ポケモン 一人の少年と一人の少女の物語
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第一部 出会い
2話 不思議な少女
前書き
今回は短いです
「誰だ?」
さっき聞こえてきた声の主を探すため俺とロンはあたりを見渡す
「そっか・・・これじゃあ分からないか」
再び声が聞こえると同時に強い風が起こる
俺はロンが飛ばされないように抱えながらあまりの風の強さに目をつぶる
しばらくして風がやみ目を開けると目の前には少女が立っていた
見た目から判断すると俺と同い年かそれ以上だと推測できた
「誰?」
「私はソラ。あなたさっきの戦いで満足してたみたいだけど・・・・それでいいのかしら?」
「何だって?」
ソラと名乗った少女は俺に話しかける
「だから、あなたはその状態でいいの?って聞いてるの」
「何が言いたい?」
俺はできる限り低い声を出して彼女に聞き返す
「あら・・・そんなに怒らなくてもいいじゃない。こんな戦い、まだほんの序の口。
世界にはもっと強い人がいる。そんな人に勝ちたいと思ったことはないの?」
「あるさ。だけど、これもれっきとした戦い。その戦いに勝って喜んで満足して何が悪い?」
俺の言葉に少女は笑う
「そうね。これも戦いね。でも、そんなんじゃあなたは強くなれない。ポケモンと心を通わせて、仲良くなって強くなっただけで勝てるほどこの世界は甘くない。」
「確かにこの世界はそんなに甘くないかも知れない。だけど、俺は俺のやり方で、強い人に勝つ」
彼女は俺の答えに満足そうに頷く
「そう・・・あなたにそこまでの覚悟があるなら、私とバトルしましょう」
彼女の提案に少々驚く
「そんなに驚かなくてもいいんじゃない?私だってれっきとしたトレーナーだよ」
「分かった・・・・そのバトル、受けて経つ!俺はロンで行く。レベルは7だ」
さっきのバトルでレベルが上がり、ようやくつるのムチを覚えたばかりだ
「7か・・・・じゃあ私はこの子で行くわ。イブ!レベルは13よ」
少女が出してきたのはイーブイ。レベルはロンより6も上
「ロン、先手取るぞ!つるのムチ!」
「イブ。かわして、シャドーボール!」
「な!」
俺が動揺したため、ロンに回避の指示を伝える事が出来なかったがロンは自分で考えてかわしたようだ
それにしても、レベル13のイーブイでは覚えられない技をどうして使える!?
とここまで思ってふと考える・・・
技マシンがあればいけるかと
「へー!その子自分で考えてかわしたんだ・・・なら、イブ!でんこうせっか!」
イーブイは徐々にロンに近づいてくる
そのスピードは今まで見た中ではとても速いものだった
「ロン!かわせ!」
だが、その指示はロンが行動に移す前に無意味となった
イーブイの攻撃があたり、ロンは飛ばされる
俺はロンの体を抱きとめる
ロンの様子を見るともう戦えない事が分かった
攻撃を一回受けただけで、こうなる事を思い知らされた
これは単なるレベルの違いで負けたわけじゃない
トレーナーの技量の差、絆の深さで負けたんだ・・・・
「分かった?」
「ああ、分かった」
「なら、ポケモンスクールで少し学ぶといいわ」
少女の言葉に俺は頷けなかった
「いや。俺は君から学びたい」
「はい?」
少女は明らかに戸惑っている
「君から学べばきっと、ポケモンスクールで学ぶよりも強くなれる・・・・そんな気がするんだ」
少女はしばらく考えてから、ようやく答えを口にする
「仕方ないわね・・・・いいわ。その代わりビシビシ行くからね!イブ・・・お疲れ様」
彼女はイーブイをなでてからボールに入れた
「やった!よろしく!俺はユウヤ」
「調子いいわね・・・・私はソラよ」
お互いに握手する
「あなたはいずれ強くなる・・・・大きな力を手に入れることもある。でも忘れないで。
あなたにはポケモンがいる事を。迷ったら聞きなさい。彼らの声を」
ソラのいう事の半分は理解は出来なかった
だが俺は頷いた
「ああ。忘れないさ。俺はいつもこいつらの言葉を聞くつもりだからな」
その言葉を聞いてソラは微笑む
その顔にドキリとしたのは内緒だ
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