アニメにおけるOCGデッキの可能性
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生い茂る植物
目が覚めたら元の世界に戻ってきた……なんてことはなく
「……知らない天井……じゃない!?」
ありのまま今起こったことを話すぜ!? 朝起きたら天井が見えると思ったら、どこかの民族衣装と思わしき服を纏った翼の生えた美少女がこっちを見ていた!!
な、なにを言ってるのかわからねぇだろうが俺もなにをされたかわからなかった……
頭がどうにかなりそうだった……
催眠術とか超スピードだとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……
「あ、おはようございます、マスター」
「……幻覚が見える」
俺はそこまで女に飢えていたのか。まさか幻覚が見えるほどに
確かに昨日は妹の沙羅(あのあと名前を教えてもらった)の激しいスキンシップにあったが……それが原因か?
「あの、マスター。僕は幻覚じゃないです」
「……となると精霊……で合ってるか?」
「その通りです。見ての通り、僕は昨日マスターが使ったガーディアン・エアトスです」
なんでここに来るんだよ。ラフェールのところに居ないのかよ……。しかも、なんかマスター扱いされてるし。
俺はベッドに寝転びながら天井付近に浮いているエアトスを見つめ、逆にエアトスはベッドに寝転んでいる俺を見つめている、そんな気まずい雰囲気の中、時計が進む音だけが響く。
話題もなし。疑問はあるが、いきなり聞ける程図太くもなし。あと寝起き。どうしろと……。
「お兄ちゃん! 買い物行くんでしょ?一緒に行こ?」
その時、部屋の扉が大きな音を立てて開いた。
両親は出張中らしく、この家には俺と沙羅の二人しかいない(エアトスを含めるなら三人)ので必然的に沙羅ということになる。……お兄ちゃんと呼んだから、まあ沙羅確定なんだろうが。
……設定上は精霊はごく一部の人にしか見えなかったし、ここはエアトスを空気として扱うのが吉だろう。
「マスター、この子は妹さんですか?」
……吉だろう(怒)
「ああ、そうだな。着替えるからちょっと外で待っててくれ」
「わかった」
幸い(?)にも沙羅は精霊の見える体質ではなかったようで無駄に話が拗れるようなことにはならず、一安心である
「よし、じゃあエアトスも出ていってくれ」
「なんで?」
「着替えるからに決まってるだろう」
妹を追い出した理由から推察して欲しいのだが、エアトスは天然なのかキョトンとしている。
理由をしっかりと口に出すと顔を真っ赤に染めて、空気に溶けるように消えていった。
「……なんか疲れた」
一人になった部屋でため息をつきつつ手早く服を着替え、デッキをいくつか持って部屋を出た。
「あ、お兄ちゃん、準備終わった?」
午前九時頃。着替えてリビングに降りていくと、準備万端といった様子で沙羅が座っていた。
遠足に行く前の子供か、お前は。
「朝食はどうするんだ?」
「たまには外で食べようよ」
「あー……まあ、そうするか……」
……と、いうことになったのだが朝食を食べ、デュエルディスクを買ったところで沙羅の同級生という男子に速攻絡まれた。
「おい、デュエルしろよ」
「蟹に謝れ」
人の迷言を盗るなんて最低なやつだな。まだ未来の人なのだが。
「蟹?……とにかく、俺とデュエルしろ! 俺が勝ったら尾上さんはもらっていく!」
「失礼な人ですね……。マスター、やっちゃってください!」
「……面倒くさい」
なにが一番面倒くさいのは、デュエルすることでも妹がわざとらしく俺の後ろにいることでもない。もちろん、エアトスが騒いでいることでもない。面倒くさいのは野次馬の中にTFキャラクターであるレイン恵がいるからだよ!
