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とある英雄の学園生活

作者:にゃん丸
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第31話 クラス委員長

 「ネイ様が私たちの担任だなんて」

 「美しく最強と言われている炎帝と言われているダークハイエルフであるネイ様が」

 「私たちってなんて運がいいのかしら」

 「剣術や魔銃を教えていただけるのかしら」

 教室がざわめいている。
 俺もかなり驚いている。
 
 「ねえ、キラはネイさんが担任だって知っていたの?」

 「いいや、俺も今知った」
 先日一緒に食事をしたときには何も言っていなかったよな。

 「みなさん、静かに」

 ネイの透き通った一言で教室が静かになった。
 
 「じゃあ最初に1人ずつ自己紹介をしていきましょう。では左側の席の方からお願い」
 右側のいちばん後ろの席の俺たちが最後か。

 順番に自己紹介がはじまる。
 このクラスは王族、貴族ばかりかと思っていたが、一般の生徒や亜人の生徒もいるようだ。
 自己紹介が進み次は俺たちの番だ。
 アリスを見ると……どうやら緊張しているみたいだ。
 
 「アリス……」
 
 「うん、大丈夫」

 手のひらに人の字を書いて飲み込んでいる。
 全然大丈夫そうでもないんだが。
 そして俺たちの番が来た。

 「アリス・シュタイン・イングランドです。ええと、その……」
 
 アリス、ガンバレ!! 頑張るんだ!
 俺は心の中で必死に応援した。 
 だがアリスが名前を名乗った瞬間ボソボソと他の生徒の声が聞こえてくる。
 
 「あの子がイングランドので有名な呪われた姫」
 
 「嫌だわ、ネイ様のクラスでせっかく気分よかったのに……私呪われないかしら」
 
 「ネイ様が担任なのは嬉しいですけどあの呪われた姫と一緒だなんて」
 
 などなど小さい声で喋っているようだがアリスに聞こえるように言っている気がしてならない。
 
 「……よろしくお願いします」
 
 アリスはそのまま席に座った。
 言おうとしたことが先ほど聞こえてきた言葉を気にして何も言えなかったようだ。
 かなり落ち込んでいる。
 俺は無意識にアリスの頭を撫でていた。
 俺は立ち上がり

 「次は俺かな、キラ・イチジョウです。イングランド王女アリス様の護衛騎士をしています。先ほど何か聞こえたような気がしましたが今回は聞き取れなかったので不問にしますが、アリス様に無礼を働く者がいたら容赦はしませんので気をつけてください。あと皆さんと一緒に勉学に励みますのでよろしくお願いします」
 俺の挨拶で教室内がまたざわめく。

 「キラ・イチジョウてもしかして」
 
 「英雄キラ?」
 
 「30年前に死んだと言われていなかったっけ?」
 
 「生きて戻ってイングランドに仕えて大将軍になったて聞いたけど?」
 
 「本物?」
 
 「若すぎない?」

 パンパン
 ネイが手を叩き俺に来ていた目線がネイに目線が行く。
 
 「はい、みなさん静かに」
 
 ネイの言葉に静かになる教室。

 「みなさんも気づいていると思いますが、彼は30年前の英雄キラ・イチジョウです。ヒミコとの戦いのあと行方不明になっていましたが、1月前にイングランドに戻ってきたみたいです。英雄と言われていますが、あなたたちと同じ学院生なので気を使う必要はありません。あと先ほど一部の方がアリスさんに対してなにか言っていたようですが、二度と言わないように。わかりましたね」
 ネイの言葉にクラス全員が
 
 「はい」
 
 と返事をした。

 「自己紹介は異常ですね。でわ次にクラス委員長を決めたいのですが、誰か立候補はいますか?」

  すると男子生徒が1人手を上げた

 「僕が立候補します」

 綺麗な金髪の髪に、白い肌、顔もなかなかのイケメンで気品がある、いかにも王族もしくわ貴族のおぼっちゃまに見える。

 「えーとラインハルト・フォン・クラージュ君でしたね」

 たしか自己紹介でドイツ帝国の貴族と言っていたな。

 「はい」

 「他に候補がいないみたいなので、クラージュ君でいいかしら」

 クラス全員が頷く。

 「クラス委員長はクラージュ君に決まりました」

 パチパチパチ
 何人かの生徒が拍手をする。
 それを見た他の生徒も拍手をする。

 「次に副委員長を立候補する方はいますか?」

 誰も手を上げない。
 俺ももちろん手を上げない。
 ネイはクラス全体を見回し

 「推薦でもいいけど……いなさそうなので指名させてもらうわね、じゃあアリス・シュタイン・イングランドさん副委員長をお願いするわね」

 ネイはアリスを指名した。
 え!? なぜアリスを指名する我が義娘よ?
 アリスは引っ張っていくキャラじゃないぞ。
 キョトンとしているアリスは、我に返って両手を前で振って
 
 「わわわ私には無理です」
 
 「やりもせずに無理とか言わないの。クラージュ君もいるし、先生もいるし、何よりイチジョウ君がいるから大丈夫でしょう?」
 
 うむー、なぜ俺がいるから大丈夫なんだ?
 俺も人を引っ張るの苦手なんだが。
 アリスと目が合いどうにかしてと俺に訴えてる気がする。
 てか訴えているよな。
 クラス委員など俺はめんどくさいから嫌だが、もしアリスが副委員長をすることで他の生徒と接点ができ、友達も作りやすくなるんかもしれん。
 ネイはそれを見越してアリスにクラス委員に指名したのだろう。
 なら俺はアリスに副委員長になってもらいたい。
 俺はアリスに小声で
 
 「俺もフォローするからやってみたら」
 
 「でも……」

 「大丈夫。俺に任せなさい」

 「……うん」

 アリスは席から立ち上がり

 「はい、頑張ります」

 アリスが引き受けたので俺は拍手をする。
 ネイが続いて拍手し、クラージュも拍手する。1人、また1人拍手する人が増え、最終的に半分以上の生徒が拍手をした。

 「じゃあ、クラス委員の人は放課後、クラス委員会があるからわすれずに出席するように」

 「わかりました」

 「はい」

 「アリスさんよろしく」

 「こちらこそよろしくお願いします」

 こうして我がクラスの委員長と副委員長が決まった。 
 

 
後書き
読んでいただきありがとうございます^^ 
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