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万華鏡

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第六十五話 ハロウィンに向けてその三

「二日酔いにはね」
「だから作っておいたのよ」
「今日は朝食にしたのね」
「うちは朝は和食が多いけれど」
 今日もそれにしたというのだ、琴乃達が二日酔いになることを見越してだ。
「それでなのよ」
「うん、もう二日酔いのお酒は抜けてるけれど」
「いやいや、残ってるかも知れないから」
 先に読んでだ、作ったというのだ。
「遠慮せずにお酒抜いてね」
「そうして学校によね」
「そういうことよ、じゃあいいわね」
「ええ、飲んでいくわね」
 琴乃は若布と豆腐の味噌汁を心から美味いと感じつつ飲んだ、白い御飯とメザシに漬けものも食べてだった。
 五人で家から登校した、そして部活に行くと。
 部員達が次次に来た、とはいっても二日酔いの娘もいれば酒の匂いをぷんぷんとさせている娘もいる、これではだった。
「朝練無理かしら」
「そうよね」
「ちょっと皆ね」
「お酒残ってるよな」
「ちょっと以上にね」
 プラネッツの五人で話しているとだ、ここでだった。
 もう来ていてジャージに着替えていた部長がだ、こう言った。
「予想はしていたけれどね」
「まさかこの状況で部活するの?」
「走られない娘もいるわよ」
 副部長と書記がその部長に問う。
「こうした状況だと」
「部活は」
「ええ、無理ね」
 わかっているという口調だった、部長の二人への返事は。
「これはね」
「じゃあどうするの?」
「今朝は」
「皆、志願者だけだけれど」
 部長は部員達に言った。
「確かまだ寮は朝お風呂やってるから」
「ええ、やってるわよ」
 高見先輩が答える、見れば先輩はすっきりとした顔だ。
「今日は特別にね」
「二日酔い解消に寮長先生が開いてくれたのよ」
 高見先輩は部長に話す。
「だから登校ぎりぎりまではね」
「開いてるのね」
「お風呂に行くのなら今のうちよ」
 こう言うのだった。
「お酒抜くならね」
「よし、じゃあね」
 部長は高見先輩の言葉を受けて部員達にあらためて言った。
「皆でお風呂に行ってね」
「それでお酒抜くのね」
「そうするんですね」
「そうよ、すぐに行って来るのよ」
 こう言ってだ、酒が残っている面々を寮の風呂に行かせてそこで酒を抜かせた。そうしてそのうえでだった。
「一日はそれからよ」
「今日はですか」
「それからですか」
「二日酔いして学校はね」
 それはというのだ。
「行けないでしょ」
「ですね、確かに」
「二日酔いで登校しましたけれど」
「流石にこれで授業に出るのは」
「よくないですね」
「そうよ、だからね」
 それでだというのだ、こうしてだった。 
 酒を抜いたその時にだった、部活は終わる時間だった。部長はその時間を見てそのうえで部員達にこう言った。 
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