とある物語の傍観者だった者
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12話:禁書目録
前書き
タイトル詐欺といえるのか……
少女を逃げていた。少女は追われていた。
1人は、2mを越す高身長で赤髪で右目下にバーコードーのタトゥをしタバコをふかす、ここに住む一般人たちとは違う世界にいそうな、黒マントの男。ロリコン神父。
1人は、こちらも高身長、黒髪は後ろで束ねてられていて目つきは鋭い東洋人。女性だが、服装は黒マントの男よりもファッションセンスが上級者。めんどくさいので省略するが……あと、普通のより長い刀を持っている。
1人は、これまた上級者だと見受けられる恰好をした少女。黒マントにピンクのチェック柄パジャマとか、昼間からそんな恰好で外をうろつけば敬遠されそうな、もしくわ一緒に同行は控えてくださいと同僚からも告げられたこともある、ブロンド髪がウェーブする人を食ってそうな悪魔のような女だった。数日前から参加していたようだが……
少女は何故、この三人から追われているのかは知っていた。
そして、その理由を知っているからこそ、逃げなければならなかった。
自身に隠された秘密が、もし奴らの手に陥り利用されれば世界がどうなることか、結末は予想できるからだ。
だから、逃げるしかなかった。
助けなどない。誰も助けてくれない。そもそも味方が誰なのかさえ分からない状況だ。
少女は1年前からの記憶がぽっかり消えていた。気付けば日本にいた。ただ、自分が何者か、と今追ってきている奴らが何者なのかだけは知っていた。
奴らが魔術師だから自分を追っている。
だから、逃げて、隠れて、掻い潜って、ココまでずっと逃げのびてきた。
ココは少女や魔術師たちが住む世界と180度反対な世界である。同じ地球の下で暮らしているというのにおかしな話だがな。
しかし、ココの特殊な環境から魔術師たちは下手に手も出せないだろうし、ここにも一つや二つ、自分を匿ってくれる教会はあるだろうと思ったり浅はかな考えだった。
無論、そんな浅はかな少女の考えとは裏腹に魔術師たちは少女を追い込んだ。追い詰めた。
絶対絶命の緊急事態なんだよ……
そして、少女は1人の不幸な少年と出会う。
ツンツン頭の少年とベランダで出会う奇妙な物語。そして、最後には悲劇が起きバッドエンドになるわけだが、それは見方を変えればハッピーエンドかもしれないようなエピソードが……
オレの知らないところでもう始まっていた!??
いや、それでいいんだけども。オレ関係ないんだけども。
でも、関係なくなってきているというか、強制的にそういう話しをさせられるんだけども。
少女は告げた。
『禁書目録』の『回収』。及び、『少年』の『監視』。
それが悪魔のような女、テスラ=スィトリビトルの『仕事』であり『特別処置』だそうだ。なんでもこの仕事が成功したあかつきには、監獄から釈放及びイギリス清教『|必要悪の教会』のメンバーへ正式に任命されるとかされないとか。
だから、先日のレベルアッパー事件のおかげで今も絶賛入院中なオレにずっと付き纏うのはオレの『監視』をするため。という名目だそうだ。
なので、こうやって今もオレにベタベタして、時折熱いくちづけを何時間も、ずっと、永遠に、暇さえあれば、夜中たらず深夜も、下手すれば朝まで……エッチなことはあまりサービスされずR18なことはなかったり健全な男子高校生を生殺しする悪魔っぷりを見せてくださる。童貞には辛いご褒美だ。
そのせいで寝不足になり疲労溜まるし、入院しているのに回復しないし、ナースさんに現場を目撃されオレらの関係が兄妹という情報も入手しているから変な噂を流すし、これまた知り合いがお見舞いにくるけども最近はテスラが友人たちに接触するようになってワザとイチャコラを見せ付けてるし、ビリビリ中学生たちはもうお見舞いにこなくなっちゃったし……キスだけで大騒ぎじゃないですか??
