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とらっぷ&だんじょん!

作者:とよね
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第一部 vs.まもの!
  第17話 ねえ、もしも……。


 クムランの家に行くと、やはりと言うか、ディアスが既にいて、本棚を物色していた。ウェルドの気配に気がつくとさっと顔を上げたが、目が合うとまた本棚に目を戻した。
「よう」
「……」
「クムラン先生はいねぇの?」
「見てわからないのか」
 ウェルドはムッとしたが、堪えた。
「……この間の事は悪かったよ」
「この間?」
「ぶん殴ろうとした事だよ」
「気にしていない」
 嘘をつけ。
「いや、まあ、謝っとこうと思ってさ……。何してるんだ?」
「次の本を借りる許可を得る為に、学者の帰りを待っているところだ」
「いつもどういう本読んでるんだ? 魔術書とか?」
「……」
 駄目だ。雑談が続かない。ウェルドは諦めた。
「……まあいいや、用件だけ言うわ。とりあえず礼を言うぜ。こないだ助けてくれて、ありがとな」
「助けた? ……それは誤解だ」
「誤解でも何でもいいんだよ、実際に俺とノエルが逃げ仰せたのは事実なんだからな。俺だってこれでお前に死なれたら後味悪いどころじゃねえって思ってたんだぜ?」
「俺が一人でも生き延び得たのは、狂戦士相手に足止め以上の事をしようとしなかったからだ」
 と、彼はようやくウェルドの顔を見て話す。
「今の自分の力量でアレに勝てると思うほど俺はおめでたくはない。加えて一人で避難するよりも、三人で避難する方が生き延びる確率が上がると判断した。人数が多いほど敵の注意が分散されるからだ。それゆえに遺跡の出口付近で貴様等の帰還を待っていた。貴様が口で何と言おうと、あの時の状況では必ず地上に戻ってくるだろうと推測できたからな。だが実際には目論見通りには行かなかった。だからあの場で別れる判断をしたに過ぎない。
 もう一度言ってやる。貴様等が足手纏いになるから、別の道で逃げるよう促したのだ。勘違いをされるのは甚だ不本意だ」
 ウェルドはだんだん腹が立ってきた。
「あー、そうかい! 足手纏いで悪ぅございましたね! でもよ、そんな言い方ねぇだろう! 確かにアレを相手にするには並の大剣使いじゃ分が悪い、悪すぎるってもんだ。そんくらい俺だってわかってる。でもよ、流石にそこまで『危険だったので利用しました、でも結局役立たずだったので捨てましたー』みたいに言われりゃ、流石に堪えるぜ!」
「そこまでは言っていない。第一、貴様はともかくあの娘は遠距離から魔法で敵を攻撃して足止めする事ができる。俺にとっても貴様にとっても、役立たずという事はなかった筈だ」
「お前……。……敵は魔物じゃねえんだぞ、元人間だ。女の子を人間相手の戦いに狩り出せって言うのかよ」
「貴様の言う事は理解できない。女なら襲われないと言うのならまだしも、等しく身の危険に直面していながら男も女も関係なかろう」
 相変わらず腹が立つ。間違っていないだけに。
 ディアスは腕組みし、溜め息をついた。
「この話は終わりだ。とにかく今の俺の興味は貴様が話したがる次元にはない」
「へぇ。じゃあどこにある?」
「貴様等が遺跡の外でトラップカプセルを利用できたという点にある。理由を知りたい」
 ディアスが細い目をテーブルにやる。そこには、昨日まで彼が借りていたと思しき本が数冊積んであった。どれもクムラン自身の手によって書かれ、まだ外界に広められていない書物だ。

