進撃の巨人〜緋色の翼〜
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第二話:少年達の日常Ⅰ
「うぅ、ふわぁ〜〜〜、朝か……」
窓から射し込んで来る太陽の光で目が覚めた。
「眠い………」
ベットから降りると、近くの棚に置いてあった瓶の蓋を開け、中から三粒ほど、小さな薬を手の平の上に出し、口に含む。
「うぅ…にがっ……」
舌には薬特有の苦みが口の中に広がる。
三日前、グリシャ先生に貰ったこの薬のお陰で体の調子も戻ってきた。
朝一番に飲むのはキツイけど
「シルヴィオーーーそろそろ起きなさーーい」
リビングの方からの母さんの声が聞こえる
俺の家族は父さんのレギナルト・クロイツ、母さんのシンディ・クロイツ、妹のフローラ・クロイツと俺、シルヴィオ・クロイツの四人だ。
前にも言ったとおり俺は生まれつき体が弱いため、俺が寝込んでいる日はフローラが森の方まで薪を取りに行ってくれている。
全く…兄として情けない……
薪拾いへはエレンとミカサが付いて行ってくれているから安心だがな
と、まあそんなこんなを朝一に憂鬱に思いながらリビングへのドアノブに手を掛ける。
ギイイ
「おはよう。父さん、母さん」
「あら、おはよう、シルヴィオ。今日は早いのね」
「ああ、おはよう。体の方は大丈夫か?」
「うん、大丈夫だよ、父さん。薬も飲んだし問題ないよ」
「そう、今度グリシャ先生にお礼に行かないとね」
グリシャ先生とは父さんが昔からの知り合いらしく、俺は小さい頃から先生の診察を受けていた。
「そうだ、シルヴィオ、あなた今日エレン君と遊びに行くんじゃなかった?」
「そうだよ。最近はあんまり遊べなかったから昼から夕方まで遊び通すんだ」
「それに、フローラも連れて行ってあげなさい。フローラも久しぶりに五人で遊びたいって言ってたから」
「勿論、そのつもりだよ。じゃあ、フローラ起こしてくる」
「宜しくね」
ーーーーーーーーーーーー
「フローラ、起きてるか?入るぞーー」ギイイ
俺の部屋の隣にある、フローラの部屋に入るとベットにある布団が膨らんでいるのが見える。どうやらまだ寝ているらしい。
「フローラ、起きろ。朝だぞー」
「……Zzz」スピー
「起きろーー」
「あーさーでーすーよー。いつまで寝るつもりだー」
「……ん、後一日……」
明日から本気出すってか?
させるか!
いい事思いついた!
遊びに行くのを楽しみにしてたってんならそれを利用してやればいいんだ
「おーーーきーーろーー、今日はエレン達と遊びに行くから仕事早く終わらせないと遊べないぞ〜」
「……ん!!起きる!!」
「おはよう、フローラ」
「あ、シル兄。おはよう、体は大丈夫?しんどくない?」
「ああ、お陰様でこの通り元気だよ」
「てことは、今日はシル兄とも遊べるんだ。やったぁーー」
「ああ、体力も戻ったし、今日の薪拾いも早めに終わるぞ」
「昨日はエレ兄とミカ姉の家に行ってたんだよね?アル兄もシル兄のこと心配してたよ」
フローラは俺のことをシル兄、エレンのことをエレ兄、ミカサのことをミカ姉、アルミンのことをアル兄と呼んで慕ってくれている。
「そっか、アルミンにも心配かけたな。今日謝っておくよ」
「そうだね。ふふっ楽しみ♪」
そのあと、リビングで食事をとりエレン達との何時もの待ち合わせ場所にフローラと共に向かった。
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