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機動戦士ガンダムSEED DESTINY~SAVIOUR~

作者:setuna
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第三十三話 明日

 
前書き
エターナルを撃沈したザフト。
しかし…。 

 
エターナルを撃沈し、AAを戦闘不能にし、ザフトの勝利は確定したかに見えた。
しかしキラはインフィニットジャスティスのミーティアをストライクフリーダムに装備させ、再び攻撃を仕掛ける。

シン「あんた、よくも!!」

同胞を多数殺されたことに怒りを感じてミーティア装備のストライクフリーダムに突っ込むシンのデスティニー。

キラ「ラクスを殺したのは君達じゃないか!!」

シン「ミネルバクルーやステラの仲間を殺したのはあんただろうが!!」

キラ「戦場にいて憎まれないはずないって言ったのは君だろ!!それにミネルバクルーとか仲間とか、そんなこと僕は知らない!!それにわざとやったわけじゃない!!」

シン「ふざけんなああああああ!!!!」

シンはもう一度ミーティアを破壊しようと試みるがキラはそうはさせないとばかりにビームを放つ。






































ラクスに寝返ったザフト兵も攻撃を開始している。

イザーク「貴様ら何をしている!!いい加減にしろ!ラクス・クラインは死んだんだ!!これ以上終わった戦いを蒸し返すな!!」

「うるさい!!ラクス様を殺した奴らを皆殺しにするまで終わりなど無い!!」

もうオーブは負けたというのに…ここまで往生際が悪いとは……。

イザーク「俺達は負けたんだ!!貴様らも誇り高いザフト軍人なら潔くしろ!!」

「黙れ!!デュランダルの私兵に屈した臆病者が!!!!」

アレックス「なっ!?それはイザークにとって禁句だぞ…」

イザーク「貴様…………今何と言った?俺が臆病者だと…?軍人としての誇りすらない屑の分際でこの俺を臆病者と呼ぶなどと……貴様らあああああ!!!!良い度胸だ!!全員叩き潰してくれるわあああああ!!!!!!」

