ヘタリア大帝国
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TURN137 議会の腐敗その七
「陛下へのご無礼は許されませんが」
「無礼ではありませんが」
「そうは思えませんが」
ロレンスも負けていない、剣を抜かんばかりの顔だ。
イギリス兄妹もセーラの傍にいる、無論彼女を護っているのだ。
クロムウェルも貴族達も彼等の存在は無視出来ず歯噛みする、だが。
彼等は議会の外にいる私兵や雇っているならず者達を頼みにして必死に虚勢を張ってこう言うのだった。
「陛下、どうしてもと仰るのなら」
「我々は今ここで議決しますぞ」
「議決とは」
「陛下のご自重を」
それをだとだ、セーラに言うのだ。
「暫くご休養されては」
「それをお勧めしますが」
「おい、女王さんに謹慎しろってのか?」
イギリスは立ち上がり彼等に問うた。
「そう言うのかよ」
「いえ、それは」
「そうではありません」
流石に自分達の祖国に言われると彼等も弱い、怯むものを見せる。
「戦争が終わるまでの間です」
「暫く我等に任せて欲しいのです」
「任せるって講和しねえのかよ」
イギリスは彼等を見据えて問い返した。
「これ以上戦うってのかよ」
「そうです、植民地を全て奪還しましょう」
「ここは何としてもです」
「世界帝国の座もです」
「絶対に」
「だからそれは無理なんだよ」
イギリスは彼等に再び言い返した。
「もうエイリスに力はないんだよ」
「いえ、あります」
「我等の軍があります」
「だからです」
「ここは我等にお任せ下さい」
「どうしてもっていうんだな」
イギリスは彼等を見据えたままだった、今もセーラの傍にいる。
そしてだ、こう言うのだった。
「じゃあな」
「我等の意見を聞いて頂けますね」
「継戦ですね」
「出来ることならここで済ませたかったんだけれどな」
イギリスは残念そうに言う。
「こうなったら仕方ないな」
「!?まさか」
「我々を」
「言っておくが女王さんには指一本触れさせないからな」
イギリスはこのことは絶対にだと宣言した。
「何があってもな」
「では謹慎も」
「それも」
「そうだよ、絶対にな」
こう言うのだ。
「わかってるとおもうけれどな」
「ではどうされるのですか」
「祖国殿は」
「後は御前等だけで何とかしろよ」
こう言うのだった。
「もうな」
「?一体」
「といいますと」
「我々が何をしろと」
「どうせよと」
「もう出ようぜ」
イギリスは彼等には答えなかった、セーラの方を見てだった。
そのうえでだ、こう言うのだった。
「出ようぜ、ここからな」
「もうですか」
「ああ、ロレンスさんも用意が出来てるだろ」
「はい」
ロレンスもだ、イギリスの言葉に確かな顔で頷いて答える。
「それでは」
「近衛軍に主力軍も従えてな」
「そうしてですね」
「ああ、エイリスを出るぜ」
そうしようというのだ。
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