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原作に介入=生 不介入=死 何だ!この世界は!

作者:zinn
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8話

 
 そして次の日、俺の家に4人の人物が訪れた。クロノ・ハラウオン、神谷剣、フェイト・T・ハラウオン、八神はやて。
 居間に入ってもらっている。


「話し合いをする前に自己紹介させていただきます。俺は三河 夕です」
「自己紹介ありがとう。 僕はクロノ・ハラウオン。時空管理局、提督を勤めている。先に先日の皇焔の行動について謝罪させていただく。すまなかった。」
「わかりました。謝罪を受け入れます」
「ありがとう」

「早速だが本題に入らせてもらう。君は時空管理局という組織を知っているか?」
「はい。両親が管理世界の出身ですから、最低限のことは知っています」
「そうか…では何故、先日ついてくることを拒否したんだ?」
「簡単です。知っていることと、信用できることは全く別ものです。それに両親にも管理局が無条件に信じられる組織だとは教わってません。アルゴに勝ってからいきなり現れて、指示に従えでは計画されていたようにすら感じます」
 来るタイミングが良すぎたのだ。

「それはそうだな。そのつもりはなかったらことは信じてほしい」
「わかりました信じます。最後にここは管理外世界です。管理世界の法に従う必要はないと考えたのでついていきませんでした」

 俺の自分の意見をすべて伝える。

「そうか…では君の右腕についているロストロギアを渡してくれるつもりはない、ということか?」
「いえ、取れるのなら持っていってもらって構いません」
「どういう意味や?」

 八神が俺の言葉に反応したように少し不機嫌な感じで聞いてくる。

「勘違いしてるようだから訂正する。渡さないのではなく渡せないんだ」
「どういうことだ?」
「このロストロギアは何かの条件を満たさないと外れないようになっているらしくて何をやっても外れないですよ」

 部屋で外そうとしたが外れず、いろいろ試したが取れなかったのだ。

「なに!?ちょっと待っていてくれ…僕だ、クロノ・ハラウオンだ!今から送るデータのロストロギアの情報を集めてくれ!収容中のアルゴ・ガルスキーにも情報提示を求めろ」

 どうやらアルゴはこのロストロギアのことを管理局に話してはいないらしい。

「ねえ、三河」
「ぬ?」
「本当に外れないのかい?」
「ほら、試してみな」

 神谷が聞いてくるので右腕のロストロギアを神谷逹の前に出す。

「それじゅあ失礼して」
「あっ私もやる!」

 八神も参加してロストロギアを外そうとするが、外れる様子はなかった。そうしているとクロノ提督が戻ってくる。

「すまない。アルゴ・ガルスキーと連絡が取れたのだが君と直接話をしたそうだ」
「わかりました。繋いでください」

 液晶モニターが俺の前に現れる。

「昨日ぶりだな夕よ」
「そうだなアルゴ」
「外し方を話す前に先に 謝らせてくれ。このようなことに巻き込んでしまってすまない」
「その調子だとこれを外す条件はかなり面倒なのか?」
「内容は簡単だお前が誰かに負ければいい」

アルゴの説明を纏めると
①このロストロギアは持ち主に勝利したものに渡る。

②戦闘が始まると持ち主と対戦相手の周りを結界で包み、他の人間を強制的に弾き出す。結界の大きさは持ち主が決められる。

③ロストロギアが渡るのは1日3回の戦闘のみ。それ以降の戦闘では渡らない。
ここまではただ負けれはいいので楽である。問題の条件は最後の1つ。

④このロストロギアが他者に渡るのは本気の持ち主を倒したときのみ。持ち主が手加減して敗北したときは渡らない。このロストロギアは持ち主の身体データを読み取っているので手加減するとすぐにわかる。

「マジかよ」

④のルールは邪魔すぎる。このロストロギアを手放すには全力を出して尚且つ負けないといけないって。
なんだ、このルールは!アルゴの件といい。このルールといい。これだと原作介入を避けることができない。待てよ………それが狙いか!?
 俺は世界の罰する力を二回打ち破った。特に二回目は余裕を持ってだ。 世界が俺を強制的に原作に巻き込もうとしているってことか?

「…河、三河!」
「っ!」
「三河、大丈夫?」

思考に沈んでいたようで ハラウオンの声が聞こえていなかったようだ。
 
「ああ、すまないハラウオン。考えてごとをしていた」
「大丈夫ならいいんだけど」

 さてどうするか?予想が正しければ原作介入の回避は難しい。このまま巻き込まれるか?意地でも逃げるか?…俺は神谷逹と話をしながら思考を巡らさせていた。意地でも逃げた場合は何が起きるか分からない…なら、行き過ぎない程度に介入するのがいいか………あ~面倒だ!世界の意思そのものに実体があったら粉々にしてやりたい!

