転生とらぶる
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コードギアスR2
0602話
「お前が星刻が言っていた洪古か?」
「はっ! 星刻より話は聞いています。アクセル・アルマー殿。今回はお手数をお掛けして申し訳ありません!」
洪古が中華連邦式の敬礼をして頭を下げてくる。
バベルタワーの事件から数日。やはりカラレスではルルーシュに勝つ事が出来無かったらしく、原作通りにバベルタワーにG-1諸共に押しつぶされて戦死。そして黒の騎士団復活の報は世界中を駆け巡った。現場にいなかった以上はロロが動いたのかどうかは分からないが、もし動いたとしてもヴィンセントを前もって俺が盗み出しておいた以上、使ったKMFは精々グロースターといったところだろう。まぁ、それでも体感時間を止めるギアスがあるから圧倒的なんだが。
現状では中華連邦の総領事館に立て籠もった黒の騎士団――ただしゼロはC.C.の変装――がブリタニア軍と睨み合っている状態だ。カラレスが死に、そして同時にギルフォードやグラストンナイツの姿が消えた為なのだろう。原作よりもブリタニア軍の行動がかなり鈍くなっている。恐らくは残っている軍人や政治家の上層部……いや、武断派であるカラレスが総督だった以上仕切っているのは軍人か。とにかく、その軍人達が協議か何かをしながら決めているのが動きの鈍い原因だろう。
少なくても通信機で連絡を取った星刻はそう判断していた。
ちなみに、バベルタワー事件の後で俺が何をやっていたかと言えば、無人島のゲートシステムを通してホワイトスターに帰還。ギルフォードはともかく、久しぶりにコーネリアと会ったグラストンナイツに感謝されたりしていた。他にも技術班にヴィンセントやグロースターを渡したりとか。
そしてレモン達とゆっくりと過ごしている時に、通信機を通して星刻から手助けして欲しいという救援の連絡が来て、今ここにいる訳だ。
「アクセル殿?」
恰幅のいい洪古の声を聞き、小さく頷く。
「いや、何でもない。ところで街を仕切っている人物の説得だったが」
「はい。さすがに異世界の組織というのを説明しても、碌に信じて貰えないので……エリア11の……いえ、日本の諺に百聞は一見にしかずとあります」
「そうだな。確かにこの場合は実際に見せた方がいいだろうな。……こんな風に」
星刻の言葉と言えども、まだ完全に俺の事は信じていなかったのだろう。その目に微かな疑念を浮かべる洪古に見せつけるようにして指を鳴らす。
同時に、俺の影から先端の尖っていない影槍が伸びて洪古の目の前で動きを止める。
「こ、これは……」
「どうだ? ちなみにこんなのも出来るぞ?」
再び指をパチンッと鳴らすと、俺の右手の指先5本にそれぞれ純白の炎、白炎が姿を現す。
まぁ、これは魔法じゃなくて混沌精霊としての能力なんだが。
「……」
既に声も出ていない洪古の様子に、思わず笑みを浮かべて悪戯心を起こす。
強面の軍人が唖然としている様子ってのは中々に面白いというのも理由の1つだろう。
再びパチンッと指を鳴らしたその瞬間。俺の全身が白炎と化し、いきなりの現象に洪古が何かを叫ぼうとした時、白炎が消え去り、後に残っていたのは10歳程の子供である俺の姿だった。
「どうだ?」
そしてその口から漏れ出ているのは、間違い無く声変わり前の子供の声だ。
「お、お……驚きました……」
既にそう声を出すしかできない洪古に笑みを浮かべ、再び指を鳴らして全身を白炎に包み込み元の20代の姿へと戻す。異形化状態の混沌精霊になってもよかったんだろうが、あれは色々と刺激が強すぎるからな。
「こんな具合に魔法は実在する訳だ。理解できたら、そろそろ街に向かうとするか。そっちも時間が無いんだろう?」
「はっ……はっ! 確かに行動を起こす時の為に色々とあるのは事実ですから」
「正直で結構な事だ」
目の前で魔法を見せられたのが余程驚いたのだろう。出会った時の俺へと向けられていた若干の不信感は綺麗にぬぐい去られた様子だ。
少しチョロ過ぎないか? そうも思うものの、別にそれで俺が困る事は無いしいいか。
そのまま洪古に連れられて視界の先にあった街中へと到着する。
「……寂れているな」
街の様子を見て思わず呟く。
