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ハイスクールD×D~進化する勇気~

作者:レゾナ
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プロローグ

 
前書き
最初の話でございます。 

 
「ふ、ふわぁ……眠い……」

俺の名前は兵藤一誠。まあ、兵藤一誠になったっていうのが正しいな。

俺は起きて、右手と左手をグーパーとしてみる。

「はぁ……」

『どうした、相棒?ため息なんかついて』

「ため息もつきたくなるさ……」

俺に話しかけてきたのは左手に封じられている二天龍と称されていた赤龍帝ドライグだ。

『しかし、こんな事していていいのか?時間がないのではないか?』

「あ?ああ、そうだな……」

俺はベッドから抜け出してリビングに降りる。

そして棚の上に置いてある写真立てに映っている二人に挨拶する。

「おはよう。母さん、父さん」

俺の毎朝欠かさない恒例行事を済ませてから俺は朝食の準備にかかる。

『にしても……俺の器となる籠手はどこにいったのだろうな?』

「知らねぇよ……」

そう、今の言葉からもわかると思うが、元々ドライグには封じられていた籠手『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』に宿っていたのだが……今回はなぜかドライグの意志だけが俺に宿っているのだ。

そんな事を考えながらも朝食の準備をしていると……

「ふわぁ……おはようございます、イッセーさん……」

「ああ、アーシア。おはよう、顔洗ってこい」

「はい……」

ものすごく眠そうな顔をした金髪の髪を腰まで伸ばしている女の子、アーシア・アルジェントを洗面台に行くように言う。

アーシアはそれに従って洗面台に向かう。

『それにしても……相棒もお人好しだな。アーシアはお前にとっては他人だろ?』

「確かに他人だけど……俺はそういうのは関係無しにアーシアを助けたかったんだよ」

『まあ、相棒のそういう所は好きだがな』

「ありがとうな、ドライグ……っと、完成だな」

本日の朝食はトーストに目玉焼き、コーンスープにサラダだ。

あ、昼飯は他に用意してるから問題はないぞ?

「イッセーさん、おはようございます!」

「ああ、おはようアーシア。とにかく飯にしようぜ?」

「はい!」

俺とアーシアはテーブルに座り、手を合わせる。

「「いただきます」」



「そういえば、アーシア。学校には慣れたか?」

「はい!皆さん、優しい方です!ただ……あの方だけはなぜか、好きになれません……」

「ああ、あいつな……」

俺たちが言うあいつとは俺たちと同じクラスに所属している男子の事だ。

まあ、顔は結構かっこいい方だとは思うんだが……いかんせん、考えている事がおかしい。

だって、エロ二人組と普通に会話してるんだぜ?

エロ二人組に関しては会った時にでも説明しよう。

「ま、仕方ないと思って割りきれ」

「そうですね!」

「と、急がないと遅刻するぞ」

「ああっ!そうでした…」

俺とアーシアは残らず食べ尽くし、台所に水に浸した状態で置く。

この辺に関しては俺が母さんから耳にタコが出来る程、聞かされていたため習慣になっている。

他にも俺に家事全般を教えてくれたのが母さんで、父さんからは男が絶対にやってはいけない事や体術などを教えてもらっていた。

そんな事を考えて待っていたらアーシアの着替えが終わったようだ。

「すいません!お待たせしました!」

「ああ、じゃあいこうぜ」

俺たちは揃って家を出て、俺は家のドアに鍵を掛ける。

「さて、じゃ行くか」

「はい!」





俺たちが通っているのは駒王学園という場所だ。

ここは以前まで女子校だったのが確か……昨年辺りから共学になったため、女子の比率が異常に高い。

教室につくと

「よっ!イッセー!おはよう!アーシアもおはよう!」

俺とアーシアに挨拶してくる男の存在。

先ほど言っていた男。名前は神名流星(かみなりゅうせい)

「ああ、おはよう」

「おはようございます」

俺たちはそれだけ言って自分の席に座る。俺の隣にちょうどアーシアが来たので俺としては万々歳だ。

そしてあの流星……おそらくだが悪魔(・・)である。

まあ、普通に考えられる悪魔と少し違うらしいけどな。

俺自身も悪魔の人たちとは何度か会ってるし。

「よう!イッセー!お前も一緒にこれ、見ないか?」

俺の前に出されたのは……所謂、18禁のDVDである。

こいつの名前は松田。コイツは俺の友人のエロイことに定評のある二人の内の一人なのだが……根はいい奴なので俺としても胸を張れる。まあ、エロを抜けば。の話なのだが……。

