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もしもこんなチート能力を手に入れたら・・・多分後悔するんじゃね?

作者:海戦型
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お前らに本物のスパロボチート見せてやる・後編

チート能力というのは本当によく分からないもので、恩恵を受けているのは知っていても不思議と有り難くは思えない。それはきっとチートの無い状態に自分がどうなるのかを把握できないのが原因でじゃないかと思ってる。
しかし、俺のチート能力は凄く分かりにくい。凄い事は凄いのかもしれないが、とにかく分かりにくい。ついでに華もない。そんなんだから時々自分がチート能力を持っているのを忘れるくらいだ。”あれ”、ステータス確認しないと分かんないしね。

まぁ、だからこそヘリのパイロットで済んでるのかもしれんが。悪用するといろいろヤバい代物なので今でもこの力の事は周囲に黙っているのだ。家族にさえ。家族・・・そういえば。

「時にヴァイス。ヘリ操縦士の資格は結局取れたか?」
「取れたに決まってんだろ?もちろんA級な。稀代のヘリ操縦士として伝説になってる兄貴の指導を受けたんだから取れない方がおかしいっつうの」
「それってあれですか?ヘリによる体当たり敢行で魔導師撃墜スコアが2ケタに達したっていう・・・」

若干引き気味のレゾナちゃんにティーダ君が訂正を入れる。

「正確にはこの部隊に来る前に4人。この部隊に来てから6人で丁度10人・・・ですよね?全く、何所の世界に非武装ヘリで空戦魔導師と戦う人がいますか!」
「馬鹿言え。あれは魔法があるからってのんびり座席に杖を突きつけてる間抜けが悪い。ヘリの質量で体当たり喰らえば防ぎきれないのに、プロテクションやシールドを過信しすぎなんだよ」

プロテクションもシールドも対魔導師戦では有効な防御手段だ。が、それは相手が人間であることを前提としての話だ。魔導師より遙かに質量の大きいヘリに全力の体当たりを喰らえば、衝撃を殺しきれずに負けるのは当たり前である。
そういう所が魔法至上主義の弱点だ。何でも魔法でどうにかなると勘違いしているから、魔法を過大評価した結果痛い目に遭う。俺に負けた奴らはみんな慢心勢の舐めっプ星人だったのだ。

「・・・聞いたかよティーダ君。相手が油断してれば後頭部にヘリでリアルアイアンテールかましていいんだとよ」
「聞きましたか隊長。相手が油断していれば作業用のワイヤーウィンチを引っかけて急加速で失神させていいそうですよ」
「聞いたかレゾナ。相手が油断していれば操縦席に狙いを定める魔導師をそのまま跳ね飛ばして墜落させてもいいそうだぞ」
「・・・・・・いや、普通に考えて小回りのきいて火力のある空戦魔導師が勝つんじゃ・・・え?あれ?」

どう考えても負けるビジョンしか浮かばないレゾナ。そもそも非武装なんだからまともに攻撃できないから射撃魔法でメインローターを吹き飛ばされたらそれで終了の筈である。ところが、操縦席に乗っている人物がモブからスカラに変わった瞬間にその前提がぐにゃりと歪曲されてしまう。不思議そうな顔でしきりに首を傾げるレゾナを見て、だよなと言わんばかりにヴァイスが溜息を吐く。

「そこなんだよなーネックはさ・・・俺だと絶対できない筈なんだけど、兄貴はどう考えても一人だけイージーモードをプレイしているとしか思えん」
「同意するね」
「やはり化物か・・・」

みんな人をクリーチャーを見るような不躾な目で見つめてくる。えーいいじゃん別に。武器なんか一つも使ってないから違反はしてないし、非常時は体当たりしていいってヘリの運用規約に書いてあったし。そりゃ撃墜されるリスクはあるけど、だからこそ反撃は必要だと俺は思うね。過剰防衛バンザーイ。

―――と、和気あいあいと話をしている途中、その空気を台無しにするお客様が来訪したみたいだ。

Bii! Bii! Bii!

