原作に介入=生 不介入=死 何だ!この世界は!
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5話
俺が男を殺してから1ヶ月が経過した…あの後、なんとか家に帰りつけた。両親にはものすごい心配されたが救急車を呼ばないくれと必死に懇願したため、信頼できる知り合いを両親が呼んで自宅で治療してもらった。学校には自宅の階段から落ちて怪我をしたといい休んでいる。
両親には魔法使いに襲われたこと、その魔法使いが他に5人の命を奪っていたこと、俺がその魔法使いを殺したことを話した。幸い両親は管理世界の出身なので魔法の存在を知っており、すぐに納得してもらえた。男を殺したことも、殺さなければ殺されていたと許してもらえた。 しかし、この事件を期にこの町を離れるべきだという考えを持ったようだ。PT事件に闇の書事件。今回の殺人事件、この町で大きな事件が起こりすぎていることを心配したようだ。どうするかは俺の怪我が治ってから決めるそうだ。
休んでいる間に高町と神谷が見舞いにきた。挨拶する程度の知り合いだ見舞いにくるはずがない。いきなり休んだ俺を調べに来たのだろう。あいつらの前で眠った演技をすると何かの機械を俺のリンカーコアのある辺りにかざしていた。封印していても微量な魔力を発見できる機械かなんかだろう。しかし、リンカーコアが発見できず、白と判断したようだ。
そう、俺のリンカーコアは現在動いていない。フルドライブで自分のリンカーコアの限界を超えた魔力を無理矢理捻りだしたことでリンカーコアが停止してしまったのだ。何時復活するのか、そもそも復活するのか不明の状態である。高町達が俺に当てた簡易機械では作動していないリンカーコアを発見することは出来なかったようだ。アースラの設備を使った精密検査なら、見つけられるかもしれないが。この段階で白ならもう疑われることはないだろう。
そんなこんなでゆっくり療養できた。明後日には学校に復帰することになっている。そろそろこの先どうするかを決断しないといけないな。お休み。
白い空間、転生前にきた場所に酷似した場所に俺が立っているということは「よく来た、世界の力をはね除けし転生者よ」 神様の登場だ
「お久しぶりです。神様」
俺が手を上げて挨拶すると神は以外そうに顔をしていた。
「なんですか?」
「いや、私にあったら殴りかかってくると思っていたのでな」
「そういうことですか・・・確かにあの世界の条件には今も怒りの感情を持っています…けど、あなたを恨んではいません」
「何故だ?私はお前逹、力を持たない転生者達に罰の内容を教えなかったの「教えなかったのではなく、教えられなかったもしくは知らなかったの間違いでは?」…ほぅ、何故そう思う?」
「あなたが俺達、能力なしの転生者が転生するときに謝罪していたからです。俺達より遥かに上位の存在であるあなたが運試しのくじ引きでハズレを引いた負け犬転生者に謝罪の必要なんてない。なのにあなたは謝罪した。頭こそ下げていないが、声には謝罪の念がしっかり感じらました。あなたは人格者だ。 そんなあなたが命に関わる内容を伝えないとは考えられない。なら後は簡単だ。あなたは伝えられなかった、もしくは知らなかった考えるのが自然」
「クックック、よく頭が回るようだな」
「死にかけてから、いろんなことを考えるようになりましたから」
「そうか………貴様のいう通りだ。私逹、神は罰の内容を転生者に教えてはならないのだ」
「神なのに?それに今の説明からすると神は複数いるのですか?」
「そうだ。そもそも神とは平行世界同士が互いに干渉しないように管理することを仕事とする存在だ。一人の神が100ほどの平行世界を管理している」
「けっこう多いですね」
「そうだろ。これでも忙しい身なのだ。管理を怠るとすぐに平行世界同士が干渉し合おうとするのだ。しかし、我々の仕事は管理することのみで余程のことがない限りは世界に干渉することができない…情けないことだかな」
神が自嘲するように笑う。
「なら何で俺とあなたはここで話せているんですか?」
その話が本当なら俺と話も出来ないはずなのだが。
「貴様が世界の罰をはね除けたことで世界の力が一時的に弱まっているのだ。
「…それ大丈夫なんですか?」
「問題ない。3年ほどで元に戻る…それと同時に転生者を罰する力も戻ってしまうがな」
また、復活すんのかよその力。ということは俺逹に残された時間も約3年か…。
「今のうちに生き残った転生者に伝えておけ。どんな形でも原作キャラと関わっておけとな」
「解りました」
「こうして貴様と話すことはもう出来ないだろう。だから今のうちにお前の質問に答えてやろう。何かあるか?」
質問か…。
「なら一つ。俺逹、転生者はなぜ存在するんですか?」
神は基本的に管理している世界に干渉できない。俺達を転生させることも干渉に繋がる行為のはずだ。
「答えよう。転生者はその世界を安定させるために必要なのだ」
「安定?」
「先ほど、我々の仕事は、平行世界同士の干渉を防ぎ管理することだといったが、実は小さな干渉は頻繁に起きているのだ…お前逹の元いた世界にこの世界、リリカルなのはの原作が存在するのはその干渉が起きた結果なのだ」
マジ?ということは俺達の元いた世界にも何かしらの物語があり、その原作が何処の平行世界にあるかも知れないってことか?