TFを知らない人に説明をしておくとレイン恵は無口無表情なクールキャラで、その実イリアステルの部下という設定を持っているのである。
まさか、俺がシンクロモンスターを持っていることを嗅ぎ付けたのか?……と冷や汗を流すと、なにを勘違いしたのか沙羅の同級生が勢いづいた。
「はっ、どうせお前のデッキは弱いんだろうな?」
「……試してみるか?」
現代のガチデッキが弱いと?面白いことを言う。
「ふっ……ならさっさと片付けて尾上さんとデートするんだ! デュエル!」
「……デュエル」
展開が早過ぎてついていけないが、いい機会だ。ソリッドビジョンありのデュエルを試してみるか。……野次馬が多いのはいただけないが。
後ろで騒いでいるエアトスは少し黙れ
「俺のターン! ゴブリン突撃部隊を召喚。カードを一枚伏せて、ターンエンド!」
「俺のターン、ドロー」
フィールドから見るに、伏せカードはスキルドレインか強制突撃命令のどちらかだろう。他の可能性も……なくはないが、一番高いのはその二つの可能性だ。
だが、そんなことはどうでもいい。今重要なことはソリッドビジョンのリアル感だ。とても素晴らしい。遊戯王がすべての中心になるのもわかる気が……しなくもない。
「永続魔法、世界樹を発動。モンスターを裏守備で召喚し、カードを二枚伏せてエンド」
俺の後ろに巨大な木が生えてきた。これが世界樹……めちゃくちゃ邪魔である。枝が前にもあるから見にくい。
「俺のターン、ドロー! ジャイアント・オークを召喚する!」
「残念だが、この瞬間激流葬を発動。フィールド上のすべてを破壊する」
流れに巻き込まれ、ジャイアント・オークとゴブリン突撃部隊。あと俺の裏守備モンスター、ダンディライオンが破壊される。
「植物族モンスターが破壊されたとき、世界樹にフラワーカウンターを一つ乗せる。さらにダンディライオンが墓地に送られたことにより綿毛トークンを二体、特殊召喚する」
「雑魚がワラワラ湧きやがって……。俺はカードを一枚伏せてターンエンド」
元の世界で制限だったダンディライオンの性能は伊達ではない。まあ、こっちではステータス主義に阻まれて雑魚扱いなのだが。
「俺のターン、ドロー。永続魔法カード、超栄養太陽を発動する。レベル2以下の植物族をいけにえに捧げ、そのレベル+3以下の植物族モンスターをデッキから特殊召喚できる。俺はレベル1の綿毛トークンをいけにえにレベル3のローンファイア・ブロッサムを特殊召喚」
綿毛が燃え、火の点いた花が現れる。出てきたモンスターの攻撃力が500しかなかったことに嘲るような笑いを浮かべる沙羅の同級生……長いな。同級生Aでいいか。
「ローンファイア・ブロッサムの効果。綿毛トークンをいけにえにデッキから椿姫ティタニアルを特殊召喚する」
あ、嘲るような表情が凍りついた。
というか伏せカードはスキルドレインではないのな
「イービル・ソーンを召喚。効果でこのカードをいけにえにして相手に300ポイントのダメージを与える。そして同名のカード二枚を効果を無効にして攻撃表示で特殊召喚する」
4000→3700
生い茂る植物がフィールドを侵蝕していく。うん、森羅が使いたくなった。
「フレグランス・ストームを発動。イービル・ソーンを破壊して一枚ドロー。植物族が破壊されたことにより、もう一つフラワーカウンターが世界樹に乗る」
引いたカードは植物じゃなかった……と。
まあ、主人公じゃないからこんなもんか。
「世界樹の第一の効果を二回使用する。椿姫ティタニアルの攻撃力と守備力を800ポイントアップする。バトルといこうか」
やっぱりライフ4000は少ない。このデッキの売りは耐久性なのに、ワンキルできてしまう。
「ローンファイア・ブロッサムでダイレクトアタック」
「伏せカード、オープン! 聖なるバリア、ミラーフォースだ! ははは、残念だったなぁ!」
「残念なのはお前の頭だろう。ポリノシスを発動。イービル・ソーンをいけにえにミラーフォースの効果を打ち消す」
3700→100
「なん……だと……」
「だから、他人の台詞を取るなと……ローンファイア・ブロッサムでダイレクトアタック」
100→-400
「ばっ、ばかな……」
「お兄ちゃんは私に勝ったの。私に勝てないあなたがお兄ちゃんに勝てるわけないじゃない」
膝をついた同級生Aに沙羅が追い撃ちをかける。
ウチの妹がドSな件について真剣に家族会議を開きたい。幸い、こちらには飛んでこないのだが。
「じゃあ、お兄ちゃん。デートの続きしようか?」