アレックス「お、おい!!イザーク!!まったく…仕方のない奴だ!!」

突っ込んでいくインフィニットジャスティスにセイバーも共に向かう。










































ナオト「まったく、何だっていうの…?ラクス・クラインが討たれたのにあいつらはまだ抵抗を続けるし…………。」

ディアッカ「俺が言うのも何だが見苦しいぜ、ここまで往生際が悪いってのはよぉ……つーか、俺達も危なくね?」

ディアッカが呆れたような声を出す。

ナオト「炒飯、シホさん」

ディアッカ「ん?」

シホ「…?」

ナオト「後で議長に執り成してイザークも含めて裏切ったこととかチャラにしてあげるからこいつら片付けるの手伝ってよ」

ディアッカ「いいのか?裏切るかもしれないぜ?」

ナオト「その時はミネルバのMS隊全員でフルボッコしてあげるから安心して」

ディアッカ「え、えげつねえ…こりゃあ裏切れないわ…」

ルナマリア「あ、でも議長のお考え次第では本当にそうなりそうですよね炒飯さん」

ステラ「ギルは怒ると怖いよ…?炒飯…」

ディアッカ「……マジか?というか炒飯言うな!!」

ナオト「あんたなんか炒飯で充分だよ!!軍人止めて中華料理店でも開けば!!?」

ナオト達も反乱軍の駆逐に向かう。






































バルトフェルドのゲルググはデスティニーインパルス、レジェンド、デスティニーに包囲されていた。

ハイネ「さあ、砂漠の虎。ラクス・クラインは死んだぜ?あんたはどうする?」

バルトフェルド「…投降しよう。このまま争っても意味はないからな」

クレア「賢明な判断です。ハイネさん、お願いします。」

ハイネ「へいへい。今一番役に立たないのは俺だからな」

バルトフェルドのゲルググとの戦闘でハイネのデスティニーは左腕、両脚、更にフライトユニットの右が破壊されているため、離脱しなければならない。

ハイネ「お前ら!!ここまで来といて死ぬなよ!!」

クレア「死にませんよ!!」

レイ「俺達にはまだすべきことがありますから……ミーティアを破壊するぞクレア」

クレア「うん、あんな卑怯な装備は壊さないとね!!」

デスティニーインパルスとレジェンドがデスティニーの援護に向かう。









































キラ「平和を願っていたラクスの言うことが間違ってるはずないだろ!!それなのにラクスを討とうとするなんて許せるわけないじゃないか!!」

シン「絶対に間違わない人間なんてこの世にいるか!!第一、この世界は生きているみんなのものだ!!」

キラ「みんなが好き勝手にしたらおかしくなるからラクスは立ち上がったんだ!!デュランダル議長も世界を滅ぼそうとしてるじゃないか!!」

シン「勝手に決め付けるな妄想野郎!!」

キラ「君達さえいなければアスランは戻って来てくれた!!君達さえいなければ!!」

キラはミーティアのビームソードを展開し、デスティニーを切り裂こうとするが。

レイ「シン!!」

レジェンドのドラグーンを射出し、ミーティアに向けてビームが放たれる。

キラ「っ!?」

キラは何とか翻そうとするがミーティアの巨大さが災いして直撃を受ける。

クレア「どりゃあああああ!!!!」

ミーティアのエンジン部が大破し、デスティニーインパルスが最後のエクスカリバーを構えて突撃。
ミーティアを切り裂いて、破壊する。

シン「レイ!!クレア!!」

クレア「シン!!ミーティアは破壊したよ!!」

レイ「反乱軍は俺達に任せろ、お前はフリーダムを討て!!」

シン「ありがとうクレア、レイ。」

ミーティアを破壊したレジェンドとデスティニーインパルスは反乱軍へと向かう。

キラ「逃がすか…!!」

シン「待て!!あんたの相手はこの俺だ!!」

レジェンドとデスティニーインパルスを追おうとするストライクフリーダムに立ちはだかるデスティニー。

キラ「君は…どこまでも僕の邪魔をする!!」

シン「何キレてるんだか…腸煮え繰り返ってんのはこっちなんだよ!!」

パルマ・フィオキーナでストライクフリーダムを攻撃する。
ストライクフリーダムのビームシールドを展開することで防ぐ。

キラ「君には世界がどういう道を歩もうとしているのか分からないのか!?」

シン「妄想で戦争をやるあんたらよりかは遥かに見えているさ!!」

キラ「ラクスは世界を正しい方向に導こうとしてたのに!!」

シン「そうやって奴に敵と言われた奴を人形のように忠実に殺してたんだろ!!」

キラ「コックピットは狙っていない!!」

シン「それをすれば死なないと思ってんのかあんたは!!」

何度も何度も切り結ぶ。
互いに言葉をぶつけ合って。

キラ「いつまでも戦ってちゃいけないから僕達はそれを終わらせようとしたんだ!!」

シン「終わらせる!?悪化させるの間違いだろ!!このテロリスト!!」

キラ「世界をこのままにしておけないんだ!!」

シン「あんたらがやってることは単なる人殺しだ!!要求を聞かない相手を力で捻じ伏せる、それだけだろ!!オーブ軍にだって同じことしたじゃねえか!!」

キラ「でも!!」

シン「でも!!じゃねえだろ!!行動には責任が伴うんだよ!!責任を負えないなら何もするな!!」

フラッシュエッジを振るい、ストライクフリーダムの右腕を切り裂いた。

キラ「くっ!!」

咄嗟にキラはデスティニーを蹴り飛ばす。

シン「うおおおおおお!!!!」

それでもシンはデスティニーを動かしストライクフリーダムに突撃する。
迎撃しようと機体を動かそうとした時、ストライクフリーダムに異常が発生する。

キラ「え!?」

何が起こった?
整備不良?
それともハイパーデュートリオンエンジンに異常?
それとも他に要因があったのか?
異常の原因は機体のダメージである。
ストライクフリーダムはキラ・ヤマトの運用を想定して極限まで運動性向上のために装甲を細かく分割しスライドさせるシステムを採用しているが防御力低下の要因にもなっているのだ。
防御を犠牲に運動性を求めた結果である。
それを好機と見たシンはデスティニーインパルスのエクスカリバーを構えてストライクフリーダムに突撃する。
それを見たキラは何とかカリドゥス複相ビーム砲とクスィフィアス3レール砲をデスティニーに放つ。
それらはデスティニーの頭部に直撃し、頭部を破壊するが、デスティニーの速度は全く落ちていない。

キラ「っ、止まれ!!止まれええええ!!」

恐怖を感じたカリドゥス複相ビーム砲を何度も放つがギリギリで回避し、ストライクフリーダムに肉薄。
そして…。

シン「これで終わりだああああああ!!!!!!!!」

エクスカリバーがストライクフリーダムを貫いた。

キラ「う…っ……………あ………ああ………」

エクスカリバーに貫かれたキラは激痛に苛まれる中、今の状況が理解出来なかった。
何故負ける?
自分は世界のために戦ってきた。
それなのに何故世界の敵に、デュランダル議長に従う敵に負ける…?
キラは霞んでいく意識の中、記憶の中のアレックス…アスランに助けを求めた。
自分を助けて欲しい。
そして一緒に、前のように一緒に戦って欲しい。
自分の記憶の中のアスランはいつも溜め息をつき、小言を言いながらも助けてくれた。
だから今度も…。

