ハイスクールG×M 知られざる超越者
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
1章 超越者の新生児
第1話 魔術講座の前の騒ぎ
前書き
えー、少々遅れてしまいましたが、一話が出来ました
無事に産まれ、無事に育ち、5才になったマリク・カイムは今日、魔術講座を受けることになった……はずだったのだが、どうやら、一騒ぎあるようだ……。
◆
「お父様、今から何をするのですか?」
父、サイティス・カイムに付いてこいと言われ、トコトコと後ろを付いて行きながら、マリク・カイムは質問した。
「今日から魔術に関しての勉強だ、マリク」
「ま、魔術ですか……」
微笑みながら、質問の答えを返した父とは対照的に、魔術と聞いたマリクは嫌そうな顔をしていた
「安心しろ、マリク。この俺の息子なんだ、すぐに理解できるさ。それに魔術の基礎をあらかじめ学んでおけば、学校に入学して魔術の授業の時に、すぐ理解できるぞ。そして何より…」
優しく諭していくサイティス、マリクの顔も少し笑顔を取り戻したように見える、しかし、次のサイティスの台詞で取り戻したマリクの笑顔は消えることとなる。
「魔術は楽しいぞぉ!」
「またそれですか、お父様……」
そう、先程マリクが魔術と聞いて嫌そうな顔をしていたのはこれが理由だ。カイム家は代々、魔術の研究や新たな術式の開発などを行ってきた。歴代当主の中には、嫌がる者もいたし、研究や開発にドハマりするものもいた。さて、このテンションがおかしなことになっている、サイティスはどちらか、もう分かっただろう。
「フフッ、安心しろと言ってるではないか。今まで、魔術の素晴らしさを理解できなかったようだが、これを機会に基礎中の基礎を理解できるまでたっぷり教え込んでやるからな。理解できないのなら何度でも、何度でも……な」
息をハァハァと吐いて、近づいてくるサイティス。何も知らない者が見たら、ただの変質者だ。流石にコレには恐怖したマリクは、涙目になりながらも、ある人物を呼んだ。
「お母様!お父様がまた、おかしくなりました!」
呼ぶというより、助けを求めるかのような気迫で叫んだ。すると、前方から小走りで母親がこちらに向かってきた。
「あなた!」
「レ、レミ……」
先程までの興奮が、嘘のように大人しくなるサイティス。流石に、自分がマリクを恐がらせていることに気付いたのか、落ち着きを取り戻すサイティス。魔術が関われば人が変わるサイティスも自身の妻、レミ・カイムの前ならば冷静になれるようである。
「何で止めるのさ!」
「マリクが泣きかけているからよ、もう少し落ち着きを持ちなさい!」
「僕の性格は君だって知っているだろう?これは、今更治すことなんて出来ないよ!」
「でもこれじゃあマリクが恐がって教えることも出来ないでしょ!ああ、やっぱりあなたに頼んだのが間違いだったんだわ……、家庭教師でも雇いましょう」
「え?それは困るよ!マリクに勉強を教えてあげるのが、僕の役目だって言ったのは君じゃないか!!」
「だったら、落ち着いてマリクに教えてあげなさいよ!」
口喧嘩が始まり、これは長くなると感じたマリクは、ゆっくりこの場を去ろうとした。しかし、次の瞬間、腕を掴まれた。マリクが、恐る恐る振り返ると……
「マリク、逃げてはいけませんよ」
意外にも腕を掴んでいたのは、レミだった。魔術が関わっているので、マリクは腕を掴んだのはサイティスだと思っていたのだ。サイティスではなかったことに安心したが、1つの疑問が頭の中に浮かんだ。
「お父様、お母様。喧嘩は終わったのですか?」
「ええ、話はついたわ。ねぇ、あなた?」
「ああ、教えるのが俺なのは変わらんが、勉強中には常にレミが後ろで待機することになった」
どうやら確かに話は片付いたようだ
「教えないという選択肢はないもの。そろそろ、教えなければならない歳というのは本当のことだしね」
「では、行くとしようか」
「分かりました。お父様、お母様」
騒動は終わりを迎え、元の静かな空間に戻った。親子3人は手を繋ぎ、目的の場所に向かって、歩いて行くのだった。
後書き
文字数増やすと言っていたのに、あまり増やせず、すいませんでした
ページ上へ戻る