SAO ~青の剣士達~
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第2部 ALO
32話 ルグルー回廊
僕達は羽を広げ空を飛ぶ
「もうすぐで降りるよ!」
「なぜ?」
リーファが叫ぶと兄さんが不満そうに聞く
「この先に山があるんだけど、その山は飛んで超えられないのよ」
「なるほど....」
兄さんは納得したようだ
しばらくして山が見えてきたので僕達は着陸した
「ここに入る前にローテしましょ」
「ろ、ローテ?」
兄さんは聞きなれない言葉を聞いてリーファに聞き返す
「そ!ローテーションでログアウトすること」
「なるほど......それって、ボス戦のパーティスイッチみたいなものか?」
「何それ?」
兄さんの言葉にリーファが質問する
僕は兄さんの疑問に答えるため
「そう」
とだけ言った
「うん。理解した。パーティスイッチって言うのはMOBを攻撃しているときにある程度疲れたなと
思ったら他のパーティと変わるって事だ」
兄さんは満足したようでリーファの質問に答えていた
「そんなのあるんだ.....」
「まあ、SAOでの話だ」
「ふ~ん.....じゃあ、お先に!ご飯作って置いておくから」
「了解」
「いってらっしゃい」
◆
リーファが戻ってきたのはそれから1時間後の事だった
その後、僕、兄さんという順番でログアウトした
それぞれがやることをやり終わったのは、この場所に着いてから2時間後の事だった
「さて、行きますか」
リーファが声をかけ、僕達は立ち上がる
「あ、そうだ。ユイ行くぞ」
兄さんがユイちゃんに声を掛けると、ユイちゃんはポケットから出て来た
「分かりました。パパ」
ユイちゃんは伸びをした後、兄さんの肩に乗る
「準備はいい?」
「ああ」
「うん」
「はい」
僕達の返事を聞き、リーファは頷く
そして、僕達はルグルー回廊に入って行った
◆
「はあああ!」
僕達がルグルー回廊に入ってから二十分が経過した
今のところ、モンスターは出てくるのだが全て兄さんによって倒されている
僕は心のなかで合掌をした
そんな、兄さんの様子にリーファは絶句していた
「お兄ちゃん……無茶苦茶過ぎ……あれじゃあ、ヒットアンドヒットだよ」
リーファの言葉にユイちゃんと僕が言葉を放つ
「「兄さん(パパ)に常識は通用しないよ(です)」」
その言葉にリーファは
「確かに………」
と賛同した
「なんだよ、これは俺の戦い方だからいいんだよ」
「兄さんの戦い方は完全にソロの時にやる戦い方だよ」
「タク兄の言う通りです!パーティを組んでいる時にやるものではありません!」
僕とユイちゃんの勢いに押され兄さんは後ろへ下がる
「し、仕方ないだろ?そもそも、元ソロの俺に要求すること自体間違ってる」
と反論するが、僕とユイちゃんはさらに反論する
「いや、兄さんは、元ソロだとしてもパーティプレイは上手いんだよ」
「そうです!パパなら出来るのです!」
僕達の反論はまだ続くーーーーはずだったが兄さんはそれを察し慌てて
「わ、分かった!分かったから、もういいだろ?」
「分かればよろしいのです!ママがいない今、パパをなんとかするのは娘であるユイの役目なのです!」
とユイちゃんは胸を張って言った
今まで黙って聞いていたリーファが一言
「ユイちゃんって、こんな性格だったんだ……意外」
リーファの言葉に兄さんが即座に否定する
「いや、断じて違うぞ!?ユイ、その性格は何処から仕入れた!?」
「うーん、ママがこんな性格だった気がしますよ」
ユイちゃんの言葉に兄さんが固まる
「アスナが?いや……でも、分かればよろしいって確かにアスナのセリフかも………」
とブツブツ言いながら歩いて行く兄さん
しばらく歩いてふと止まって後ろを振り向く
「どうしたの?」
リーファが聞く
「いや、誰かにみられているような」
兄さんの言葉に僕は頷く
「確かに、そんな気配がするね」
「えっ?でも………」
僕達の後ろには誰もいない
一応、ユイちゃんがプレイヤー反応を探すがそんな反応はない
「もしかしたら、トレーサーかもね」
「そうかも、一応、用心しておこう」