「・・・!!転移反応多数感知!」
「総員バリアジャケット展開!第1種戦闘配備!!」

魔力レーダーがけたたましい電子音を鳴らす。見れば、かなり近い位置で転移反応が多数出現しようとしているとあった。しかも空中に。言っておくが転移魔法は管理局にもあるが、それは入り口と出口に魔法陣を組み込んだ装置があって初めて実現するものが殆どだ。かなり高位の魔導師なら個人でも行えるらしいけど、基本的に相応の補助が無ければ行えない。ましてやこれほど大規模なものとなると・・・後は推して図るべしである。

離れた場所から任意の空間に生体を送り込むのは召喚術師だって無理だ。無機物を送るのなら難易度は下がるが、それにしたってまだ実験が始まった段階である。管理局さえ実用化していない、若しくは知らない技術で転移を行っているとか犯罪者の匂いしかしない。

「転移反応・・・30って所か。サイズはデカいもんじゃない・・・魔法生物かなんかかな?」
「いや、それにしては空間歪曲の波長パターンが規則的すぎるぜ兄貴」

我が弟にあっさり否定されたが、確かに交錯線の揺れ幅を見ると魔法生物特有の揺らぎが無く、規則的な波長が繰り返されている。
まだ確認を取ったわけじゃないけど、救援なんて来てないし来るという話も聞いていない。そもそも召喚士が殆どい無い筈。つまり、今から出てくるのは十中八九”敵”だろう。―――まったく、ロストロギアの類じゃ無ければいいけど。あれは事後処理が面倒くさいんだよなぁ。


さて、通常の魔導視線においてヘリコプターとは大きな棺桶だ。盾に使うには脆すぎるし、図体がデカいせいで守るのも一苦労。さりとて見捨るには高価すぎる。魔導師の移動手段として重宝し、最高速度なら並みの魔導師の3倍近い速度を出せるこのヘリコプターという乗り物は、武装が無いため奇襲には大変脆弱なのだ。

だから普通のヘリコプターは高高度から速やかに魔導師を下に降ろし、速やかに戦闘空域を離脱。安全を確保できて初めて戻って来なければいけない。故に、ヘリを直接狙われるという状況が起きたら、それは損害等の観点から見れば即敗北に繋がる。

つまり俺達第一小隊は、戦略的観点から見て詰みに等しい状況に立たされたことになる・・・のだが。


「―――どこの誰だか知らんが馬鹿な奴等だ。たかが30の雑魚でこのヘリを撃墜できるとでも思っていたのか?」

不敵な笑みを浮かべてレヴァンティンをボーゲンフォルムに変えるシグナム隊長。

「”モナドスピード”発動!効果範囲を固定しましたよ!」

デバイスの特殊高位魔法を発動させて補助に回るレゾナちゃん。

「兄貴!左右のスライドドア開けてくれ!ここから狙い撃ってやるぜ!」
「『ラインミラージュ』、ロングバレルモード展開!誰に喧嘩を売ったか思い知らせてあげないとね!」

とてもイイ笑顔で銃器の用意をするヴァイスとティーダ。
それが意味するのはつまり、



―――武装が無いなら、魔導師が武器になればいいじゃない。



「貴様らに味わわせてやる・・・我等第一小隊と、輸送ヘリへの戦闘対策を立てない事の恐ろしさをな!!」
「「「「 Rock and Roll(ロッケンロォォーール) !!」」」」

我等海陸混成第一部隊のチームワークを舐めるなよ、と舌なめずりをした俺は、その今一意味の分からない(地球の言葉らしいというのは知っている)掛け声とともにフルスロットルで突撃した。