「はぁ、趣味なら兎も角として学校に持ってくるのはどうなんだ?」

「別にいいじゃないか。この学校では没収されないんだからな」

 俺の言葉にカッコつけながら答えたのはもう一人のエロイことに定評のある友人である元浜だ。どこぞの戦闘力を図るスカウターのような機能が付いているわけでもないのにコイツがメガネを掛けて女子を見ると体型を数値化出来るという能力を持っている。通称スリーサイズスカウターと呼ばれている。

こいつもエロを抜けば誇れる友人だ。

「お前らな……持ってくるのは構わんが常識をわきまえろよ」

「「常識?なにそれ?俺ら☆男!男ならばこれくらい当然だ!!」」

「もうちょっと周りの事を考えろって言ってんだ!見ろ!アーシアを!」

「あうあうあう……///」

顔を真っ赤にしているアーシア。

「こんなに真っ赤になってるんだぞ!もうちっと考えてやれ!」

「そうだそうだ!一誠君の言う通りだ!」

「あんたらはもうちょっと常識を考えろ~!」

他の女子達も俺に賛同してくれる。

「「黙れ!これは俺らの楽しみなんだ!ほら、女子供は見るな見るな!脳内で犯すぞ!!」」

「アホか、松浜コンビ!!」

俺は二人の頭を持って教室の床に叩きつける。

「「ごばっ!?」」

「ふぅ……悪は去った……!」

俺は勝ち鬨の手を上げた……そんな俺を女子は赤っぽい顔で見ていたが。










そして、放課後……え?時間が経ちすぎてる?気にすんな。

まだ日本語の事がわからないアーシアに教えてやるのが最近の放課後の俺たちに日常だ。

「うぅ……えっと……ここは……こう、かな?」

「そう!正解だ、アーシア!」

「やった!」

そうして時間が過ぎていったのだが……

『相棒。気づいているか?』

『ああ。悪魔がこの学園に来ている。この感じは……フェニックスだな』

俺とドライグは念話で会話する。

ここは悪魔が管理している学園で……二大お姉様と言われているリアス・グレモリー先輩は悪魔だな。

他にも生徒会長の支取蒼那も悪魔である。

「よし、それじゃそろそろ帰るか……っと、ちょっと寄らないといけない所が出来てたんだった」

「えっ?寄る場所ですか?」

「ああ……ついてくるか?」

「はい……さすがに一人で帰れないし、家の鍵もイッセーさんが持ってますし」

あっと、そうだったな。

「とりあえず、用事だけ済ませるか」

俺の足はある場所に向いた。

そこは旧校舎……確かオカルト研究部だったかな。



旧校舎について、オカルト研究部の前までやってくる。

「ちぃ~す。すいませ~ん」

「「「「「「……え?」」」」」」

中にいたオカルト研究部に所属している五人……リアス・グレモリー先輩。もう一人の二大お姉様と言われている姫島朱乃先輩。金髪イケメンの木場祐斗。白髪でちっこい確か……塔城小猫。そして神名にホストみたいな奴。こいつがフェニックスだな。

