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カーネーション

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第四章

「じゃあちょっと今から監視カメラ買って来るな」
「それで観ような」
「何がどうなっているかな」
「若しも悪霊なりならな」
 まさに都市伝説にある様なだ、それならというのだ。
「俺はな」
「その時はか」
「お祓いしてもらうか」
「最悪の場合この部屋を出ろよ」
「生きたいしな、俺も」
 もっと言えば生きていてそのうえでもっと漫画やイラストを描いていきたい、自分の仕事をしていきたいからだった。
 だからだ、彼は言うのだった。
「その場合は部屋を出る」
「そうしろよ、最悪の場合は」
「そうするな」
 そうしたことも話してだ、そのうえでだった。
 水守は宮城のアドバイスに従い早速監視カメラを買ってベランダの全てが見える場所に置いた。そのうえで。
 ベランダのところを一日観ていた、その次の日に。
 水守は監視カメラの映像を観てみた、するとだった。
「おい、そうなっていたのかよ」
 驚きを隠せない顔で呟いた、そのうえで。
 彼は宮城を再び家に招いた、それで彼に映像を観せて言うのだった。
「これみたいだよ、真相は」
「おい、これかよ」
 その映像を観てだった、宮城も驚いて言葉を出した。二人でテレビに出したその映像を観てそれで話すのだった。
「まさかな」
「こんなことは思いも寄らなかっただろ」
「マジで悪霊とかだと思ってたよ」
 宮城はこう返した。
「だから部屋も出ることも考えろって言ったんだよ」
「そうだよな」
「何だよ、これ」
 宮城はテレビに出ている映像を指差しながら水守に言った。
「これは」
「だから観ての通りだよ」
 水守も腕を組んで真剣な面持ちで返す。
「こんなことはな」
「そうだよな、本当に」
「そういえばな」
 ここでだ、水守は言った。
「ビー玉な」
「あれか」
「カーネーションだとわからなかったけれどな」
「ガラスとかな」
「今だってな」
 おもちゃのだ、光るネックレスがベランダにあった。それもだった。
「光るものばかりだな」
「何で光るものばかりかな」
 そのことも言うのだった。
「考えてみればな」
「こいつか」
 宮城は再び画面を指差して言った。
「こいつはそういう奴だよな」
「カーネーションは多分好きだったからだよ」
 そのだ、今監視カメラで水守が何度も巻戻して観せている『それ』がだというのだ。
「そこはロマンチックだけれどな」
「光るものを集めるのはな」
「習性だからな、こいつの」
 それだというのだ。
「それを集めることが」
「そうだよな、それじゃあこれからすることはな」
「巣とか作られるか」
 水守はこのことについては顔を顰めさせて言葉を出した。 
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