 = =



《天才スキルにより補正がかかりました》
《魔導師スキルにより補正がかかります》
《見切りスキルにより補正がかかります》
《極スキルにより補正がかかりました》
《連続ターゲット無効スキルにより敵の補正が無効化されました》
《地形適応上昇スキルにより空適応が上昇しました》
《リベンジスキルが発動します》
《インファイトスキルが発動します》
《ガンファイトスキルが発動します》
《ゲーマースキルによる補正がかかります》
《ラッキースキル結果算出、発動により補正がかかります》
《Eセーブスキルにより補正がかかります》
《Bセーブスキルにより補正がかかります》
《アタックコンボスキルが発動します》
《再攻撃スキルが発動します》
《2回行動スキルが発動します》
《三連撃スキルが発動します》
《連続行動スキルが発動します》
《カウンタースキルが発動します》
《ヒット&アウェイスキルが発動します》
《ダッシュスキルにより補正がかかります》
     ・
     ・
     ・
     ・


 = = 



―――ガジェットドローンは使い捨ての兵器だ。開発者である「とある科学者」の一線を画した技術で作られ、それなりの戦闘能力と自己学習AIを持ち、手駒として彼の考える最低限の戦闘能力と汎用性を持った大量生産品に過ぎない。例えば現在戦闘を行っているガジェットドローンI型は初めて実戦投入したシリーズで、現在の新型に比べるとかなりお粗末な戦闘能力だ。

だが、それは彼の視点で見た感想。実際にはガジェットドローンは魔導師にとって恐るべき戦闘能力を秘めている。アレには魔導師にとって危険たりうる2つのものが搭載されているのだ。

一つは、光学兵器。
勿論威力は人間の体を貫通させる程度造作は無く、バリアジャケットも当然のように突き破る。ミッド圏では原則として犯罪者を非殺傷で捕縛することを前提としているが、それは魔法に非殺傷設定が存在するからだ。光学兵器にそんな器用な真似も出来る訳が無い。よって、並みの魔導師にとっては放つ攻撃の一発一発が即死の威力を誇る。
もう一つが、AMF。
正式にはアンチマギリングフィールドと言い、これは効果範囲内の魔力を強制的に拡散させるジャマ―系フィールド魔法だ。本来は魔法なのだがそれに限りなく近い効果を電力で再現している。これがあると魔導師の使用する魔法はその全てが阻害効果を受け、攻撃・防御・移動・補助、ひどいと念話による通信も阻害される。

魔導師でもないのに魔法を封じ、人間を軽々と殺傷する力を持ち、更に数も揃っている。管理局の魔導師にとっては悪夢のような兵器だ。

が。


『退け退けぇ!邪魔だ邪魔だあぁぁぁぁ!!』
『これだ、これがしたかった!ゲームセンターの『タイムクライシス』を現実にやってるような爽快感ッ!!』
『ティーダさんがおかしくなってしまいました・・・』
『流石”管理局の暴走族”!!暴れっぷりは健在って訳だ』
『ボーゲンでは連射が効かないな・・・いっそボウガン型に出来るよう改良するか?』


んなこたぁ知ったことじゃねえとばかりに無残に破壊されてゆくガジェットたち。これはギャグ映画か何かの撮影なのかって?ところがどっこいこれが現実です。

その光景を見れば必ず誰かがこう言った筈だ。「馬鹿がヘリでやってくる」、と。少なくともそのヘリコプターに攻撃を加えるためにスナイピングに3番目くらいに適した位置でその様子を見ていた少女―――名前をディエチという―――はそんな言葉が脳裏に浮かんだ。

「ミニチュアか模型ならそう言う遊びもありだとは思うけど・・・」

言葉で表しにくいのだが・・・何といえばいいか。ヘリコプター版シルヴァニアファミリーのような・・・そういうヘリが現在ガジェットを次々叩き落としているのだ。その、ヘリコプターのカーゴハッチが全部解放されて、その中から魔導師たちが外の敵に攻撃を加えているのだ。

何を言っているのか分からないと思うが、とにかくその光景は何かが間違っている。ハッチを全開にしたヘリがバランス全く崩さないのも変だし、そもそも開いているのも変だ。しかも開いたドアから魔導師が外に向かって射撃魔法を叩き込み移動砲台と化しているのはもっと変だ。あんなもの遊びでしか出来ないし、そもそもヘリに乗っている時点で回避能力が死んでいるに等しい筈だ。大前提として、ヘリで光学兵器は躱せないからだ。

