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ぶつかった相手は

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第八章

「勝手にしなよ」
「そうするわね。それであんたは何をお願いするの?」
「俺か?」
「そう、あんたは」
「そうだな、そっちもそんなお願いだからな」 
 こう言いはするが実はもう決めていた、その決めているお願いはというと。
「これからも二人でな」
「食べ歩けたらってお願いするのね」
「そうするよ、じゃあな」
「うん、お好み焼きの後でね」
 麻美は祥太郎の言葉に笑顔で応えた、二人はこの日お好み焼きを食べ住吉大社でお願いをした。そしてこの日からも二人で大阪のあちこちで遊ぶのだった。
 そしてだ、祥太郎は麻美にその中で言った。この日は難波の法善寺で善哉、二つ並んで出されるそれを食べつつ話した。
「俺就職先決めたからな」
「何処にするの?」
「八条ソフトな」
 そこに就職するというのだ。
「そう決めたからな」
「八条大学だから就職出来るわよ」
 同じ八条グループだからだ。八条学園は八条グループに入る人材を育てることもその目的にしているのだ。
 それでだ、八条大学にいれば八条グループの企業なら何処でも楽に就職出来るというのである。麻美は祥太郎にこのことを言ったのだ。
「私にしろそうだし」
「俺達八条高校だしな」
 つまり祥太郎はエスカレーターで大学に入っているのだ。
「だからな」
「八条ソフトに入るのね」
「ああ、そうしてな」
 それでだというのだ。
「御前と。社会人になってもな」
「大阪の食べ歩きね」
「そうしたいけれどいいか?」
「大阪好きなのよね」
 麻美はすぐには答えなかった、祥太郎にまずはこう返してきた。
「そうよね」
「好きだからいつも遊んでるんだよ」
「私も好きよ、それも大好きよ」
「だったらか」
「ええ、これからも一緒にね」
「遊ぼうな」
「二人でね」
 こう二人で話すのだった、そしてその善哉を食べて。
 祥太郎は笑顔でだ、麻美に対して言った。
「この善哉もな」
「これからも二人で食べるよね」
「そうしような、この善哉だって二人で食べるものだしな」
「二つ、夫婦よね」
 麻美は笑って話した。
「そうよね」
「ああ、だから二人なんだよ」
「じゃあ今度ここに来る時もそれからも」
「二人だからな」
「そうしようね」
 こう二人で話すのだった、その善哉を食べつつ。


ぶつかった相手は   完


                           2013・11・2 
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