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万華鏡

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第六十話 ハロウィンの前にその十五

「他にも田渕さんや掛布さんも出てたりするよ」
「じゃあ懐かし選手でチームを組めるな」
「ピッチャーもいるからな」
 その阪神を支えた名選手達もだ。
「万全だよ」
「何かいいチーム出来そうだな」
「小山さんに江夏さん、山本和行さんに」
 これが阪神の名投手達だ。
「そうした人達が出てるぜ」
「パワプロ?」 
 美優は兄にゲームの名前だけを出した。
「それだよな」
「ああ、それだよ」
「パワプロってそこまで再現してるんだな」
「面白いぜ、最近のは選手の顔も決められるしな」
 そこまで進化しているのだ。
「能力も百段階になってな」
「百段階かよ」
「それは好き嫌いがあるだろうな」
 兄は能力の百段階指定にはあまりという感じだった。
「俺は15をずっとやってるんだよ」
「15かよ」
「そっちはまだ顔は決められないけれどな」 
「それでも好きなんだな」
「阪神を改造してな」
 改造コードを使ってだというのだ。
「そうして戦ってるんだよ」
「改造コードな、あれで選手をサクセスで作るんだよな」
「それなら本来の選手よりもな」
 能力が高くなる、改造コードは万能と言っていい。これを使えば例え最弱のチームでも飛躍的に強くなるのだ。
「だから使ってな」
「強い阪神か」
「打って打って打ちまくる阪神だよ」
 具体的にはそうなるのだった。
「一試合平均で四十点取れるぜ」
「おいおい、そりゃ幾ら何でも有り得ないだろ」
 美優は一試合辺り平均四十点取ると聞いてだ、笑って言った。
「どんな強い打線でもな」
「だからチートなんだよ」
 改造コードを使った結果だというのだ。
「そこまで出来るんだよ」
「一試合四十点か」
「打率六割七分、ホームランも一試合辺り十本盗塁もヒットと同じ数だけな」
「守備もいじくるよな」
「だからな」
 まさに攻守そ走完璧だ、だからだった。 
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