だからそのフォーメーションにはまったく合理性も実用性も存在しなくて、とてもではないが訓練を受けた正規部隊がやることではなかった。事実、それなりに実戦を目の当たりにしたことのあるディエチは目を丸くするのを通り越してジト目になっていた。何こいつらふざけてんの?的なニュアンスで。

だが管理局員は狼狽えない。
機能しない筈の姿を機能させている。
何故なら―――すでに何度かこの戦法を実行しているからだ。
それって答えになってないと思う、とか言ってはいけない。だって出来てるものは出来てるんだもーん。



「遅い遅い!・・・そこぉッ!!」
「目標をセンターに入れて・・・シャドウランサー!!・・・む、技名を間違えた」
「クロスファイアのバリエーション!ストームファイア・シュートォッ!!」

ヘリの両脇から次々に放たれる魔力弾の嵐が両サイドにいる―――どうもガジェットという奴らしい―――を目まぐるしいスピードで叩き落としていく。転移反応で50の増援が来たがこの程度なら問題なく倒せそうだ。昔はこの奇妙奇天烈なフォーメーションに皆不満を漏らしまくっていたのだが、今では部隊の全員がこの行動に疑問を持っていない。常識が侵されてしまったようだが全く問題ありません!

勿論ガジェットはのろまなヘリを叩き落とそうと躍起になってビームを放ってくるのだが、のらりくらりと躱しては中の魔導師がそのガジェットを叩き落とす。

おかしい。狩る側と狩られる側が逆転しているのだ。なのに疑問を抱かずこんな事をしているから、最近第一部隊は「不死鳥部隊」に代わって「管理局の空族」と呼ばれ始めているらしい。・・・俺ってそんなに族っぽいかなぁ?

「っと、揺れるぞ!確り掴まれ!」
「「「「了解!」」」」

なるだけ最小限の動きで躱していたが、再びあの遠距離レーザーが飛んできそうだったので緊急旋回。何とか無難に躱したか。・・・我が弟だけは寝そべってスナイプしてたので座席の脚に頭を強かに打ちつけたようだが、防御魔法でカバリングしてごろごろ転がりながら元のポジに収まった。何その高等技術、妹に教えよう。

にしても・・・あの狙撃手もしつこい奴だ。ガジェットたちの射撃も躱すのが面倒だが、あっちはなまじ距離が離れているだけ狙いがいやらしい。ヤラシイ子にはお仕置きが必要である。手札から速攻魔法発動!「弟」!このカードは俺の指示で任意のモンスターカードを1ターン行動不能にする!

「ヴァイス、今の狙撃やってきた奴に撃ち返せ!」
「合点承知!!往生せいやぁぁぁーーーー!!」

応えるや否やスコープも見ずに0,2秒で撃ち返した。我が弟ながら索敵と照準が速すぎである。1キロ離れた建物付近で何かが爆発した所を見ると、きっちり命中させたらしい。控えめに見ても頭おかしい。ぼくにはとてもできない。だけどこれを他人に言うとティーダ君とレゾナちゃんに睨まれるのは何でだろうか?

・・・まぁ、実を言うと弟が人間を辞めつつあるのも半分くらい俺の所為である。というのも、実は現在このヘリコプターはスパロボ的に言うと「俺をメインパイロットとした一機のユニットで、彼等の攻撃はユニットの攻撃と換算されている」のだ。勿論「ユニットの攻撃はメインパイロットの能力値に左右される」。詳しく調べてはいないが、現在このヘリに乗っている魔導師連中の能力は普段と比べて3倍以上に跳ね上がっている事になっている筈だ。


それこそが俺のチート能力、「スパロボのパイロット特殊技能」である。


具体的なスキルは下記の通り。

常時発動能力・・・天才:ラッキー:強運:闘争心:戦意高揚:インファイトLv.9:ガンファイトLv.9:サイズ差補正無視 :精神耐性:指揮官Lv.4:修理技能:補給技能:EXPアップ:ラーニング:Bセーブ:Eセーブ:ヒット&アウェイ:連続ターゲット無効:移動+資金:管理局員:ゲーマー:トップエース:魔導師:ハーフカット:狙い撃ち