街の規模自体はかなり大きいのだが、そこで暮らしている住民達の様子はお世辞にも活気があるとは言えない。顔に生気が無いというか、活力が無いというか。子供達にしても元気に走り回っているような姿は見えず、どちらかと言えば地面に座り込んで極力体力を消耗しないようにしている者達が多い。
とにかく無気力な雰囲気が街中に蔓延していた。
「ええ。大宦官共による搾取の結果です。何しろ稼いでもその大半を税として持って行かれるのですから、どうしても活気は無くなって無気力感が蔓延するのですよ」
忌々しそうに呟く洪古。
その視線の先にいるのは、10歳を越えるかどうかといった年齢の姉とまだ5歳くらいの姉妹だった。だがその頬は痩せこけており、飢え死にしない程度の食べ物を何とか食べているというのが明らかだ。
「ここまで搾取が酷いとはな」
偽善と知りつつも、地面に座り込んでいる姉妹へと近づき、空間倉庫の中から焼きたてのパンを使ったサンドイッチの包みを10個程取り出して手渡す。
「……いいの?」
「お姉ちゃん?」
姉の方が俺へとそう尋ね、妹の方は手に持ったサンドイッチと姉、そして俺を見比べている。
「好きにしろ。どうせ買いすぎたパンを処分しようと思っていたところだからな」
この2人の子供だけに、しかも数個のサンドイッチを渡しただけでは何の解決にもならないだろう。精々この2人が多少の満腹感を得るだけなのだ。
「行きましょう、アクセル殿。先方もお待ちです」
「ああ」
洪古の言葉に頷き、姉妹へと背を向けてその場を立ち去っていく。
背後でサンドイッチの包み紙を破って、貪り食っているような音を聞きながら洪古の案内に従って道を歩いて行く。
「あの姉妹はまだいい方です。ここはどちらかと言えば発展している街なので、食べ物も最低限はありますから。しかし田舎の方は……」
「ここよりも酷い、か」
「はい。餓死者が出る事も少なくありません。それ程に搾取をしながら、大宦官やそれに媚びへつらっている者共は毎日食べきれない程の料理を作り、飲みきれない程の酒を飲み、そして余ったものは残飯として捨てています」
ギリッと奥歯を噛み締める音が聞こえてくる。
確か洪古は元々中華連邦の軍人だった筈だ。それだけに中央にいる者達の腐敗はその目で確認してきたのだろう。
「だからこそ俺達が立ち上がるんだろう? そして、今日のこれはその最初の1歩だ」
「ええ。この街の代表は周辺の村や街に対して強い影響力を持っています。それだけに、これから会う相手をこちらに引き込めれば心強い味方となるかと」
洪古がこれ程までに確信を持っているとなると、これから会うのは表向きの顔役とかおかざりの代表というのではなく、実際にこの街の権力を握っている人物なのだろう。
「だといいがな」
そう呟き、洪古の案内に従って道を進んでいく。
そして見えてきたのは、いかにも中華風といった様子の建物……では無く。一見すると粗末な小屋にしか見えない建物だった。
その建物を目にした時には微かに眉を顰めたが、すぐにそれを否定する。その小屋の周囲に座り込んでいるように見える者達がそれなりに腕の立つ護衛だと理解したからだ。
「へぇ、なるほど」
感心する俺をそのままに、座り込んでいる者達へと近付いていく洪古。
そして一言二言交わすと、護衛達の視線が俺へと向けられる。その視線の色は恐怖、畏怖といったところか。自分達と俺の戦力差がどの程度のものなのかを感じ取ったのだろう。
だが俺を驚かせたのはそこからだった。何しろ、圧倒的とも言える力の差を感じつつも怯んだのは一瞬だけで、すぐにその感情を押し殺して俺へと視線を向けてきたのだ。
なるほど。どうやらあの小屋の中にいる人物は余程のものらしい。
「アクセル殿、許可を得ました。こちらに」
「ああ」
洪古に案内されるような形で、そのボロ小屋の中へと入っていく。
護衛役と思われる男達の視線が俺の一挙手一投足を見逃さないようにじっと向けられていたが、特に何を言うでもなくそのまま俺を通す。
この辺はこれまで交渉を重ねてきた洪古や周香凛、そしてその2人の上司でもある星刻の成果だろう。
そしてボロ小屋の中には60代程と思われる爺さんが笑みを浮かべて俺を出迎える。
「ようこそ、お客人。儂はこの辺りでは丈雲と呼ばれておる。もっとも、本名ではないがな」
「本名ではない?」
「うむ。まぁ、昔に色々あったんじゃよ。それから何だかんだとあって、今はこの街に住まわせて貰っておる」