「わかりました。全力で戦って誰かが俺に勝てばこのロストロギアが手放なせるなら安いものです」
「…それでいいのか?君は?」
「はい。でも簡単には負けませんよ。ははは」
「そうか、ではこちらも頑張らないといけないな」

クロノ提督は俺の言葉を冗談と受けたようで笑っていた。

「そういえば君はリンカーコアを持っているのか?」
「ええ、持ってますよ。皆さんと比べるとないようなものですよ」
「…そうかランクは?」

クロノ提督は顔を僅かに変化させた。おそらくは数年前の高町達の調査では俺にリンカーコアをなかったと判断していたからだろう。

「もとはEでしたが、1年くらい前にDランクなりました。それでもバリアジャケットを纏うくらいしかできませんけどね」
「そうか魔力があるなら管理局に来て欲しいくらいだよ」
「ご冗談をDランクじゃ大したことはできませんよ………そうだ、戦いに条件をつけていいですか?」
「条件?」
「はい。俺が戦うデータを残さないで欲しいです。Dランクと高ランク魔導師の魔法比べ何て恥ずかしくて残したくないですからね」

魔法比べはな。

「…分かった。認めよう。君のデータは残さない」
「お願いします」

自分の戦闘記録なんて残らないにこしたことはない。
その後、高町達から試合の詳細が伝えられた。試合は3日後、場所は無人世界に建てられた訓練施設で行われる。
 当日は三人娘と神谷が迎えにきた。そして俺はその訓練施設にきている。対戦相手は皇焔だ。

「ようモブ。この前の借りを返すぞ」

 訓練施設に高町達と到着し、申請をしてくると離れた隙にこいつがきて
「俺が対戦相手だ」と言ってきた。嘘なのはまるわかりだ。どうせ気絶させたのを根に持っているのだろう。
 俺は高町達が準備を終えてくる前に結界をはる。

「なんで皇焔が対戦相手なんや。剣君のはずやろ!」
「三河、すぐに結界を解いて!皇焔は危険だよ!」
「剣君!」
「わかってる結界が解けたら直ぐに割ってはいる!」

 高町達が戻ってきて皇焔が対戦相手になっていることに高町達が驚愕している。

「皇焔!提督命令だ今すぐ試合を停止しろ!」

 遅れてきたクロノ提督も 命令するが。

「誰がやってもすぐに終わるんだ俺がやっても問題ないはずだ」
「そういう問題では「別にいいですよ」三河!?」
「皇焔、さっさと始めるぞ。合図はこれが落ちたらだ」
「三河無理しないで」
「そうや!Dランクが勝てる相手やない!」

俺は八神逹の声を無視してコインを高く投げる。 コインは地面にぶつかり高い

「この前の礼だぁぁぁ」

皇焔は魔力をチャージし砲撃を放ってくる。あきらかにDランク相手に放つ攻撃ではない。
誰もが飲み込まれる夕を連想したが、現実はそうはならなかった。砲撃が夕に当たる瞬間、夕が消えたのだ。

「命中だ。思い知ったがこの「誰に命中したんだ?」なっ!?」

俺は後ろを振り返る踏み台(もう名前を呼ぶ気もしない)の額にデコピンを放つ。踏み台はその一撃で意識を失う。

「え?」

誰の声だったかわからないがそれを見ていた全ての人が驚愕しているのは事実だった。試合を直ぐに終わった。皇焔の敗けで。

「三河、今のはなんだ!?」

一番に正気に戻ったのはクロノ提督だ。流石は提督になるだけはある。

「何ってただ砲撃を避けて後ろに周り込んで額を弾いただけです」
「そういうことを聞いているんじゃない!あのスピードはなんだ。一瞬見失ったぞ。レアスキルか!?」
「レアスキルなって持ってないし使っていません。あれは特殊な歩法で素早く動いただけです。訓練次第で誰でも収得できる技術ですよ」
「しかし、「クロノ提督貴方逹、管理世界の人間は管理外世界の人間を舐め過ぎなんですよ。それに忘れてませんか俺はアルゴを倒したんですよ」っ!」
「別にリンカーコアなんて無くても魔法使いを圧倒できる人間は管理外世界います。魔法を絶対視するのは構いませんがそれで盲目してるようでは底をしれますよ」

「お兄ちゃん、次は私がいくよ」
「フェイト…いいのか?」
「うん。私もどこかで魔法を絶対視していのかもしれない。目を覚ますのにいい機会だと思うんだ。」
「…わかった」
「フェイトちゃん気をつけてな」
「三河君はお父さんやお兄ちゃん並みかもしれないよ」
「フェイト無理はするな」
「うん。そういうことだから三河!次は私が相手だけどいい?」
「問題ない。合図はそちらで出してくれ」
「うん。お兄ちゃんお願い」