依存発動能力・・・ダッシュ:極:気力限界突破:気力覚醒:見切り:ガード:アタッカー:統率:気力+ボーナス:気力+攻撃:気力+防御:底力Lv.9:ガッツLv.9

条件発動能力・・・カウンターLv.9:リベンジ:二回行動:連続行動:再行動:三連撃:援護攻撃Lv.3:援護防御Lv.3:支援攻撃:精密攻撃:連携攻撃:集束攻撃:アタックコンボLv.4:銃の名手:剣豪:完全防御

SP系発動能力・・・集中力:SPアップ:SP回復:SPゲット:移動+精神



あとはステータスとか精神コマンドとか。地形適応はオールS・・・ふむ。スパロボ経験者の方ならもう察しただろうが、未経験者に説明をしておこう。
上記の文字列は全て、作品によるばらつきはあれどスーパーロボット大戦内に登場するパイロットが誰しも必ず1つは持っている技能―――特殊技能、若しくはパイロット能力とよばれるものである。普通は作品ごとに固有のものを持っていたりするのだが、俺が持っているこれらはその殆どが誰でも習得しうる後天的な特殊技能である。

なお、スパロボのパイロット能力は一部のシリーズを除いて6個くらいなのだが俺のこれは携帯機の形式を取っているらしく、能力の数が凄まじい。しかも能力が重複した結果訳の分からん大幅な上方修正を受けてるものもあり、その・・・ヤバイ。
全部解説する時間が無いのでものすごく簡単に説明しよう。

①人が一回行動する間に複数回の行動がとれます。
②気力(白いカウンター)上昇で能力がクソ底上げされてます。
③気力上昇に伴うスキル発動で能力がファイナル底上げされてます。
④ヘリか俺がダメージを受けるとダメージ量に比例して更に殺人的底上げされます。
⑤気力はほぼ常時マックスです。下がってもすぐに上昇します。
⑥あり得ないくらい運がいいです。
⑦精神攻撃無効です。
⑧他人への援護があり得ないくらい成功します。
⑨周囲の人間の能力が底上げされます。
⑩本人のやる気がある範囲で天才な上に凄く成長します。
⑪海中だろうが宇宙だろうが何ら問題なくヘリを飛ばせます。
⑫多対一の戦いに馬鹿みたいに強いです。
⑬先制攻撃を無効化できます。
⑭精神力が実質無限大です。
⑮移動速度がすげー速くなります
⑯あらゆる武器の扱いが達人級です。素手もアホみたいに強いです。
⑰移動するだけで精神力が回復するし、何故か口座のお金も増えます。
⑱スパロボシステム補正の所為でHPが0にならない限り首が飛んでも問題なく行動続行できます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・やりすぎだバーカ!!

司書のバーカバーカ!!チートロボより厄介なことになってるじゃねーか!!立派な人外だよねコレ!?逸般兵どころかここまで来ると超越者だよ!!ラスボスすら霞むぞこの補正!?ついでによく見るとスパロボには存在しないはずの”管理局員”というスキルが追加されている。恐らく”警察官”のスキルをこの世界に適応させた結果だろう。

そして”管理局員:ゲーマー:トップエース:魔導師”は俺が転生したての頃にはスロットになかった。つまりこのスキル・・・下手をすれば増える。

確かに俺の避けたい結果は避けてるけど、やりすぎだ馬鹿!一回心臓に穴が開いたのに何故か死ななくて隊長の家の治療魔法得意な子(ゆずこちゃんだっけ?)に極秘で治療してもらったんだからな!!ごんぶと注射一本で何とか治ったけど、あれ他の職員に見られてたら本当に化物認定だったからな!?
くっそー・・・多分従来のシリーズのシステムと部位破壊が出来たシリーズのシステムが混ざってる所為だな・・・やってくれたぜ。


