ヘタリア大帝国
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TURN135 ワープトラブルその十一
「私は」
「わかりました、それでは」
「利古里ちゃんはどうなんだ?」
東郷は山下に問うた。
「賛成か反対か」
「そうだな、私はな」
山下はまずは一呼吸置いた、そのうえでこう答えた。
「賛成だ」
「ああ、賛成か」
「この場合はその方がいい」
協力、その方がだというのだ。
「下手に争うよりもな」
「徹底抗戦ではなくですか」
「それはない」
山下は日本に対しても答える。
「それが何にもならないことは私にもわかる、むしろだ」
「ここは協力し合った方がですね」
「生きて戻れる可能性が高い」
そのことを計算しての考えだった。
「無駄な争いは避けるべきだ」
「では」
「早速会談の場を設けよう」
話が決まればすぐだった、山下は三人に提案した。
「そして話をするとしよう」
「それでは」
秋山が応えそうしてだった。
彼等はエイリス軍に会談を申し出た、するとだった。
モニターのセーラが東郷にこう答えた。
「実は私達もです」
「貴方達も、では」
「ここは一時休戦してです」
そのうえでだというのだ。
「協力しこの場所から元の世界に戻ることがいいと結論が出ていました」
「そうでしたか」
「この世界が私達の世界と違うことも」
そのこともだというのだ。
「私達も把握しました」
「では」
「長官、ここは互いに協力し」
そしてだというのだ。
「元の世界に戻りましょう」
「それでは」
「今から正式に会談をして休戦、協力関係を約束し」
「この世界から脱出することですね」
「そうしましょう」
こうして両者は会議の場を設けそのうえで休戦と協力を約束した、まずはエイリス側の二隻の戦艦のエンジンを修理することになった。
その修理は万全だった、エンジンはすぐに修理された。
「よし、これでな」
「はい、無事に航行が出来ますね」
セーラはこのことについては安堵した顔でイギリスに話せた。
「まずはよしとしましょう」
「じゃあこの星域のことを探してな」
「そうしてですね」
「ああ、行こう」
イギリスはこうセーラに話した。
「今からな」
「日本軍と共に」
こうして双方は協力することになった、一時的にではあっても。
そしてこのことについてだ、イギリスは日本に何処か落ち着いた顔で話した。今二人はイギリスの乗艦の中で紅茶を飲んでいる。
共にあるのは三段ティーセットだ、勿論紅茶はミルクティーだ。日本はそのミルクティーを飲みつつイギリスに話す。
「そういえばイギリスさんの紅茶をご馳走になるのも」
「久し振りだよな」
「はい、本当に」
「昔は結構一緒に飲んだけれどな」
日英同盟を結んでいた頃のことだ。
「その時は本当によくな」
「ご馳走になりましたね」
「思えばあの同盟はいいものだったよ」
イギリスはその時のことを思い出しながら日本に話す。
「本当にな」
「そうですね、あの同盟は」
「ロシアの奴も防げたしな」
ロシアの進出を防いだのだ、その頃中帝国は内部の混乱で満州即ち北京の境に築いている防衛ラインから北を放棄せざるを得なかった、ロシアはその満州に来ていたのだ。
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