キラ「アス、ラ…ン……助けて…怖いよ…死に、たくな、い…よ……」

キラの最期の言葉と共にストライクフリーダムは核爆発を起こした。
シンは爆発に巻き込まれながらも呟いた。

シン「死にたくない…か……。でもな、最高のコーディネーター、キラ・ヤマト。あんたや俺が墜として来た奴らも、あんたと同じ気持ちだったんだぜ……」

ストライクフリーダムが完全に爆散した。
核爆発の凄まじい熱量がデスティニーを襲う。

ステラ「シン!!」

損傷したガイアがバーニアを吹かし、デスティニーの反応がある場所へと向かう。

アレックス「キラ…」

目を閉じれば昨日のことのように思い出せる。
幼年学校から共に過ごした思い出を。






































キラ『やっぱ凄いよなあアスランはあー』

アスラン『そんな大したことじゃないよ…最優秀って言ったって同学年の中だけだし…』

キラ『だってあの論文、僕が読んでも何のことやらチンプンカンプンだったもん!!』

アスラン『何言ってんだよ!あの時、キラは1ページ目の見出し見ただけで投げ出した癖に!!キラの悪い癖だよそれ!!』

キラ『ん?』

アスラン『キラは何でもやる前からどっか諦めてる気がするんだよな!!もっと自信持てよ。キラだってやれば出来るんだからさ!!』

キラ『そんな…僕にはアスランみたいな才能はないよ…』

アスラン『例えば…ほらあれ!!天才的裏技プログラミングとかさ!!』

キラ『ええ~っ、あんなのお~?アスランだってあんなの邪道だって言ってたじゃないか!!』

アスラン『い…いいや!!キラには絶対プログラマーの才能あると思うよ!!俺には思い付かないもの…あんな裏ルートがあるなんて…』

キラ『そ…そっかな…』

アスラン『でもあれじゃ、キラ本人にしか扱えない代物だけどな…』

キラ『えへへへ~…ええ!?』














































アスラン『ちょっと待て…今、何て言った?』

キラ『え?だから鳥』

アスラン『鳥ぃ!?授業の課題なんだからもっと簡単なのにしろよ!!』

キラ『え?駄目?可愛いと思うんだけど…首傾けて鳴いて…飛ぶんだけど…後スラスターを付けて宇宙を飛び回れるようになれば最高だけど…難しいかな?』

アスラン『当たり前だ!!首傾けたり空を飛んだり鳴いたりするんだろう!?俺にだって簡単じゃないぞ!!それをマイクロユニットが苦手なキラに二週間で作れると思ってるのか!?まさかまた俺をアテにしてるだろ!!!?』

キラ『ゔっゔっ…ゔっ』

アスラン『今度という今度は絶対手伝ってやらないからな!!』

キラ『ううう…分かってるよお』










































アスラン『キラ…』

キラ『アスラン…』

アスラン『これ…』

『トリィ…』

キラ『アスラン!?』

アスラン『首傾けて…鳴いて…肩に止まって…飛ぶよ…本当に戦争になるなんてことは…無いよ。プラントと地球で…避難なんて意味ないと思うけど…キラもそのうちプラントに来るんだろ…?』













































