機動戦士ガンダムSEED DESTINY~SAVIOUR~
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第十話 インド洋の激闘
前書き
インド洋での地球軍との激闘。
こちらに向かってくる敵機は約三十機。
ナオト「うへえ…何あの数…?」
嫌そうに顔を顰めるナオト。
シンも辟易したように叫ぶ。
シン「毎度毎度、数ばかりゴチャゴチャと!!」
アレックス「そう言うな…行くぞ!!」
セイバー、インパルス、グフイグがウィンダムの群れに向かっていく。
手始めにセイバーがビームサーベル、ビームクロー、脚部のビームサーベルのビームを展開し、ウィンダムに突っ込む。
ナオト「ああもう!!グフの反応が遅い!!」
段々、ナオトの操縦技術について来れなくなっているグフに毒づきながらもビームソードを抜いて、ウィンダムを切り落とす。
シン「ナオトさん!!」
ナオト「私のことはいいから、シンは自分の敵に集中して!!アレックスもね!!」
援護しようとするシンを制して、ナオトも自身に向かってくる敵に集中する。
スティング「新型あ!!今日こそ墜とす!!」
アレックス「ちっ!!」
MA形態のカオスがセイバーに向かって突進しながら、ビームを放って来る。
セイバーもMA形態に変形すると距離を取る。
ステラ「墜ちろ!!」
MA形態のガイアがグリフォン2ビームブレイドを展開して、ウィンダムを真っ二つにする。
更にウィンダムが爆発した時に生じた爆風を利用して次のウィンダムに向かっていく。
シン「ん?」
ウィンダムを数機、墜とした時、赤紫のウィンダムがインパルスに向かっていく。
ネオ「君が噂のエース君の一人か?あまりいい気になるなよ!!」
シン「隊長機か?お前を相手にしてる暇はないんだ!!」
インパルスが赤紫のウィンダムに向けてライフルを放つ。
ウィンダムがビームを容易く回避した。
シン「こいつ…速い!!」
ナオト「きっとバックパックのリミッターが解除されてるんだ。シン、強敵だよ!!」
シン「くそっ!!インパルスが加速性能で負けるってのか!!」
ネオのウィンダムは赤紫のパーソナルカラーが特徴で、それ以外は一般機と殆ど同仕様だが、エンジンのリミッターを解除した専用ジェットストライカーは、一般機を凌駕する機動性を発揮するのだ。
ステラ「シン!!」
シン「来るなステラ!!」
ミネルバに近づくウィンダムを墜としていたガイアがインパルスの援護をしようとするが、シンに制止される。
アレックス「シン!!」
セイバーがカオスを蹴飛ばし、インパルスの援護に向かわせるが。
スティング「新型あ!!お前の相手は、俺だあああぁぁっ!!」
カオスがビームライフルを乱射しながら突っ込んで来る。
アレックスは舌打ちしながらカオスを迎撃する。
アレックス「この…邪魔をするなあああああ!!」
“種”が割れる。
この感覚を自分は知っている。
身体全体に広がる万能感。
今ならどんな敵でも叩き潰せる気分だ。
セイバーはビームサーベルとビームクローを展開して、カオスに急接近すると、瞬く間にカオスの四肢を切断し、踵落としをカオスに喰らわせ、海に叩きつけた。
ネオ「スティング!!ちっ…あの赤いMSのパイロットは化け物か!!?」
ナオト「ちょ、アレックス。すっごい!?」
瞬く間にカオスを倒したアレックスにナオトは驚きを隠せない。
アレックス「シン、ナオト。大丈夫か!?」
シン「大丈夫ですけど数が多過ぎるんです!!後、この隊長機が邪魔で…!!」
インパルスが赤紫のウィンダムに翻弄され、他のウィンダムのいきなり統制の取れた射撃に襲われている。
ナオト「くっ…反応が遅いせいで、満足に戦えないなんて…!!」
苛立ちを隠せないナオト。
セカンドステージであるセイバーとインパルスはアレックスとシンの要求に着いていけたが、とうとうグフはナオトの無茶な機動に悲鳴を上げた。
グフのフライトユニットが突如、機能を停止したのだ。
ナオト「え!?」
アレックス「ナオト!?」
シン「ナオトさん!?」
ナオト「きゃあああああああ!!!!?」
フライトユニットの機能が停止し、グフは建設中の連合の基地付近に落下したのだ。
ナオト「痛たたた…あ~もう、ツイてないなあ…って、ここ基地なの?」
ナオトがグフのコクピットから出ると、首を傾げたが、足音が聞こえ、急いでこの場を去った。
少し離れた場所の地面が動いた。
同時にそこから警備兵が一人だけ、出てくる。
ナオト「へえ…」
どうやらこの建設中の基地にはカモフラージュがされているようだと、ナオトは身を隠しながら思った
警戒に当たっている警備兵を見つめた。
ナオト「出来ればあの基地にも潜入したいな。私のグフは壊れちゃったし上手くいけばダガーかウィンダムを奪えるかもしれないし…ね…」
ナオトは警備兵がナオトがいる反対方向を見た瞬間、警備兵に襲い掛かり、気絶させる。
そして警備兵の服を奪い、それを着て、メットを深くかぶると基地の中に潜入する。
基地内に侵入したナオトは、MSを探す。
ナオト「さてと、MSはどこかな?」
基地を探し回るが、MSは見当たらない。
まさかこの基地にあるウィンダムは全て出払ったのだろうか?