 今度はハラウオンと結界内で対峙する。

「三河。バリアジャケットを来てくれないかな、そっちほうが全力でやれるから」
「…了解だ」
 夕はバリアジャケットを装着する。服装に大きな変化はないが手の甲から肘までの前面覆うアームプロテクターと膝下から足首の上まで覆うレッグプロテクターが現れる。

「これでいいなら始めてくれ」
「うん、ありがとう……お兄ちゃん!」
「試合開始だ!」

 俺は試合開始と共に当たらない距離にいるハラウオンに拳を放つ。ハラウオンは一瞬だけ惚けたがすぐに危険を察知してその場を離れる。ハラウオンがいた場所に何が当たったような音が響く。

「(なにかが当たった音?)」
「今のは空気を乱して乱れた空気を殴って飛ばしただけだ」
「空気を乱した!その手甲に刻まれた龍の模様!」
「ご名答、この模様は空気を乱すように計算された模様なんだ。続けるぞ」

 フェイトは高速で動いて背後からデバイスを振り下ろす。夕は即座に反応し振り返りもしないで攻撃を止める。防がれたフェイトも怯むことなく怒濤の連続攻撃を続ける。

「そこ…」

 夕は全ての攻撃を捌いてフェイトに一撃を放つ。攻撃はデバイスに命中し、その重さでフェイトは空中で数メートル後退させられる。

「(一撃がとてつもなく重い)強いね三河」
「鍛えてるからな弱いと自分の生き方すら決められないこともあるからな」
「生き方?」
「悪い。あんたには関係ない話だったな。再開だ!」

 夕はバリアジャケットの手甲に刻まれた複雑な模様で空気を乱し、それを利用して空気の塊を打ち出す。 フェイトは目に見えない空気の塊をその場から離れることで回避する。

「(今までに戦ったことないタイプの相手だけど楽しいなぁ)」

バトルジャンキー化が地味に進んでいるフェイトであった。

「なかなか早いな。ならこっちも早い動きで行くぞ」

 夕は剃(地面を連続で蹴り高速移動する技術)でフェイトに接近し蹴りを放つ。虚を突かれるがとっさにプロテクションでガードする。しかし、夕は止まらず、その体勢から連続蹴りを放つ。2撃目でプロテクションに亀裂が入り、3撃目で破壊する。そのまま飛び退こうとするフェイトの腕を俊敏な反応で捉え、もう一度蹴りを放つ。デバイスでガードするが夕の蹴りはデバイスを真っ二つに砕き、そのままフェイトの意識を刈り取る。
 フェイトの意識が途切れると同時に結界が解かれる。試合が終了したのだ。観戦していたメンバーはAAAランク魔導師のフェイトに無傷で勝利した夕に驚愕していた。
 その後、フェイトをクロノが医務室に運んで戻ってくるまで休憩となった。
訓練室の地面に座って休んでいる夕に剣が近づいてくる

「三河」
「ぬ?」
「本当に強いね。フェイトに無傷で勝つなんて」
「言ったろ鍛えているってな。魔法なんて使えなくてもあれくらいできる人は少ないが確かにいる。俺もその一人である。それだけだ」
「剃っか…質問いいかな?」
「…どうぞ」
「君のその腕からどうしたらあれだけの力がでるんだい?…あっこれって聞いていいことなのかな?」
「別にいい…答えは筋肉の質の問題だ。人間の筋肉には《持久力はあるが一撃の爆発力が低いもの》と《爆発力はあるが持久力の低いもの》、《持久力も爆発力の両方を併せ持つもの》が存在する。俺の身体はその3つ目の筋肉で構成されているから見かけ以上の力が出せるってことだ」
「それって僕にもできたりする?」
「できるけど、おすすめしない。内容は過酷な上に時間がかかる。トレーナーが優秀じゃないと体のバランスが崩れることも多い。それでもやるか?」
「遠慮しとくよ」
「そうか…それで次の対戦相手はあんたでいいのか?」
「うん…今の僕じゃ君に勝てないかもしれないけど全力で行かせてもらうよ」

 初日最後の対戦相手は神谷剣。両者が構えをとり、試合が開始される。誰もが激闘になると予想し見守ったが、実際の試合はそうはならなった。剣が明らかに試合を長引かせるような戦い方をしたのだ。決して無理な攻撃をせずに防御を優先し、夕の動きを観察していた。夕はその狙いを少しして理解する。

「(目的は俺の技や動きを少しでも多く観察し、次の対戦に生かすことか………つまり今回は勝つ気はないってことか?なら、とっとと技を見せて終わりにさせてもらう)」

 その後の結果はあっさりしていた。夕は神谷の刀を鉄塊で受け止め、出来た隙に拳を叩き込んで終了となった。新たな技こそ出したがまだまだ技や歩法は残っているので夕には余裕があった。
 クロノ提督と話し合い。このロストロギアが外れるまで対戦を続けることとなった。 
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