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万華鏡

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第五十九話 ハロウィンの衣装その十四

「ウィンキーとマンチキンにいた魔女は悪い魔女だったじゃない」
「性格の悪いな」
「そう、だからね」
 オズの配色もいいが、というのだ。
「それがちょっと気になるわね」
「じゃあかかしとかブリキの木樵とかか?」
 オズシリーズに常に出て来るキャラクターだ、実はこの二人はドロシーよりも多くの作品に出ていたりする。
「そういうのか」
「臆病ライオンとね」
「ドロシーにな」
「それで四人、ただ最後の一人は」
「犬のトトになるか」
 ドロシーのペットである、黒い小さな犬だ。
「そっちか」
「それかオズマ姫か」
 そのエメラルドの都つまりオズの国の主である、最初は男の子として登場したがその正体は何とオズの女王だったのだ。
「それね」
「オズマ姫もいいよな」
「そうそう、というかオズのシリーズの演目も多いわよね」
「うちの学園ってな」
「魔法使いだけをする訳じゃないから」
 八条学園の演劇部ではだ。これは高校だけでなく大学にしても中学にしても小学校にしても行われている。
「続編もね」
「続編多いんだよな、オズって」
 ライマン=フランク=ボームが書いた作品で全十四作ある。実は結構以上に長くしかも充実したシリーズなのだ。
「あれで」
「私つぎはぎ娘が好きよ」
「あれな」
「ついでに言うとガラスの猫も」
 ハートだけ赤い、そうした猫である。
「好きだけれどね」
「あれもいいよな」
「まあオズは確か先輩達のチームの何処かがやるから」
 だからこれはというのだ。
「私達はね」
「魔女でいくんだな」
「そう、何故かこれはなかったから」
 幸いにだというのだ。
「これでいくわね」
「じゃあ頑張りなよ、そっちはそっちで」
「ええ。他にはキョンシーもあるし」
 グループ全体でキョンシーの服を着て演奏をするというのだ。
「中華もあるわよ」
「そっちもか」
「結局お化けとかそういうのにまつわるのだといいのよね」
「みたいだな」
 ハロウィンは懐の広い祭りだ、だから仮装はかなり範囲が広くてもいいのだ。 
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