アレックス「…っ」

キラとの思い出を巡らせる度に涙が溢れ、流れていく。

ナオト「アレックス」

アレックス「!?」

ナオトの声に反応し、前を向くとコックピットのハッチが開いており、ナオトの姿が目の前にあった。

ナオト「アレックス……ううん、アスラン……頑張ったね」

アレックス「ナオト、疲れてるのに無理するな…」

ナオト「無理してるのはアスランの方だよ…」

彼女はアレックスに近寄ると優しく抱き締めた。
抵抗されるかと思ったが、意外な程アレックスは力なくナオトに抱き締められた。

アレックス「ナ、ナオト!?何を…」

ナオト「私が…傍にいるよ…ずっとアスランの傍に…」

アレックス「ナオト…」

ナオト「私はアスランを支えてみせる。アスランのことをきっと支えてみせるから…だから傍にいさせて…」

ナオトの言葉は自然にアレックスの心に染み渡っていった。
砂漠の砂が撒かれた水を残さず吸収してしまうように。

ナオト「1人で…泣かないで…」

アレックス「……っ…ナオト…ナオトッ!!」

疲労により身体が悲鳴をあげているが構わずアレックスはナオトの身体を強く抱き締めた。
ナオトは痛みに顔を顰めるが、咽び泣くアレックスを暖かく見つめていた。













































シン『…ここは……』

知らない花畑。
しかしここは何処か見覚えがあった。

シン『ここは何処なんだ?』

『お兄ちゃん』

シン『え?』

背後から聞こえる声に後ろを振り返るとそこには…。

『えへへ、久しぶりお兄ちゃん』

シン『あ…ああ、マユ…』

満面の笑みを浮かべてシンに歩み寄るのは今は亡き妹だった。

シン『ああ…そうか、ここは…昔よく一緒に遊んだ花畑か』

マユ『そうだよお兄ちゃん。』

シン『これ…夢か……?またマユに会えるなんて…』

マユ『夢じゃないよ』

マユの手がシンの頬に触れる。
生前と変わらない暖かい温もりがあった。

シン『………』

シンは気づかないうちに涙を流していた。
また妹に会えた奇跡に。

シン『でも、どうしてここに来たんだ?父さんと母さんは一緒じゃないのか?』

花畑を見渡しても父も母もいない。

マユ『お父さんとお母さんはいないよ。2人に内緒で来たんだもん』

シン『おいおい…』

悪戯っ子な笑みを浮かべるマユにシンは思わず苦笑してしまう。

マユ『えへへ!!』

シン『そうだ…』

取り出すのマユの形見としてずっと持っていた携帯電話。

マユ『あ!!マユの携帯!!お兄ちゃん持っててくれてたんだ!!』

シン『ああ、ずっと持ってたよ。あの時からずっと…やっと…お前に返せたよ…』

寂しそうに笑いながら妹に携帯電話を渡す。

マユ『ありがとうお兄ちゃん!!』

シン『うん…それじゃあ俺…帰るよ…みんなを待たせてるから。“またな”?』

マユ『うん!“またね”!!』

満面の笑みを浮かべながら手を振るマユの姿が消えていく。
それと同時にシンの意識も覚醒した。










































シン「…ん……」

ステラ「シン…!!」

目を覚ましたシンを見たステラは目に涙を溜めながらシンに抱き着いた。

シン「…ステラ……ごめん。心配かけて…戦闘は?」

ステラ「終わった…シンがフリーダムをやっつけて終わった……」

シン「そっか…」

シンは安堵の息を吐くとステラを抱き締める。

ステラ「シン…?」

シン「ごめん…今だけこうさせて…」

ステラ「…うん」



































全周波数で通信が入った。

デュランダル『こちらはプラント最高評議会議長、ギルバート・デュランダルです。オーブ宇宙軍、そしてザフト全軍にに告ぐ。オーブ本国よりオーブ連合首長国代表代行より和平の申し出があった。直ちに戦闘を中止せよ。和平こそが私の意志である』

その声が1分遅れていたとすれば、オーブの軍人は更に多数、この世から姿を消していただろう。
ダイダロス基地を攻めたオーブ宇宙軍等は、壊滅への道を辿っていたのだから。

デュランダル『……戦闘を中止せよ!!和平こそが私の意志である!!』




































通信を聞いていたシン達は合流し、互いに喜びを分かち合った。
その時である。

[トリィ]

全員【?】

全員が上を見上げると…。

ルナマリア「ロボット鳥?」

クレア「わあ、可愛い…」

アレックス「トリィ…」

アレックスが手を伸ばすとトリィはアレックスの手に止まる。

ナオト「アレックス…?」

アレックス「ごめんな…トリィ…もうキラはいないんだ……ごめんな…」

アレックスは手で優しくトリィを包み込んだ。

クレア「これで全て終わったんだね…」

レイ「いや、これから始まるんだ…全てがな」

シン「ああ、生きている限り明日はやってくるさ!!」

この後、プラントとオーブ連合首長国は停戦の協議に入った。
そして新しい世界は明日に向かって動き出す。 
 

 
後書き
プラント完全勝利。
次回は…。
しかしナオトの言う通りにミネルバMS隊全員で炒飯をボコボコにすることになったら…
ブレイズザクファントムVSセイバー、デスティニー×2、レジェンド、デスティニーインパルス、ストライクノワール、インパルス、ガイアで…
ザクでサードステージとセカンドステージカスタム、セカンドステージを相手にする訳だから実際そうなったら、え、えげつない。
 
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