外から来た邪
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第三章
神父はその目に警戒の光を宿らせてだ、こう二人に言った。
「それは危険ですね」
「何か知ってるのかい?」
三人はソファーに座りエンリコが淹れたコーヒーを飲みつつフェリペの話を聞いた、そのうえでフェリペはこう問うたのである。
「この事件のことを」
「事件のこと自体ははじめて聞きましたが」
「こうした事件はか」
「はい、聞いたことがあります」
そうだというのだ。
「一度」
「じゃあ対処の方法もあるか」
「一度教会に戻ります」
神父は真剣な面もちでフェリペに答えた。
「必要なものを持ってきます」
「吸血鬼じゃないよな」
「それではないです」
神父はその妖怪ではないと答えた。
「これは」
「そうか、じゃあ木の杭とか十字の剣は出さないな」
「他のものを」
用意するというのだ。
「持ってきますので」
「何か洒落にならない相手みたいだな」
「実際にかなり危険な相手です」
新譜はこのことは否定しなかった。
「調査の際もくれぐれもお気をつけを」
「そうか、じゃあ神父さんが教会から戻ってからだな」
「調査をはじめましょう」
こう言ってだ、神父は一度教会に戻って来た、そのうえで色々と持って来てフェリペとエンリコの前に出してきた。それはというと。
銀の弾丸と銀の拳銃、それに銀の短剣。拳銃と短剣は三つずつだ。弾丸はかなりある。
そして銀の十字の形をした剣。そうしたものを持って来てだった。
神父は二人にだ、こう言った。
「拳銃と短剣は一つずつです」
「持ってか」
「自分の身はですか」
「お守り下さい」
これが二人への言葉だった。テーブルの上に置いたそれ等を見せながら。
「そうして下さい」
「銀を溶かして作った拳銃に短剣なあ」
「それに長剣もですね」
二人はその拳銃と短剣を手に取りつつ言う。
「冗談抜きで相手は化けものだな」
「それなんですね」
「そうです、それも吸血鬼よりもです」
危険だというのだ、
「油断すると返り討ちになります」
「相当な相手なんだな」
「そうなんですね」
「そうです、だからこそです」
武装してだというのだ。
「後は二人共聖書もお持ち下さい」
「聖書を?」
「聖書はそれ自体が強力な護符になります」
「化けものにはか」
「そして十字架も」
それも持って欲しいというのだ。
「胸にかけて下さい」
「何か神父さんになった気分だな」
「そうでもしなければ」
とてもだというのだ。
「私が思っている相手なら探している中でやられます」
「ううん、何か怖くなってきましたね」
エンリコは叔父の言葉を聞いて眉を曇らせて述べた。
「本当に」
「油断しない方がいいのは確かだよ」
その通りだとだ、神父は甥にも話した。、
「それはね」
「そうですか」
「うん、だからね」
備えもしておくべきだというのだ。
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