「思念を具現化し相手を攻撃、あるいは治癒する事ができる『魔法』。念じるだけで一瞬で遺跡から町に戻る事ができる『時の行路図』。そして、原理は一切不明ながら数々の装置を出現させる『トラップカプセル』」
 あの朝クムランは、門の前の広場に集まったウェルド達にこう話した。
「魔法は杖や石板などの専用の道具で扱うことが可能です。これは外界でも同じです。実際魔法具の流通はアノイア教会によって厳しく制限され、それを独占する聖職者が治癒の魔法を扱い奇跡を演出する為に使われています。
 ですが残る二つはそうではありません。遺跡を一歩でも出てしまえば、時の行路図はただの羊皮紙、トラップカプセルはただのきれいな玉……。カルス・バスティードの町ができて以来、多くの冒険者が試したのですが、誰一人遺跡の外でトラップを作動させ得た方はいらっしゃいません」
「毎年一人はいるんだよな。喧嘩相手をぶっとばす為にトラップカプセルを使いたいから発動方法教えてくれって言いに来る奴が」
 バルデスが逞しい両腕を広げてから、肩を竦めた。クムランが苦笑する。が、その笑顔はすぐに曇った。
「私の研究が間違っていたのかも知れません。どこか……何か……」

「ってクムラン先生は言うけどさ」
 再び、クムラン宅のウェルドとディアス。
「実際に使えたんだもんな、俺もレイアもアーサーもエレアノールも。起きた事が全てだろ?」
「……そうだ。だからあの学者は過去の実験で得た全てのデータを精査し直すそうだ。考えるだけで気の遠くなる作業だな……。俺もそれらの本を、書かれている内容に矛盾がないか確認しながら注意深く読んだ」
「結果は?」
「本の内容には如何なる齟齬も認められなかった」
 ウェルドは自分のトラップカプセルを出し、掌の上でぽんぽん投げてみたり、転がしてみたりした。
 トラップの出現を念じると、室内にフリップパネルが現れた。窓からの光を浴びて、トラップの陣が青く輝く。
 右方向。左方向。
 二つ。三つ。四つ。五つ。
 どこにでも。いくらでも。
 遺跡内で使用する感覚と、何も違いはなかった。
「あるいは、トラップカプセルを遺跡内でしか使用できないというのは間違っていないかもしれんな。その方がよほどまずい事になりそうだが……」
 ウェルドはディアスと向き直る。
「どういう事だよ」
「トラップは遺跡でしか使えない。トラップは町で使える。即ちこの町は遺跡である。もしも町と遺跡が同化した、または同化しつつある、という事だったら?」
「おいおい……」
 その時、戸が開いた。
「やあ、ウェルド君にディアス君。おはようござ――」
 声が途切れた。
 顔を戸口に向ける。
 まぶしい街路。通りを挟んだ向かい側に積まれた樽などに何かがつっこみ、派手な音を立てて散乱するのが見えた。
 フリップパネルが一つ消えてなくなっている。
 ウェルドは硬直した。
 一秒が永遠のようだ。
 樽がごろごろ動いた。
 ディアスに目で助けを求めるが、彼は「知るか」とばかりに首を横に振った。
 戸口から射しこむ光を男が遮る。
 クムランが、ヨーグルトのような笑顔で
「ウェルド君……?」
 と呼んだ。