「その通りだ。両者の世界の存在に関わりのない小さな干渉は起きている 。あってもなくても困らない小さな干渉だ。しかし、そうした小さな干渉が連続して起こると極稀に一つの世界が不安定になることがある。放っておくとどうなるか解らない。そこで転生者を送るのだ。世界が不安定なのは連続した小さな干渉により、世界が何か足りないものを求めるようになることから発生する」
「そこに世界の求めている転生者を送ると世界が安定するということですか?」
「そうだ。しかし、どんな転生者をその世界が求めているのかは解らない。だから、様々なタイプの転生者をその世界が一度に受け入れる限界数送るのだ」
この世界の場合は一度に送れる限界数が10人ってわけか。
「因みに貴様逹の世界は現在弱まってこそいるが安定した」
それなら今後、転生者が増えることはないんだな。俺達みたいな力のない転生者がこれ以上増えないのはありがたい。
「なるほと納得しましたよ。ありがとうございます神様」
「他に質問はあるか?」
「……ありませんね」
俺達が何なのか解ってすっきりしたよ。
「では最後に、私を楽しませくれた褒美を授けよう」
「楽しませた?」
「お前が行なった罰をはね除ける行為は、滅多に起きることではないのだ。あれはなかなかに楽しめたぞ。その褒美だ」
「まぁ、貰えるものは貰いますけど、大丈夫なのですか?世界の力が弱まっているとはいえ、そんなことして」
世界が反発しないのか?
「問題ない。褒美といってもお前の持っているものに干渉するだけだ。この程度なら反発は起こらん」
「持っているもの?」
「大したことではない。一つは貴様の停止しているリンカーコアをあと一週間で復活するようにしよう」
リンカーコアの復活か…復活して損はないな。
「もう一つは貴様が手に入れた次元移動系のロストロギアの使い方を貴様の頭に流し込んでおこう。おまけとしてロストロギアを使って転移しても魔力反応がでないようにしよう」
これはかなりありがたい。これで次元世界を渡ることができる。
「感謝します神様」
「気にするな褒美だからな…それではな、達者に暮らせ三河 夕よ」
その言葉を最後に俺の意識は薄れていった。
目が覚めると朝だった。俺は布団から出るとしまっておいた次元移動系ロストロギアを手に持つ。 神様のいう通り、使い方や注意事項が解る。
「これがあれば…よし!」
俺は一つの決断をする。
俺は両親に大切な話があるので朝食を食べたら時間を作ってくれる様に頼んだ。二人はすぐに応じて時間を作ってくれた。
「それで、大切な話とはなんだ?」
「…実はこの間の男から奪ったこの次元移動系のロストロギアを使って次元世界を旅したいんだ 」
両親には、今後も何かしらの事件に巻き込まれる予感がすること、次も無事でいられる保障ないこと、ただそれを普通に生活して待つのは嫌であること、どうなるか解らないならいろんな世界を見て見たいと思ったことを伝えた。
父は真っ青になり、母に至ってはどうしてうちの子がと涙を流し始めてしまった。二人に一度、落ち着いてもらって会話を続けた。危険すぎると反対もされたが何とか説得に成功。そしてリンカーコアが復活するその日に旅に出ることになった。その一週間の間に準備を整え、生き残った力を持たない転生者に神からの警告を伝えた。そして原作キャラにどんな形でもいいから関わるように促した。
そして出発の日。
「夕…楽しんできなさい」
「…ちゃんと帰ってくるのよ」
「ああ、行ってくる。この世界に戻ってくるたびに一度は家に帰るよ。行ってきます父さん、母さん」
「「行ってらっしゃい」」
俺は両親に見送られ、この世界を後にした。
追記、次元移動ロストロギアの説明。
このロストロギアは使用前に起点とする世界を決める必要がある。
このロストロギアはランダムに次元転移がてきる。
起点とした世界なら何度転移した後でも戻ることができる。
(ランダムな転移であるため)前に行った世界にまた転移できる可能性は限りなく低い。
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