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VenusBlood-d×d-

作者:植物紳士
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兄妹の心

私、リアス・グレモリーは姉であるリーネ・グレモリーを誇っている。
リーネ・グレモリーには幼い頃から数々の異名で呼ばれる。
グレモリーの天才児、次期魔女王、魔の探究者、とにかく他の子供とは違っていたらしい。
そんな姉に私は誇りに思っていた。魔王であるお兄様は魔王としての仕事で普段はプライベートでしかお会いできない、しかしプライベートのお兄様はお世辞にも尊敬できも方とは言えない突拍子も無い事や行動を行なったりするから。
それに引き替えお姉さまは私が理想とする女性像そのものだった、美しい容姿、高い知性、そして何よりグレモリー家としての気高く深い慈愛の心を持ってた、でもそんなお姉さまは子供を産む事が出来ない身体だった。

お姉さまが変わり始めたのはその真実を知った頃からだと思う、それからお姉さまは何かの研究に没頭するようになった、そしてあの技術を完成させ自分の子供を産んだ。初めて会ったお姉さまの子供達はそれぞれが全く違った容姿をしていた悪魔もいれば魔獣人型の悪魔もいた、でも容姿が違っても違わない物が有ったお姉さまが子供達を等しく深く愛していた事だ。

昔、お姉さまの夢を聞いた事があったわ、お姉さまは愛する方と一緒に我が子達に囲まれながら幸せに生きる事だと答えた意外だったわ、次期魔王候補のお姉さまなら魔王になる事も不可能ではないと思っていたからそんなお姉さまが女性としての幸せを夢見ていたから尚更だった。

お姉さまの産んだ子供達は数年で成人の体格にまで成長した、堕天使や天使との戦いを想定して子供である時期を短くなるように調整をおこなったらしい。そんな時に堕天使の一部が独断で悪魔領に攻め込むとゆう事件が起きた、その対処に向かったのはお姉さまとその子供達、堕天使は100を下らない数だったそうだがお姉さまとその子供達はたった7人で堕天使達を討伐した。

この快挙にお姉さまの子供達の1人に公爵の位が送られた、しかしこれを面白く思わない者達が居た貴族達だ。貴族である自分達にとって代わる存在が現れた事に彼等は慌てた、比喩ではなく本当に取って代わる程にお姉さまの子供達は優秀だった、出産率が低く長寿な悪魔そんな種族においてお姉さまの技術は画期的なものだった、だけど己の栄華の保身にしか興味の無い彼等にはどうでも良い事だったらしい優秀な悪魔が多く生まれる、公爵の位を貰った者すら居る、いずれ自分達にとって代わるそんな存在を許す事は出来ない彼等はお姉さまの子供達を悪魔ではなく化け物だと罵った、それだけじゃなくお姉さま自身も禁忌に手を染めた穢れた者だと罵った。そして皆々がお姉さまを異端者を見る様な目で腫物に障る様に接し始めた、お姉さまは自分が治める領地に引きこもる様になりめっきりグレモリーの実家にも来なくなってしまった。
そしてお姉さまは自身が治める領地の領都を空に浮かべた、それは子供達を守る揺り籠の様でお姉さま自身のユートピアを再現している様に思える、悪魔が楽園なんてね。
空に浮かぶ都市エネルゲイヤ。お姉さま、貴女は自分が作った楽園で自分の子供達に囲まれて幸せですか?





私、サーゼクス・ルシファーは妹であるリーネ・グレモリを助けたいと思っている。
リーネは才気あふれる子供だった、次のルシファーはこの子がなるだろうと私も秘かに思っていた。
そんな妹の未来に暗雲がたちこめた、女性としての機能を妹は持っていなかった。才ある者しかり力ある者に野心や野望は付き物だ、しかし魔王になれる器である妹は女性としての幸せを望んだ、だが未来は無残に砕かれたしかし私は心のどこかでそれを望んでしまった所が有ったあの子なら私の後を譲っても大丈夫だ、悪魔の将来を託せるそんな逸材を埋もれさすのは惜しいそう思ってしまった、妹の不幸を喜ぶなど兄として有るまじき事だ。
だが妹にはさすがと言わざるおえない、リーネが産みだしたグローエッグ技術、人工的に悪魔を産みだす技術、この画期的な技術があれば今の様に人間を悪魔に転生させて眷属にする必要が無くなる、無理矢理眷属にしてはぐれ悪魔を生みだす問題に終止符を打てる、そう思ったしかし現実はそうはいかなかった、事の発端は一部の堕天使が独断で悪魔領に攻め込んで来た事だ、幸いリーネとその子供達が対処に当たってくれてなんとか事態を収拾して戦争を回避できた、私を含む四大魔王の面々はこれを契機にグローエッグを大々的に世間に広めようとした、リーネの息子の一人フィネガスに公爵の位を与えたのもその一環だ、位を魔王から賜るグローエッグチルドレンを魔王が認めたその触れ書きは今後産まれてくるグローエッグチルドレンの地位の確立に繋がる、そう思っていたしかしそれを貴族達は認めなかった自分達と取って代わる存在を彼等は認めようとしなかった、魔王としては中立を保たなければならない、どれだけ妹を貶されたとしても。
貴族からの誹謗中傷を受けた妹は自陣の領地に引っ込んでしまった、それからまったくと言っていいほど顔を見せなくなった、さらに暫らく経つと私の元にある一報がもたらされた、リーネが治める領地にある都市が空に浮かんだと事の次第を聞く為にリーネの元を訪れると子供達と平和に静かに暮らしたいのだから私にもう関わらないでそう悲痛な顔をして答えられた。
私は何も言えなかった妹が苦しんでいる時に私はそれを見て見ぬフリをしてしまった、そんな私には妹に何かを言う権利などありはしないだろうなら私に出来る事をしよう。私が使える最大限の権力を駆使して空に浮かぶ都市エネルゲイヤに航行権などの権利を与えた、反論などが上がっても黙らせるつもりだったが貴族達はこれは幸いと厄介払いできると思ったのだろう反対意見などはあがらなかった。それ以来空に浮かぶ都市エネルゲイヤは世界の空を漂っている。
リーネ、君は今幸せかい?私は兄として君の幸せを願っている、願わくばまたグレモリーの家で家族揃ってでの食事などをとりたいね、その時は君の子供達やミリキャスを交えてね。
 
 

 
後書き
今回は回想と言うか何故リーネが今のような状態になったかというような話でした。
悪魔陣営に対してのリーネの好感度はゼロと言っていいです、何かあったらマジで内戦を起こしちゃうくらい低いですが表向きは友好的に接します。
今回もお読み頂いて有難う御座いました。

 
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