 ※

「クムラン先生!」
 ノエルが息を切らして駆けこんできた。室内にはクムランとディアスが立ち、何か話していた。
「先生! 何があったんですか!? さっき凄い悲鳴が……」
「やあ、ノエルさん。お早うございます」
「……あ、あれ……?」
 クムランの爽やかな挨拶を受けて、ノエルは困惑して辺りをきょろきょろした。
「先生、何も変わった事はありませんでしたか? 確かにさっき凄い音と悲鳴が……」
「大丈夫ですよ。さ、いつまでもそんな所にいないでノエルさんも上がってください」
「はい。あの、ウェルドは来ていませんでしたか?」
「ええ。彼なら、そこに」
 彼が手で示す方を見ると、テーブルの下でウェルドが小さくなって、目を見開いてガタガタ震えていた。
「ウェルド!? ど……どうしたの……?」
「――お、お、お、俺は、恐ろしいモノ見た、恐ろしいモノ見た、恐ろしいモノ見た――」
「彼なら大丈夫ですよ、少しビックリしただけです」
「何にビックリしたんですか?」
「色々ですよ、あはは」
 ノエルはディアスを見たが、彼は何も言わなかった。仕方なく気を取り直して、ノエルは切り出した。
「先生、あたしたち、そろそろアスラ・ファエルの第一神殿に太陽の宝玉を探しに行こうと思うんです」
「ついに行かれるのですね。あなたが元気になって、安心しました」
「はい、先生! ウェルドが誘ってくれたし、それに、早く先生のお手伝いに集中できるようになりたいですから。正直遺跡に潜るのはまだ少し怖いけど、早く第一神殿の先も見てみたいんです。それに先生、いつか一緒に遺跡に入ろうって約束してくださいましたよね」
「ええ。私の方も、それを楽しみにしていましたから」
「先生、いつもバルデスさんと潜ってらっしゃいますもんね。あたしも先生が戦ってらっしゃるところ、みたいです」
「嫌だああああああああっ!!!」
 ウェルドが叫び、椅子の脚にしがみついてガタガタ揺らした。
「俺は見たくないッ! 俺は見たくないッ!!!」
「トラップの謎はひとまず措くとしよう。いずれにしろ、太陽の宝玉の入手を急がなければならない事には変わりはないからな」
 ディアスが無視して言った。クムランも真顔になる。
「はい。では、みなさんがこれから向かわれる第一神殿最奥部についてお話ししましょう。まず太陽の宝玉がある階層ですが、複数の部屋がランダムに入れ替わり現れます。奥に進み、来た道を戻ると部屋の形が変わっている、という事になるので、最初は戸惑ってしまうかもしれませんね。ですが、それを進みある程度奥に行くと、太陽の宝玉がある部屋です」
「その部屋に着くまでに、魔物のほか障害となり得るものは」
「そうですね。あまり確率は高くありませんが、宝玉がある部屋の一歩手前で強力な魔物が出現する事があります。ガーディアンと呼ばれていますが、もしその魔物がいる部屋に行き当たったら」
 クムランは微笑み、
「……まあ、なんとかやり過ごしてください!」
 で、行ったらばっちりその魔物がいた。

