな。」

「俺はボリス。サイバトロンの戦士だ。」

「私は神奈真。勇者を目指すゴーレム使いの魔導師だ。」

互いに自己紹介をする四人。その時、プラズマウェーブが言った。

「そろそろ出発するぞ。」

「はい。それじゃあ皆さん、また会いましょう!!」

「ああ。」

「元気でな!!」

そして、神奈真はプラズマウェーブと共にゲートの向こうに消えて行った。




神奈を見送った一行は、最初の目的であるACトレインの様子を見に半壊した小鳥遊家にやってきた。

「うわっ!?どうしたんだボリス。ボロボロじゃないか!?」

そこで事後処理をしていたACトレインが戦いで傷付いたボリスの姿を見て、思わず叫んだ。

「実は、転成者に襲撃されてな。」

ボリスはここに来るまでにあった事をACトレインに説明した。

「なるほど。そんな事が・・・しかし、悪質転成者を生み出す神にそこまでロクでも無い奴がいるとは。」

神奈に色魔を取り憑かせた神に怒りを通り越して呆れるACトレイン。

「あ!?」

その時、Nダガーが思い出したように叫んだ。

「どうした、Nダガー?」

「神奈にどうして十花の方が転成者だと分かったのか聞くのを忘れていた。」

「「あ・・・」」

肝心な事を忘れていた事に気付くボリスと玄。だが、まだNダガーから話を聞いていないACトレインは理解出来ていなかった。

「一体、何の話だ?」

「実はな・・・」

Nダガーは退治した転成者、神居が何故か小鳥遊姉妹のどちらが転成者かを把握していた事を説明した。

「なるほど、それは確かに気になるな。」

「ああ。さらに言えば、あの転成者から倒す前に聞き出しておけば良かったのだが・・・」

「まあ、過ぎた事をどうこう言っても仕方が無い。その件は神奈が戻って来た時か、別の転成者と遭遇した時に聞こう。」

「そうだな。」

こうして、未だ謎は残ったが、最初の事件は終了した。だが、これはこれから続く戦いの始まりなのだ。ゆえに、彼らは決して気を緩めたりはしなかった。


続く
 
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