グリーングリーン
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第二章
「そんな凄い先のことなんてとても」
「そうでしょ。だからね」
「今の僕にはなんだ」
「その歌の意味はね」
グリーングリーン、その歌詞の意味はだった。
「教えられないの」
「そうなんだ」
「その時になったら教えられるから」
先生もこう言うだけだった、親も先生も教えてくれなくて。
勿論上級生の人もクラスの皆もだった、僕が聞いても。
わからなかった、教えられないどころか上級生の人やクラスの友達は自分も全然わからないと言うだけだった。
こうして僕はこの歌の意味がわからないままだった。
小学生から中学生になった、中学生になっても時々だったけれど考えた。けれどそれでもわからなかった。
そんな中で高校に入ってだ、ふとだ。
クラスでだ、クラスメイト達がこんなことを話していた。
「グリーングリーンって歌あるよな」
「ああ、あの歌な」
「あの歌ってな」
僕は彼等の話を聞いた、自分の席で次の授業の用意をしていたけれどその手を止めてそのうえでその話を聞いた。
「悲しい歌なんだよな」
「ああ、そうなのか」
「そうだよ、あの歌子供の頃に習うけれどな」
学校の授業でだ、このことは僕もわかった。
「その歌の中にあるのはな」
「悲しいんだな」
「しかも重いんだよ」
「重くもあるのかよ」
「ああ、人生のな」
彼はこう自分の前にいるクラスメイトに話していた。
「誰でも有り得て、辛いことなんだよ」
「そうだったんだな」
「だからわしあの歌はな」
どうかとだ、そのクラスメイトは相手に言った。
「好きだけれど嫌いなんだよ」
「好きだけれどな」
「いい歌だと思うよ」
確かに名曲だ、僕もそう思う。だからこそずっと残っている。名曲は歴史に残るものだ。
「けれどな、その歌詞にあるもの考えたらな」
「嫌いなのか」
「そうなんだよ、どうにもな」
こう彼に話していた。
「わしは」
「そうか、あの歌って重いんだな」
「ああ、まあわし自身にはなかったけれど」
「御前自身には?」
「誰でも周りにはある話なんだよ」
そのグリーングリーンにあることはというのだ。
「そうした歌なんだよ」
「そうか」
「そうなんだよ、明るい曲だけれど悲しくて重い歌なんだよ」
こうした話をしていた、僕は彼のその言葉を聞いて若しかして今グリーングリーンの歌詞にある意味がわかるかも、と思った。それでだった。
彼が話を終えてからだ、その彼のところに来て尋ねた。
「あのさ」
「ああ、何だよ」
「御前ひょっとしてグリーングリーンの歌詞の意味知ってるのか?」
「知っとるよ」
彼は自分の席に座ったまま笑って僕に答えた。
「この前自分で調べたんよ」
「そうなんだ、じゃあ」
今から歌詞にあるものを聞こうとした、けれど。
その彼からだ、こう僕に言ってきた。
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