ヘタリア大帝国
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TURN138 貴族達の終焉その九
彼自身の考えに不吉なものを感じた、それは戦争や政治にあるものではない世界の裏にある知ってはならないものだった、それで。
そのことを感じ取ってだ、こう言うのだった。
「いえ」
「そうだ、今はだ」
「はい、忘れることにします」
「そうしてくれると有り難い」
柴神はほっとした顔で告げた、そして。
一行はさらに奥へと進んだ、そのうえで。
マウマウは遂にだ、こう言ったのだった。
「着イタゾ」
「?ここは」
「一体」
日本と秋山が言う、そこは惑星だった。
「星ですか」
「まさかここが」
「聖地ノ中デモ最モ尊イ場所ダ」
こここそがだというのだ。
「ココニ神様ガ出テ来ル」
「デハ来ルノダ」
ベホンマも言って来た、こうしてだった。
東郷達は惑星に降り立った、そこは岩ばかりの星で生命体は何もいない様だった。その星のある洞窟の前で。
マウマウは立ち止まった、そのうえで東郷達に言う。
「コノ中ダ」
「神様がいる場所か」
「ソウダ、入ルゾ」
こう話してだった、一行は今度は洞窟の中に入った、その中に入ると。
洞窟の中も長かった、暗く細く長い道が続く。その曲がりくねった道を進み。
広い、まるで大聖堂の中心の様に広く高い天井がアーチになっている天井の場所に出た、前は巨大な岩の壁だ。
その岩の壁の前でだ、ベホンマが言った。
「時間的ニハ間モナクダ」
「神様が出て来るのですね」
「ソウ、我々ノ神ダ」
「神ハ二ツアル」
マウマウも話す。
「犬ノ神ト蟲ノ神ダ」
「蟲!?」
蟲と聞いてだ、柴神の顔がいよいよ強張った、そして。
東郷達にだ、蒼白になり言うのだった。
「いかん、すぐにこの場を去るぞ」
「!?どうされたのですか」
「あの、ご様子がおかしいですが」
東郷と日本は柴神の普段とは全く違う様子に戸惑いを感じながら問うた。
「一体何が出て来るというのですか?」
「神といいますが」
「話はいい、とにかく立ち去るぞ」
柴神はあくまでそうしようとだ、東郷達に言う。
「いいな」
「出ルゾ」
だがそれは間に合わなかった、マウマウが言って来た。
「神様ガダ」
「蟲ノ神様達ダ」
ベホンマも言う、その言葉と共に。
岩の壁に絵、いやある世界の存在が出ていた。そこに出て来たものは。
イモムシ、ただのイモムシではなかった。
人の、赤子の顔があるイモムシだった。赤子の顔は純粋なものではなく妙に禍々しいものが漂っていた。
その蟲達を見てだ、東郷は本能的に察して呟いた。
「邪神か」
「鬼神ダ」
それだとだ、マウマウは言う。
「何処ニイルカワカラナイガ生贄ヲ食ベテ力ヲツケテイルノダ」
「生贄!?まさか」
今度は秋山だった、彼も強張った顔で言う。
「それは」
「安心シロ、マウマウ達ジャナイ」
その生贄は、というのだ。
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