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ドリトル先生と京都の狐

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第二幕その一

             第二幕  いざ京都へ
 金曜の夕方です、先生とトミーがお家に帰りますと。
 もうお家の前に王子が立っています、執事の人もです。
 その王子がです、二人に笑顔で言ってきました。
「じゃあいいね」
「うん、今からだね」
「京都ですね」
「もう車は用意してあるから」
 移動に使うそれはというのです。
「すぐにそれに乗ってね」
「それでだね」
「京都の旅館まで行って」
「いい旅館だから」
 王子は笑顔のままその旅館のお話もします。
「そこで晩御飯を食べて」
「僕は草でいいけれど」
 先生を乗せている老馬が王子に馬の言葉で尋ねます。
「先生達は何を食べるのかな」
「懐石料理だよ、京都のね」
「懐石料理?」
「日本のご馳走を出すお料理の仕方の一つだよ」
「ふうん、そうなんだ」
「それをね。京都に着いたらね」
 その旅館でだというのです。
「先生も僕達もそれを食べるから」
「ふうん、そうなんだ」
「君にもね」 
 老馬にもだというのです。
「美味しい草を用意してもらってるから」
「有り難うね」
「当然君にもだよ」
 王子はオシツオサレツにも顔を向けて言います。
「草があるから」
「うん、僕も馬さんもね」
「草さえあればね」
 充分だというのです、オシツオサレツはその二つの頭で言います。
「何処でも大丈夫だから」
「気を使ってもらって悪いね」
「いいよ、君達も僕の友達だから」
 友達には気を使って手を尽くすのは当然だというのです、王子は優しい笑顔でお馬さんとオシツオサレツにも言うのでした。
「気にしないでいいよ」
「そうなんだね」
「僕達も」
「皆で京都を楽しもう」
 今度はこう言った王子でした。
「あの街をね」
「それで京都だけれど」
 今度はトミーが王子に尋ねました。
「僕達が今いる神戸から遠いのかな」
「いや、少し行けばね」
「少し?」
「そう、少し行けばね」
 そうすればというのです。
「着くから」
「夜のうちに着けるのかな」
「高速道路を使うから」
「それでなんだ」
「そう、今日のうちに着くよ」
 京都にだというのです。
「だから安心していいよ」
「そうなんだ、それじゃあ」
「晩御飯はキャンピングカーの中に用意してるから」
 それもだというのです。
「ドライブインで買う方法もあったけれどね」
「王子が用意してくれたんだね」
「うん、そうなんだ」
 王子は先生にも笑顔でお話します。
「だからね」
「車の中で旅を楽しみながらだね」
「行こうね」
 こうお話してでした、先生達は王子が用意をしてくれたキャンピングカーに乗り込んで京都に向かいました。車の中で食べる晩御飯はといいますと。 
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