 荒れ果てた室内に火柱が吹きあがる。熱波で喉が焼けそうだ。顔はひりひりと痛み、間一髪で倒れた柱の陰に潜りこんだウェルドはどうにか魔法攻撃をやり過ごす事が出来た。
「あ、あ、あ、あ、あんなのに遭ったなんてパスカの奴ら、誰も言わなかったぞ!」
「あの三人は遭わなかったんでしょ? クムラン先生も仰ってたじゃない、ここは行く手の部屋がランダムで入れ替わる階層だって」
 同じく床に伏せたノエルが、ショールで口を覆いながら言う。
「何で俺らの場合ってこうツイてないんだよぉ」
 ガーディアンは円錐型の胴体に浮遊する頭、本体から離れて動き回る両腕で構成される巨大な魔物だった。その体は金属でできており、出口の扉を塞いでいる。悪い事に、三人が今来た通路も、既に敵の魔法攻撃で崩れた瓦礫に塞がれていた。
「てか、この状況どうするよ。あの体じゃ俺の大剣は効きそうにねぇし」
「同じく、凍結魔法も無生物相手には効果が薄い」
「かと言って、焼いて燃やせるようなものでもなさそうね」
 三人は敵の死角で身を寄せ合い、対策を練っていた。幸いにも荒れ果てた室内には、身を隠すのに最適なスペースが幾らでもあった。敵は怒り狂っている様で、火柱の魔法がそこかしこで、絶え間なく炸裂している。
「同じくらいの質量の物をぶつけりゃ何とかなりそうじゃねえか? 瓦礫の下にフリップパネル敷いてぶつけるとか」
「駄目よ!」
 ノエルが肩をいからせる。
「たかが瓦礫、されど瓦礫! 見てよ、ここに描かれている壁画! ここに彫られている文言! どれもこれも古代文明の重要な資料だわ! いくら壊れているからって――!」
 と、三人が座りこむ床に魔方陣が敷かれた。三人は硬直し、次の瞬間、三方向に散って逃げた。間もなくその場所に火柱が現れた。
 積み上げられた瓦礫をよじ登り反対側に転げ落ちると、行く手にガーディアンの浮遊する右腕が待ち構えていた。腕はウェルドを見つけるや、拳を作って突撃してきた。
「にゃーーーっ!」
 床に伏せると、頭上すれすれを拳が飛んでいき、瓦礫にぶち当たって砕いた。飛沫と粉塵がもうもうと舞う。
「じゃあどうしろって言うんだよぉ!」
「喚くな。酸素が勿体ない」
 次に逃げ込んだ瓦礫の陰には既にディアスがいた。
「おい! ノエルの意見はほっといてこの瓦礫使うぞ!」
「これは俺の瓦礫だ」
「なんだその意味不明な物欲は!」
「それよりあの扉を見ろ」
 ディアスは山となった瓦礫の陰からそっと部屋の奥を指さした。
「材質はよくわからんが、あれも金属質の物であるように見える。ならば凍結魔法を当てれば温度差で格段に脆くなる筈だ。貴様は脆くなった扉を大剣で破壊しろ。それまでの間敵は俺が引きつける」
「へぇ、ここんとこ思っきりシカトしてきやがった癖に協力的じゃねえか」
「共闘関係にある以上は協力せねばなるまい。行け」
「うおおおおおおぉっ!」
 ウェルドはヤケクソになって飛び出した。
「ノエルううううぅっ! 掩護しろおおおぉっ!!」
 背中から冷気の塊が追い抜いて、出口付近で爆発した。扉と周囲の床と天井が、氷と霜で覆われる。
 斜め前方にノエルがいて、物陰にしゃみこんだ姿勢のまま炎のスパイクを撃ってきた。ガーディアンのどちらかの腕が瓦礫に叩きつけられる気配。足もとに魔方陣が敷かれ、気にせず、その上を走り抜ける。背後で火柱が上がり、熱波が髪を煽り、背を叩いた。
 ガーディアン本体の隣をすり抜けて、大剣を肩の上に構え、鬨の声をあげながら、扉に叩きつける。
 蝶番(ちょうつがい)が砕け、扉が奥に倒れる。打って変わって冷たい空気が頬を撫でた。
「急げ!」
 そこは六角形の小部屋で、奥にも金属の扉がある。ノエルとディアスが敵の魔法攻撃の合間を縫って走ってきた。
「早く!!」
 行く先の扉を体で押し開け、叫ぶ。
 ノエルが、ディアスが、無論ウェルドも、その扉を潜った。最後、ガーディアンの頭部が猛然と三人を追って突っこんでくる様子が見えた。
 扉を閉ざす。
 砕け散るのではないかという勢いで、扉が向こう側から叩かれ、それきり静かになった。
 生き延びた三人は、暫くその場で呆然と立ち尽くした。
 ウェルドは大剣を背中の鞘に納め、ベルトで固定する。
 疲労と脱力感から三人は無言だった。
 そうね。
 ツイてなかったわ。
 ノエルはウェルドの背中に無言で語りかけた。
 ねえ、そのツイてないのが、さっきの敵との遭遇で終わればいいわね。だけど、ねえ、もしも……。
「これか?」
 その部屋の真ん中には、腰ほどの高さの台座があった。示し合わせたようにちょうど三つ、橙色の(ぎょく)が安置されている。
 手に取れば仄かに温かい。
「文献にあった通りよ。間違いないわ」
 三人は無言で玉をためつすがめつした。
「……何つーかまあ、手に入れちまえば呆気ないよな」
 ウェルドはディアスを見る。
 彼は目を伏せ、何か難しげな様子で考え込んでいる様子だった。
「おい、どした?」
 声をかけると、びくりと肩を震わせた。いや、と彼は小声で答える。
「……何でもない。気にするな」
「じゃあ、時の行路図が使える場所まで戻りましょ。帰りにまたあの魔物の部屋が出て来なければいいけど……」
「悪い想像ばっかしなさんなって。だいじょーぶだいじょーぶ」
 と、何の根拠もない事を言いながら、ウェルドは部屋の出入り口に戻っていく。ノエルは早くこの場から立ち去りたくて仕方なかった。
 聞くところによると、前回狂戦士化したフォールトとか言う男はこの第一神殿最奥部で紫の剣に遭ったのだ。
 ねえ、もし狂戦士発生の間隔がこれまで二年に一度だったとしても、その統計上の数字が自分たちの身の安全を保障する事にはならないわ。
 鼓動が早くなっていく。緊張で顔が熱い。ノエルは汗をかいていた。汗をかいても、体は寒い。嫌な寒気だった。
 ねえ、もしも、恐ろしい物がこの先にあったら?
 さっきの魔物なんかより、もっと忌まわしいものが。
「おー! やっぱ帰りは違う部屋になってんだなぁ」
 扉を一つ潜った先で、ウェルドが能天気に声をあげた。
「すげー広いし、この部屋何角形なんだろうな。一、二、三、四……」
 広い部屋の中央には、太陽の宝玉を載せていたのと同じ台座があった。ノエルは興味をひかれ、台座に二歩三歩、歩み寄る。
 光が台座の上に浮いた。
 何だろう。
 ノエルはディアスかウェルドを呼ぼうとし――体が動かない事に気付いた。
 まるきり硬直してしまっていた。鎖で絡めとられたように。
 声が出ない。
 他の二人が何かを話しているのではないか、耳を澄ませようとしたが、それすらできなかった。
 台座の上に現れた物。
 それはうねる触手を持つ、三本の、紫の剣だった。
 どうして。
 ノエルは問いかけようとする。後ずさろうとする。
 けれど喋れない。
 動けない。
 目を逸らせない。
 急激に力が抜け、その場に跪いた。
 ノエルは叫ぶ。心の中で叫ぶ。
 助けて! クムラン先生、助けて!
 白い光に思考が侵食されていく。
 最後の最後に、ノエルは恐ろしい事実に思い当たった。
 トラップが、魔法が、思念が具現化されたものならば。遺跡に思念を具現化する力があるのなら。
 そして今、紫の剣の事を強く思い、強く恐れていたのが、三人の中で自分だったなら。だとしたら、即ち、紫の剣を呼んだのは、他ならぬ……。
 けれど、ノエルにはもう何も考えられない。もう何もわからない。白い光に呑みこまれ、意識がな



























