そして遠くからその様子を見守っていて先ほどの時に唯一驚いていなかったメイドさん。

俺は迷わずにその人の所に向かい、挨拶する。

「お久しぶりです、グレイフィアさん」

「お久しぶりですね、イッセー様。それで、なぜこの場所にいらしたのですか?」

「ああ、グレイフィアさんの魔力の波動を感じましてですね……それで挨拶に来ました。今日はただそれだけなんで。それじゃあ、失礼します。行くよ、アーシア」

「あ、はいっ!」

俺はグレイフィアさんと話して部屋を出ていこうとする。

「おい、貴様。お前の様な人間がなぜここに居る? 何の用だか知らないが、とっとと失せろ」

「邪魔だよ。俺はこれから帰って夕飯の支度しないといけないんだから」

「今この場を見られたのでは生かして帰さん」

「ライザー様。炎を収めてください」

炎を出したフェニックスを諫めたのはグレイフィアさんだ。

「なぜですか!?あなたのような最強の女王(クイーン)がなぜこんな下等な人間を!」

「イッセー様を殺そうというのなら私が相手をしますが?」

そう言って……グレイフィアさんはフェニックスに殺気を飛ばす。

さすがだね、特定の人物に殺気を飛ばすのって難しいんだよ。

「それで?何で天下の不死鳥さんがこんな所に来てるんですか?」

「そうですね……この場に来たからにはイッセー様も関係者になりますね。わかりました、ご説明致します」

そしてグレイフィアさんから説明を受けた。

どうやらリアス先輩と、このフェニックス、ライザーは結婚するらしいのだ。

しかし、リアス先輩はそれをかたくなに拒否し、婚約を断っているそうである。

本来なら大学を出るまでは自由なのだが、何やらご両親方が心配したとの事で、結婚を速めているとか。

純血悪魔の為にも、悪魔の未来の為にも純血同士の結婚は必要不可欠らしいのだ。

「はあ。なるほどね……それで?両者共、頑なに引かない、と……」

「はい。その通りでございます」

「こうなることは、旦那様とサーゼクス様もフェニックス家の方々も重々承知でした。
ですので、最終手段を取り入れることにしました」

「最終手段?どういうこと、グレイフィア?」

「お嬢様とライザー様の『レーティングゲーム』による決着です」

「レーティングゲーム……成程、そういうわけね」

リアス先輩はグレイフィアさんの言葉に静かに頷きながら思考を重ねているようにみえる。恐らくはライザーのレーティングゲームの戦績や戦法などを思い出し、どういうつもりかと分析を重ねているようだな。

「……いいわ。受けてあげる。私達がフェニックスに勝てないと思ってそんな手に出るのでしょうけど……そうは問屋がおろさないわよ!ライザー、貴方を消し飛ばしてあげるわ!!」

「いいだろう。そちらが勝てば好きにすればいいさ。だが、俺が勝てば即結婚してもらう」

二人の間にはビリビリと雷が幻視出来る。そんな中、ライザーは余裕の発言をしてくる。

「なあ、リアス。特別にハンデをやる。十日の猶予をだ」

「へぇ?余り調子に乗って吠え面をかかないといいわね」

リアス先輩は怒りの様子でライザーを睨みながら言葉を発する。そうして互いに暫く睨み合うとライザーは最後に一言だけ言葉を残してその姿を消した。

「もう一つハンデだ。そこの人間どもの一人を助っ人として付け加える権利をやろう」

ライザーはそう言うと俺を睨みつけながら魔法陣の光に包まれてその姿を消した。

「さて、それじゃ。俺は参加しませんので」

「イッセー様。こちらは後で貴方様に言おうとしていたサーゼクス様からの伝言です。『イッセー君。出来る事ならリアスの側としてレーティングゲームに参加してくれないかい。これは強制ではないから安心してくれたまえ』という物でした」

俺はその言葉を聞いて止まる。

「……グレイフィアさん。これ、暗に俺にレーティングゲームに参加しろって言ってますよね?」

「そうは言っておられませんが?」

くっ!この人、あくまてシラを切るか。

サーゼクスさんのこの言葉。これは暗に君の成長を知りたいから参加してくれないかい?って言ってるもん。

「はぁ……わかりました。参加します」

「了解しました。では、サーゼクス様にはそのように言っておきます」

そして魔方陣で帰ろうとした所

「ああ、そうでした。お嬢様、変にイッセー様をご勧誘しようというのはお止めくださいね?それと私との関係を問いただすのもです」

「え、ええ。わかったわ」

なぜにどもったし。あ、こいつ聞く気満々だったな。

「それでは」

そう言って今度こそ、グレイフィアさんは帰っていく。

「さて、アーシア今渡こそ用事は終わったから帰るか」

「ま、待ちなさい!あなたもレーティングゲームに参加するんだから」

「俺は自分のやりたい事をやるだけです」

俺はそれだけ言って部屋を出て行く。俺の後ろにアーシアもついてくる。

「い、イッセーさん……大丈夫なんですか?」

「ああ。大丈夫だよ、俺の実力は知ってるだろ?」

「あ……そうですね、当日は祈っていますので!」

「ああ、頼むな」

そして俺とアーシアは家に帰る。俺たちの家に。 
 

 
後書き
やあ。どうも。

マテリアルブレイブ要素全然出てきませんでしたが……次回以降はちゃんと出てくると思います。

次回は主人公設定! 
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