あー、家帰って先日からやってる義妹ゲーの続きがしたいよ。
さて、話は戻すが。
オレの監視でここにいる魔術師・テスラたん。
万が一にも何かのきっかけで偶然『禁書目録』の少女とばったり出会い彼女の心境に同情やら心を痛め助けるためにいらん行動をされても困ると。だから、ここで見張る必要があるんだねー。とある少女の誘拐事件という前科があるからねー。また悲劇な少女を誘拐しないようにしないとねーーー……
それでテスラたんがオレを見張っている間に残り二名の魔術師、『ロリコン神父』と『ねーちん』がさっさと禁書目録の居場所をつきとめて回収するだけなんだけども問題が発生した。
えーと、今更だけど禁書目録とは何かの説明は簡潔にするが……その少女・禁書目録には完全記憶能力があり10万3000冊の魔導書の原典の中身を記憶してある。
それで、本来彼女の所属はイギリス清教『必要悪の教会』だったりするが、彼女は1年周期に記憶を消さないと死んじゃう?呪い・首輪を上の連中がとち狂って他の魔術師たちのけん制だったりするわけだけども。
それで、1年前に記憶を消去された禁書目録は、たぶん知らない誰かが魔導書を狙っていると勘違いして逃げて、イギリス清教の連中からしてみれば他の魔術結社や他国の者の手に渡るのは困るから回収しなくちゃならないんだけども。それでいろいろあって日本にいたり、インデックスには魔術は使えないけど魔術の知識は膨大にあるから探索術式とかもいろいろ掻い潜られたり、一苦労あって1年長引いたってワケだわさ。
それで、魔術とは対象な科学の街で不幸な少年と出会い……って同じようなことを冒頭でも話したような気がするけども。
さて、少女は不幸な少年と出会い、不幸が起きた。
少女には霊装『歩く教会』というチートな修道服で身を守ってきたわけだったりする。
しかし、不幸な少年の右腕に宿る『幻想殺し(イマジンブレイカー)』によってその機能は失われ、敵だと思っていた味方の魔術師の斬撃を背中に受けてしまった。
魔術師『ねーちん』は焦った。
昔の友達な少女に攻撃するのは心苦しいが、彼女を救うためなら敵になる覚悟で浴びせた一太刀で動きを制限させるつもりだった。
でも、どうだ。攻撃すれば予想外にも背中が斬れてしまった。
困惑する、後悔する、取り乱しその場から逃げてしまった。逃げては同僚で少女のことを想い続けるロリコンな魔術師『ロリコン神父』とテスラたんに助けを求めたのだ。(ロリコン神父っていうのもうめんどいからステイル=マグヌスと彼の名前を表記するけども。)
テスラは告げる。回収さえすれば治療できると……でも、監視は極めて重要事項だから席を外せないから、代わりにステイルお前が回収してこいと。
だから、ステイルはねーちんが置いてきた禁書目録を回収するため(助けるため)、ステイルは少女の下へといった。
そう、アニメでカミやんと戦うあの場所へと……
オレも住んでいる寮のあの廊下で……
カミやんと対峙して炎で全てを灰にしてイノケンティウスでボン!!
「おいおいおい、ちょっと待てよ、待ってくれ!」
「あははっ、そんな驚くことなんて一つもないよ、お兄ちゃんは何も心配しなくていいんだよ」
そう今こいつの話を聴いていたオレは顔を青ざめさせる。
今日があの日だってことを知り、そして絶望する。
正直オレはインデックスはカミやんが救うのだから関与するわけにはいかない、したくない。
インデックスは助かる。だからオレは心配しない。
でも、オレんち??大丈夫か??そんな不安があった。
ステイルの魔術でオレの部屋全焼とか無いですよね?カミやんの部屋ならありえそうだった。
もうテスラの話を聴いて一番心配したのは、土御門から借りた癒しの義妹ゲーが無事かどうかだったりする。
いや、目の前にはお前動くなよ?お??と怖い悪魔な義妹みたいな子はいるけども……
でも、ゲームのデータの方が心配だったんだ……
だから、オレは病院から脱走した。
「あ、逃げるなお兄ちゃん!!」
「ちょっと様子見に行くだけだから!! お前らの仕事は邪魔しないから!!」
そうちょっと自分んちを見に行くだけだ。
だから、病院で騒ぎが起きるが振り切って、機械操作もフル活用して自称・妹な魔の手から逃れ、第7学区における学生寮前まで……到着して…………
もう、事件は起きていた。いや、終わっていた。
消防車が何台か停まっていたり、警備員とか野次馬など人だかりが多かったり……消化活動も終えて完全に事後ですね。
カミやんやインデックスが無事だろうかという心配もあるがそれよりも……
「あ、ロリコンだ。つーか、アンタなに病院抜け出してんのよ?」
美琴たちがいた。
ロリコン言うなや!