る――。

























(とらっぷ&だんじょん! 第一部 了)
 
 

 
後書き
今朝方、東京で大きな地震があったそうですね。数日前私が暮らす場所の隣の県でも群発地震があり、何度かその揺れを体感しました。何事もなければ良いのですが、皆さまお気を付け下さい。

■キャラクター語り #3■
○ジェシカ
「あたしは世界の半分の人と引き換えにだって自分は生き延びたいもん」
可愛いです。そして可愛いだけじゃないのがジェシカの最大の魅力です。
貴族たちが毎日ふかふかのベッドで寝て、食べきれもしないのに豪華な料理をテーブルに並べ、なのに自分たちは家も服も食べ物もなくて、ゴミ漁りをして生きている。子供達が飢えと寒さで何百人も死んでいく。
仲間の中でも一番鬱屈したものを抱え込んでいるのはジェシカではなかろうかという事が、言葉の端々から見受けられます。
けれど、それでもなお強かに、明るく生きようとするジェシカ。暗い設定が多いベアルファレスの世界は、プレイヤーとしては彼女の存在で救われている部分があるように思えます。
でもってプレイヤーに一番辛辣な言葉を投げかけて来るのはイヴでもオルフェウスでもなく、ジェシカだと思います。序盤の「あんたも出てけば?」とか「用なんかないだろ? あっち行けよ」なんてまだカワイイもんです。作中、ジェシカからの好感度が低い状態で敵側に寝返った仲間を討つ選択をすると、事後彼女の部屋に入った瞬間 も の す ご く 強烈な一言を浴びせられます。ジェシカの事大好きなのでぶっちゃけ泣きそうになりました\(^o^)/

○ウェルド/フィリア
キャラクター語り三回目にしてようやく主人公登場です。無個性主人公バンザイ!
ゲーム序盤に容姿以外の設定を決める事が出来、序盤での選択肢に合わせてその後の選択肢の口調なんかも微妙に変わったりしてて、なかなか細かいです。
無個性主人公なので性格等はプレイしながら脳内で補完するしかないのですが、理由はよくわからないのですが、それでもなんとなーく微妙に個性を感じるところがあります。虚像が喋るからでしょうか。
ウェルドでのエンディングが好きなのはノエル、ディアス、レイア、アーサー。
フィリアでのエンディングが好きなのはシャルン、ジェシカ、パスカです。個人的な好みですが、男女主人公とも恋愛よりも同性との友情エンドが好きです。
あとフィリアちゃん、その足の露出はきわどすぎないかと。


 
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