この夏君と・・・・・・
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核心へ 2nd
――俺は全ての答え――――この世界の秘密を知った。
健太の紡ぐ言葉の一つ一つは確かな意思を持って俺の心を浸食した。
そして今までの梢の苦労も全部知った。
結局俺は兄貴として何にも、あいつの力になれていなかったのだ。
「そうかもしれない。けれどねカナタ、それなら今からしっかりした兄貴になってやればいいんだ。大体梢ちゃんはお前のことを大好きなんだから。妹の心のよりどころになれているってだけで十分じゃないのか?」
「心を読むなって……。あいつの拠り所になれているのならなおさら俺は、あいつを守ってやらなきゃならない。絶対にあいつを孤独にしたくないんだ」
「なら死ぬなよカナタ」
健太の刺すような厳しい視線に本気で俺を案じてくれていることを感じられた。
「俺が死ぬかってんだ。まだまだ梢と一緒にいなくちゃいけないからな」
「梢ちゃんがもし――」
「言うなっっ!」
健太の言いたいことはすぐに分かった。梢はいなくなって一日すぎているのだ。無事ではない可能性だって十分にある。でもそんなこと考えたくなかった。
「梢は絶対に守ってやる。ついでに――」
「どうしたカナタ?」
俺は深く深呼吸をしてそして決心が揺るがないうちに言い切った。
「悪魔だか何だか知らないが――俺が世界を救ってやる」
それが俺の生きる意味なんだ。だって今梢を悪魔の疑いがある夏目に攫われているし、俺の両親は悪魔によって殺された魔術師だから。
これは俺が決着をつけなくちゃいけない事件。
これが俺の生きる意味。
「カナタなら世界を救えるかもしれない。けれどね――」
「なんだよ」
「俺も世界救って有名人になりたいかなあ、なんて」
嘘だ。健太はでしゃばりではないのだ。だからこんなこと言ってるのは一緒に俺と、梢を救いたいって、ぞういう意味なんだ。
不意に笑いが込み上げてきた。
「あは、ククッ……お前、分かりにくいよ健太…………ありがとう」
「お礼なんかいらないよ。まだ終わりじゃない。これからが始まりなんだ。」
そう、これからが始まり。
梢を救って、謎に包まれている夏目の真相を解き明かして、家族を滅茶苦茶にした悪魔を討伐して――――
「行こう、健太」
「おっけー」
そうして俺たちは歩きだした。
「――ちょっと待ちなさい」
不意に後ろから声をかけられた。
なんなんだ、と振り返る。
「っ……!」
そこにはあいつによく似た女性がたっていた。
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