僕とリーファの言葉に兄さんが疑問を持った様子で
「トレーサーって何?」
と一言
その後、しばらくはトレーサーの説明になった
そして、現在は魔法の練習中だ
さっきは明かりをつける魔法を使ったが今度は幻影魔法だ
兄さんは、何故に英語の単語暗唱みたいな事をしなくちゃいけないんだ?と文句を言っていた
そして、リーファとユイちゃんは兄さんの事をしごいていた
「ちゃんと言葉の意味を理解すればいいのよ」
「うぅ………俺、魔法使えなくてもいいよ」
「ダメです!きちんと使えるようにするべきです!」
僕はこの時ほど、魔法を使えるようにしておいてよかったと思うことはなかった
しばらくして兄さんが魔法を使えるようになった頃だった不意にユイちゃんが声を出した
「プレイヤー反応です!」
「何人だ?」
「14人です!」
ユイちゃんの言葉に驚く
それだけ、14人という人数は多いのだ
「隠れてやり過ごそう」
「どうするんだ?」
兄さんが聞くとリーファは笑顔で
「そこはお任せよ」
と言った
僕はリーファが何をするのかは分かっていた
リーファは案の定、姿が見えなくなる魔法を使ったが兄さんがふと声を上げた
「あれは?」
兄さんが指を指す方にはコウモリがいた
リーファはそれを見て、魔法でそれを倒す
「急いで走るよ!」
「隠れるのはだめなのか?」
「だめ。もう遅いわ。それに、あれは火属性のトレーサー」
察しのいい兄さんはそれだけで何の種族か分かったようだ
「ってことはサラマンダーか!」
「そういうこと」
僕達は全力で走る
だが、後少しで街に着くというところで前に壁が立ちはだかる
兄さんは剣を抜き、壁に突き立てたが壊れない
「無駄よ。それは魔法でしか破壊出来ない」
リーファの言葉に
「早く言ってくれ」
と言った
サラマンダーのうち、4人は盾持ちで、その後ろに残り10人がいた
「盾ねえ……ちょっと相性悪いな」
「いや、ちょっとどころじゃないでしよ」
僕のことを少し見て、
「タクヤ、盾の奴らよろしく」
そう言って、サラマンダーに向かって走った
「ちょっと!?兄さん!」
盾持ちの人達は盾を構える
だが、兄さんはそんなことはお構いなく、走る
だが、その瞬間、僕達は言葉を失った
兄さんは盾持ちの人達を飛び越え、後ろの人達に切りかかった
サラマンダーは混乱し始めた
なんとか体制を立て替えそうとしているが、もう遅い
みるみるうちに人数が減っていく
さらに、兄さんは何かを唱えている
しばらくして、5メートルはありそうなモンスターに姿を変える
「あれってグリームアイズだよね?」
ポツリと一言言ってしまうほど、兄さんが変化した姿はグリームアイズに似ていた
「お兄ちゃんなの?」
リーファは絶句中だ
と言う事でますますサラマンダーは混乱した
だが、兄さんは一人を残して、元の姿に戻った
「いやあ、暴れた暴れた」
「お疲れ」
僕が声を掛けると頷いて、一人残した男に
「よ!ナイスファイト!」
と声を掛けた
男は間抜けな返事をした
「取引なんだが、どうしてこんな事をしたのか、話してくれれば、今の戦闘で手に入れた物全部あげようかなって」
男は嬉しそうに
「マジ?」
と聞いてきた
兄さんは
「マジ!」
と答えたら二人して握手をしていた
どうやら、取引成立のようだ
後ろでその様子を見ていた女子二人は
「男って身も蓋もないわね」
「ですね」
と言った
「僕は違うからね!」
さりげなく、兄さんと一緒にしないでいただきたい
兄さんは男との話が終わったようで、こちらに来ていた
兄さんの話によると、サラマンダーはシルフとケットシーの領主会談を邪魔するらしい
僕達はそれを止めるべく、蝶の谷へと向かった
後書き
タ「次回は兄さんの二刀流が発動です」
リ「お兄ちゃんの暴走が始まるんだね」
ユ「ですね」
アイリ「私も出るよ!」
一同「お楽しみ!」
キ「さりげなく、俺の悪口言うな!」
タ&リ&アイリ「間違った事言った?」
キ「味方が誰一人いない………」
ユ「ドンマイです!パパ!」
キ「ユイ〜!」
タ&リ&アイリ「娘に慰められる父親って…………」
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