色々、ねぇ。まぁ、この爺さんがどんな過去を過ごして来たのかは問題じゃない。ようはこの街で強い影響力を持っており、同時に周辺一帯に対しても顔が利くかというのが重要なのだから。そう、この爺さんが頷けば殆ど無条件にこの街の周辺にある他の街もこちらに従うくらいには顔が利くのだ。
「さて、儂に用件があるとのことじゃが?」
「はい。詳しい話については星刻から聞いていると思いますが」
「うむうむ。あの希有壮大な話じゃな。実際にあの話が本当に実現可能じゃとしたら、確かに諸手を挙げて歓迎するじゃろう」
「おお、では……」
老人の言葉に思わず身を乗り出す洪古。だが、次の瞬間には息を呑む事になる。
「確かに実現すれば問題は無かろう。じゃが、もしそれが失敗したら恐らくこの街を始めとして、お主等に賛成した街はより高い税金を掛けられる事になるじゃろう。懲罰的な意味も込めて、な。それ故に、儂としてはお主等の話に飛びつく訳にはいかんのじゃよ」
老人とは思えぬ程に深い色をした視線を向けられ、息を呑む洪古。
軍人としてそれなりの修羅場を潜ってきた洪古にしても、引かないのでやっとか。
なら、ここからは俺の出番だな。
「爺さん……いや、丈雲、安心しろ。まぁ、言葉だけでこう言っても信用出来無いだろうが、星刻の後ろには俺の組織が付いている。国を作るのだろうが、あるいは中華連邦を破壊するのだろうが、そう難しい話じゃない。確実に成功するというのは俺が保証してやるよ」
「……ほう、儂の目を見て些かも怯まんとはな。確かに胆力は凄い。じゃが、お主はこの国の者ではないな? その外見からすると、EUかブリタニアの者といった所か。そんなお主が、この中華連邦に対して策略でも仕掛けに来たのかのう?」
「違うな。残念ながら俺の所属はEUでもブリタニアでもない。しいて言えば……シャドウミラーといったところか」
俺の口からでたその言葉に、微かに眉を顰める丈雲。それも当然だろう。この世界ではシャドウミラーの名前を知っている者の方が少ないのだから。
「シャドウミラー、影の鏡……のう。聞いた事の無い組織名じゃが」
「だろうな。この世界ではまだ無名だから知らなくて当然だ」
「……この世界、じゃと? また面妖な事を口にするお人じゃな」
訝しげな顔で俺を見る丈雲に、笑みを浮かべつつ右手の人差し指を立てる。そして次の瞬間、俺の指その物が白炎へと姿を変える。いつものように指先に炎を作り出したのではなく、純粋に肉体その物が炎と化したのだ。混沌精霊としての肉体に。
「っ!?」
さすがにこれには驚いたのか丈雲の表情が強張り、小屋の中の様子を察知したのか表にいた護衛のうち数人が中に入ってきて……そして同時に、俺の指を見て再び止まる。
「こんなのも出来るぞ?」
そのまま白炎を使い、リス、蝶、小鳥、といった炎獣を作り出して小屋の中に放つ。
10を越える小型の炎獣が小屋の中を漂い、走り回り、飛んでいる光景に丈雲や護衛だけではなく洪古までもが目を見開いて驚いていた。
「ご覧の通りだ。さすがにこれを見ても俺がブリタニアやEUのスパイだとは言わないだろう?」
「あ、ああ……確かに」
皆が唖然としている中で、それでも頷くのだからやはり丈雲の胆力はさすがと言うべきなのだろう。
「そして異世界の組織であるが故に、この世界と比べてもより技術が発展しているし、その技術を使った兵器も存在している。……まぁ、その兵器の性能がどんなものなのかは星刻辺りに後で説明して貰えばいいさ。俺が話すよりもそっちの方が信じられるだろう?」
丈雲は俺のその言葉に無言で頷く。
こうして、俺はこの地域一帯の実力者である丈雲の協力を得る事に成功し、着々と建国への道を進めるのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:41
PP:0
格闘:274
射撃:294
技量:284
防御:284
回避:314
命中:334
SP:734
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
ギアス(灰色)
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
撃墜数:509
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