「……いつからデートになったんだ?」
とりあえず、兄妹間の恋愛は御法度である。中身はともかくとして。
好意はありがたいが……一線を越えそうで怖いのだ。
「僕のマスターは妹を弄び鬼畜外道……」
顔を赤くしながらエアトスはなにを言ってるんだ……
・ゴブリン突撃部隊
効果モンスター
レベル 4
属性 地
種族 戦士族
攻撃力 2300
守備力 0
このカードは攻撃した場合、バトルフェイズ終了時に守備表示になり、次の自分のターンのエンドフェイズ時まで表示形式を変更する事ができない。
・世界樹
永続魔法
パスワード 05973663効果フィールド上の植物族モンスターが破壊される度に、このカードにフラワーカウンターを1つ置く。
また、このカードに乗っているフラワーカウンターを任意の個数取り除いて以下の効果を発動できる。
●1つ:フィールド上の植物族モンスター1体を選択し、その攻撃力・守備力をエンドフェイズ時まで400ポイントアップする。
●2つ:フィールド上のカード1枚を選択して破壊する。
●3つ:自分の墓地の植物族モンスター1体を選択して特殊召喚する。
・ジャイアント・オーク
効果モンスター
レベル 4
属性 闇
種族 悪魔族
攻撃力 2200
守備力 0
このカードは攻撃した場合、バトルフェイズ終了時に守備表示になる。
次の自分のターン終了時までこのカードの表示形式は変更できない。
・激流葬
通常罠
モンスターが召喚・反転召喚・特殊召喚された時に発動できる。
フィールド上のモンスターを全て破壊する。
・ダンディライオン
効果モンスター
レベル 3
属性 地
種族 植物族
攻撃力 300
守備力 300
このカードが墓地へ送られた場合に発動する。
自分フィールドに「綿毛トークン」(植物族・風・星1・攻/守0)2体を守備表示で特殊召喚する。
このトークンは特殊召喚されたターン、アドバンス召喚のためにはリリースできない。
・超栄養太陽
永続魔法
自分フィールド上のレベル2以下の植物族モンスター1体をリリースして発動できる。
リリースしたモンスターのレベル+3以下のレベルを持つ植物族モンスター1体を、手札・デッキから特殊召喚する。
このカードがフィールド上から離れた時、そのモンスターを破壊する。
そのモンスターがフィールド上から離れた時、このカードを破壊する。
・ローンファイア・ブロッサム
効果モンスター
レベル 3
属性 炎
種族 植物族
攻撃力 500
守備力 1400
1ターンに1度、自分フィールド上に表側表示で存在する植物族モンスター1体をリリースして発動できる。
・椿姫ティタニアル
効果モンスター
レベル 8
属性 風
種族 植物族
攻撃力 2800
守備力 2600
自分フィールド上に表側表示で存在する植物族モンスター1体をリリースして発動できる。
フィールド上のカードを対象にする魔法・罠・効果モンスターの効果の発動を無効にし破壊する。
・イービル・ソーン
効果モンスター
レベル 1
属性 闇
種族 植物族
攻撃力 100
守備力 300
このカードをリリースして発動する。
相手ライフに300ポイントダメージを与え、自分のデッキから「イービル・ソーン」を2体まで表側攻撃表示で特殊召喚する事ができる。
この効果で特殊召喚した「イービル・ソーン」は効果を発動する事ができない。
・フレグランス・ストーム
通常魔法
フィールド上に表側表示で存在する植物族モンスター1体を破壊し、自分のデッキからカードを1枚ドローする。
さらに、この効果でドローしたカードが植物族モンスターだった場合、そのカードをお互いに確認し自分はカードをもう1枚ドローする事ができる。
・ポリノシス
カウンター罠
パスワード 91078716効果自分フィールド上の植物族モンスター1体をリリースして発動できる。
魔法・罠カードの発動、モンスターの召喚・特殊召喚のどれか1つを無効にし破壊する。
後書き
高攻撃力VS植物(ティタニアル軸)
この植物デッキ、結構好きです。ダンディライオンが過労死します。ローンファイアでティタニアルを出して殴りまくる。世界樹にフラワーカウンター乗っけて蘇らせたり、破壊したり……。召喚を無効にするポリノシス等で制圧します。
対するはなんかよくわからない高攻撃力デッキ。はっきり言って雑魚です、はい
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