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食べられる

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第四章

「絶対吉報にする様にするから安心してくれよ」
「すいません、本当に」
「いいってことよ、お礼はメロンとマンゴーと西瓜でいいからな」
「そんなのでいいんですか?」
 どれもセンの店に普通にあるものだ、それでセンは屈託のない笑顔になってそれでセンに言ったのである。
「メロンとかで」
「どれも一個ずつでな」
「何か安いですね」
「いいってことよ、ラーダちゃんに旦那が必要だと思った時だったしな」
 若旦那にとっても渡りに船だったというのだ。
「それ位でいいさ」
「そうですか、じゃあ」
「ああ、ちょっと待ってくれよ」
 こう話したのだった、そして若旦那は一旦店の奥に入ったがすぐに戻って来てセンに対してこう言ったのだった。
「明日、返事するらしいな」
「明日ですか」
「ああ、明日な」
 今日ではなくだというのだ。
「明日にするらしい」
「そうですか」
「まあそれでもな」
「吉報はですね」
「そっちには絶対にするからな、後今から俺がそっちの親御さん達に話していいか?」
 つまりセンの両親にだ、勿論若旦那もよく知っている相手だ。
「そうしていいか?」
「はい、それじゃあ」
「いいことに対しては動かないとな」
 それも積極的にというのだ。
「だからな」
「うちの親にも話してくれますか」
「こういうのはセンちゃんが言うより他の奴が言った方がいい」 
 それも若旦那の様に相手と親戚関係にあってしかもセンの家族とも昔から付き合いがあってよく知っている人間がだというのだ。
「だから俺から話すな」
「じゃあお願いします」
「何しろラーダちゃんとセンちゃんの結婚がかかってるからな」
 彼にとっては義理の妹、それに弟分の親しい二人のことだからというのだ。
「一肌も二肌も脱ぐぜ」
「すいません、しかもありきたりのお礼で動いてくれて」
「当然だろ、じゃあな」
「お願いします」
 センも今は若旦那の言葉に頼る、そうしてだった。
 若旦那は早速センの両親のところに行きそちらの話も整えた、一旦動きだした話は瞬く間に進んでいった。
 そしてだ、センが気付くともうその明日、ラーダからの返事が来る日になっていた。
 朝早くに店に入るとだ、もう向かいの肉屋には。
 ラーダがいた、若旦那とラーダを少し年長にさせた感じの美人もいた、若旦那は美人と共にセンに朝の挨拶をしてから自分の隣にいるその美人を指し示して言った。
「見たことあるよな」
「はい、シバーチさんのですね」
「女房な」
 にかっと白い歯を出して答えてみせた。
「つまりこの娘のな」
「お姉さんですね」
「よく似てるだろ」
「そうですね」
 センにしても少し見ただけでは見間違いかねない程だ、しかしよく見れば目元や背の高さが違う。ラーダの方がやや低い。
「それで」
「おはようございます」
 ラーダがだ、ここではじめて言って来た。 
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