それでも、ナオトは自身の携帯端末を確認して、すぐにでもザフトのOSをダウンロード出来るようにする。
そんな時だった。
「おい!!」
ナオト「はっ!!」
整備の主任らしき人間から、声がかかる。
ナオトは動揺を押し隠して、敬礼した。
「地下の、切り札の発進を急がせるよう、言ってきてくれ!!ファントムペインがあてにならない以上、あれを出すしかない!!」
ナオト「…はっ!!」
ナオトは敬礼すると、足を回す。
思わず笑みがこぼれそうになった
ナオト「っ…これって…」
思わず、ナオトは息を呑んだ。
1機のMSがそこには存在している
美しく、そして見るからに素晴らしいMSだった。
大型ブースターを装備したMSの隣には複数のバックパックが並んでいた。
ナオトは急いで大型ブースターのMSの元に向かう。
運よく、近くには誰もおらず、コクピットに乗るのはたやすかった。
すぐにOSの書き換えを行う。
電源は入っており、いつでも動ける。
OSを書き終えると、コクピットハッチを閉め、ミネルバの識別信号を入力した。
ナオト「確か、二年前にアレックス達とやりあったこともある機体だよねこれ…?再生機かな?インパルスやセイバーにも劣らない性能だよ…。悪いけど頂いて行くよ!!」
ナオトは一連の作業を終えると、MSを起動させる。
いきなりのことに、連合兵は叫び声をあげ、逃げ惑っている。
コクピットのパネルに、MSの名前が走る。
ナオト「ナオト・フジワラ、ストライクE。行くよ!!」
ナオトはストライクEを歩かせる。
それから逃げ惑う連合兵を尻目に、ビームライフルショーティーを引き抜き、格納庫の出口へ放った。
そしてストライクEに装備された改良された高機動バックパック、エールパックの大型バーニアを吹かし、ストライクEは大空に舞い上がった。
シン「何だあれは?連合の新型か!?」
基地から飛び出してきたストライクEに目を見開いたシンはストライクEにライフルを向ける。
ナオト「ストップストップ!!シン、私だよ」
アレックス「ナオト!?」
ナオト「ごめんごめん心配かけちゃって、だけどもう大丈夫!!」
シン「それ、使えるんですか?」
ナオト「中々ご機嫌な性能をしてるよこれ?」
ホクホク顔で言うナオトにアレックスとシンは苦笑しながら、ウィンダムに向き直る。
ネオ「ストライクだと!?奴ら、あんな物を隠していたのか!!くそ、これじゃあ全滅する可能性まで出て来た…ええい!!」
ネオのウィンダムは急いで自身の空母に戻る。
ふと、ミネルバを守っているガイアを見遣る。
ネオ「あの戦い方はステラに似ているな…ふっ、まさかな…」
自嘲するように笑いながら空母に着艦した。
ナオト「さあて、本気で行かせてもらうよ!!」
エールパックのビームサーベルを二本抜き、構える。
アレックス「やれやれ…」
シン「来ますよ!!」
セイバー、インパルス、ストライクEが残りのウィンダムに向かっていく。
性能差を活かして、残りのウィンダムを片付けるとシンはナオトに尋ねる。
シン「あの、ナオトさん。その新型は何処から?」
ナオト「あそこ」
ストライクEが指差した先には…。
シン「MS部隊の基地、連合の!?こんな、カーペンタリアの鼻先に!?」
まだ建設中のようだったが、それは明らかにMSの運用を前提とした軍事施設だった。
どうやら連合軍は撤退したらしく、連合兵は一人もいない。
シン「ん?」
民間人が、柵で隔てられてる。
身なりからして、強制労働を強いられていたのだろう。
シンはインパルスを基地に降ろし、柵を破壊した。
民間人は歓声を上げて抱き合った。
アレックス「シン…」
シン「…これくらいはいいでしょう?」
アレックスは歓声を上げながら抱き合う、民間人を見て苦笑を零すと頷いた。
シンはインパルスを再び飛ばしてミネルバに帰還するのであった。
後に放棄された基地の格納庫からストライクEのバックパック。
アナザートライアルソードストライカー。
アナザートライアルランチャーストライカー。
この二つも搬送された。
ナオトのグフも回収され、フライトユニットの修理を終えると、グフはレイに回され、レイのザクファントムがルナマリアに回された。
後書き
ナオト、グフからストライクEに乗り換え。
これは完全にオリジナルです。
統合兵器のノワールストライカーは終盤までお預けです。
ちなみにレイのグフは灰色。
ルナマリアのザクファントムは赤に塗り直されます
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