ともかくそんな訳で。突撃には複数敵を攻撃できる補正が働いている訳で。ヘリだってスパロボでは立派なユニットな訳で。で。で―――

「ジャマだ糞ガジェット!!」

思い出した苛立ちのはけ口を求めた俺は正面にいたガジェットどもを正面からヘリで撥ね飛ばした。最早何でもありである。またヘリでの撃墜スコアが伸びてしまった。

《《《mgiesgn93qg0h85ghoswt!?!?》》》

よく分からない音を立てたガジェットはそのままくるくると回りながら落下し、爆散。明らかにヘリの強度と速度では落とせない筈なのだが、スパロボ世界ではそんなもの能力と金でいくらでもひっくり返せる。スパロボは一度に一体しか攻撃できないのが普通だが、突破攻撃補正とマルチコンボが混ざって大変なことになっているようだ。
俺はもう知らん!世の中にはラー・カイラムの対空砲火をフル改造してベガ大王とタイマンを張った馬鹿(かいせんがた)もいるのだ。何も不思議なことではない。

「さあ次に跳ねられたい奴は・・・って、もう居ないじゃん。チッ・・・」

みんなの頑張りで敵はとっくに全滅していたようである。気が付けば日は沈み始め、雲と重なり美しい橙色に染め上げられた大空が視界に入った。
あの夕日を眺めると、何となくだが俺はパイロットには向いていないのではないかと思ってしまう。大胆にヘリの運用方法を間違い、魔力も全然使っていない。でも俺以上にヘリを上手く扱える奴も存在しなかった。弟にちまちま教えてはいるが、果たしていつ俺と同じくらいのヘリ捌きになるのやら。資格は取れてもヘリでの格闘戦が全然だからな。

そうこう黄昏ているうちに皆は戦闘終了の確認を行い、今度こそ今日の戦闘は終了した。結局あのガラクタが何をしに来たのかは知らないが、それは帰ってから調べる事になりそうだ。あの狙撃種も含めて。

「敵機の全滅を確認!」
「周辺索敵・・・増援の気配ありません!」
「モナドスピード解除!ハッチ閉鎖!」
「撤収ルートに入りましたー」
「うむ・・・これより海陸混成第一小隊は撤退任務に復帰する」
「「「「了解!」」」」

しかし・・・このどことなく遠足染みた空気は嫌いじゃない。
俺も上にどうこう言ってポジを変えてもらえるほど偉い訳でもないし、今はこのままでもいいかな、と思う。決してデスクワークが面倒で現場に居たいわけではないぞ、うん。

「晩御飯どうする?基地で食べるのもあれだから外いかない?」
「そうだな・・・いい加減基地の食堂メニューには飽きてきたところだ」
「おうどん食べたいです」
「お、いいね。基地の近所にある”UDON(ウードン)”で食べようぜ!」
「あそこは名前がふざけているのに美味しいですからね。麺のこしと塩味が何とも・・・」
「よーし、進路変更!」
「「「「・・・ってヘリで乗り付けようとするなぁぁーーーッ!!」」」」

こうして俺達は、今日も夕日に向かって撤収するのであった。明日からも多分こうして生きていく。
それにしても今日は結構撃墜数が溜まったな。
まだ間隔があいてないけど、”あれ”をするか。


――インターミッションに続く―― 
 

 
後書き
JF650式輸送ヘリ「ヴァレリオン」
・・・stsに出てくる704式よりずいぶん(製造年で言えば5年くらい)古いヘリ。古い分704式とはかなり形状が異なり、デザインは地球製の輸送ヘリのそれに近い。704と違いノーターシステムではなくメインとテイルの2つからなる標準的なローターシステムを採用。そのためカーゴハッチは機体後部には存在せず、両サイドについている。JF600番台でも650は特に空中格闘を重視した機体だが、そもそもヘリでの戦闘は前提とされていないため無駄にコストがかさみ、生産は10機でストップしている。 
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