「何故犯罪者予備軍の貴方がここにいますの??」
「ここオレんち!!」
「いえ、そんなことは知っていますのよ……??」
大人しく病院にいろと言いたいんだろうけども。
もう会話とかやってる場合じゃないよ。美琴たんや黒子ちゃんの会話はいっさいスルーして、
「そこの2人、お兄ちゃんを止めて!!」
「「は??」」
あとから追っかけてきたテスラがめんどくさいな。
美琴たちに協力要請するがもう遅い。
「じゃあな、お嬢ちゃん達」
うおおおおおおおっ、て感じで寮の階段をかけていく。
「お、お待ちになって!! 近簿さん!!」
「え、なんで必死になって特攻してんのアイツ?」
「なんでもいいからボケーとしてないであのバカを止めろよ!!」
使えないガキ共が、とテスラはキャラも崩壊して階段を使わずして空中を駆けていく。
その異様な光景に能力者だったのですの?とか、アイツの妹は空間能力者?つーか、キャラ違うくない??とかただ今の状況に理解できず、ただ流されてオレのあとを追ってきた。
そして……
「なんでオレとカミやんの部屋だけピンポイントで全焼してるんだよ!!」
「「「………」」」
見事にまで全焼していた自分の寮の一室。
君達、危ないから下がって的な警備員やら消防士さんの言葉も無視しては、その場に座り込む。
あれ?アニメではそんなに燃えてたっけ?部屋全焼するんだっけ??と思ったり記憶が定かじゃないのだが、今ここ現実では燃えきったあとだった。
「あ?ここだったんだ、アンタんち……」
近くまでしか来たことなかったし、今度からは私も特攻してやろうかしら……ってもう全焼してるんだよ!!
「き、奇妙な燃え方したのですわね?」
「あーあ、これはステイルの仕業か……お兄ちゃん、どんまい!!」
うえ~ん、と泣くオレを慰める年下の女子たち。
全然心の傷が癒えないよー。つーか、なんでオレの部屋まで全焼するんだよ。そこはカミやんの部屋だけでいいだろうが!
「うぇ~ん、オレがまだ攻略していない義妹ゲーが、おじゃんじゃんかよーーー」
「「「よぉし、もっと泣かしてやる(ですの)」」」
あれ?さっきまで慰めてくれていたカワイイ女の子たちが、急に鬼になった。
義妹ゲーが心配とかそんなくだらない理由で病院抜け出すな、と。
「は? お兄ちゃん! 義妹ゲーなんか二次元より三次元な妹の方がいいでしょ!」
「アンタを心配した私の気持ちを返せやゴラァ!!」
「さすが犯罪者予備軍の殿方ですの。説教が必要みたいですの」
などと、この場をあとにして近くの公園でまで連行され説教の嵐だ!!
もうヤダ、心がもげそう……
「つーか、テスラ。ステイル=マグヌスの場所教えろよ。ちょっと行って殴ってくる」
「お兄ちゃん、ダメだっつってんだろうがっ!!」
いや、ここだけは譲れなかったりする。
次回、絶対にあのロリコン魔術師をぶっ飛ばしてやるからな!!だったらいいのにな……と、メタ発言許して。
さて、どうやってこの自称・妹を説得しようか。
後書き
アニメではボヤ騒ぎ程度だった気がしますが、ここでの話は近簿一二三の部屋がカミやんの所と共に全焼っていうご都合主義にて、ステイル=マグヌスに激オコするという展開です
テスラ=スィトリビトルちゃん、感情の起伏で妹キャラがブレますがご了承ください
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