MS Operative Theory
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MS戦術解説
砂漠戦②
——砂漠での活動のために開発されたMSとその戦術——
海などの水圏で活動するために水陸両用MSがあるように、砂漠という特殊な環境に適応したMSや機材なども開発された。当初は「砂漠用」というカテゴリではなく、陸戦用に分類されていた。
最初期の陸戦用MSとしてジオン公国軍が開発したMS-06J(ザクⅡJ型)が知られるが、本機は陸上において高い運用性を証明したものの、砂漠などの特殊な環境ではその機能を十分に発揮するとは限らなかった。そのため、より砂漠での運用に特化したMS-06D(ザク・デザートタイプ)が開発された。
その後、MS-07B(グフ)やMS-09(ドム)、そしてドムの発展型であるMS-09F/TROP(ドム・トローペン)、MS-09G(ドワッジ)などの砂漠での運用に特化した機体が出現した。これらの機体と同時にMS-06D用ジェット・スキーやザクタンカーなど、砂漠での機動力の向上や移動距離の延長を目的とした装備も見られた。
また、砂漠用MSの強固な防塵性能や冷却性能、そしてオプションの仕様により、砂漠での戦いに適応した戦術が考案されることとなった。
——砂漠戦におけるMSとオプション装備——
砂漠は寒暖の差が激しいだけでなく、砂塵による稼働不全などが起こりやすく、MSなどの精密機械によっては過酷な環境と言える。しかし、それらを克服すると共に、特殊な環境を利用するために開発されたMSや装備が存在する。
それらは主に一年戦争時に開発され、第一次ネオ・ジオン戦争時まで使用されたが、それ以降はMSの多機能化により、姿を消していった。なお、ザンスカール戦争時のアフリカ戦線において、砂漠用MSが使用されたと言われるが詳細は不明である。
■MS
砂漠用MSが通常の陸戦MSと異なる点は防塵処理委の徹底化と冷却機能の強化が施されている点である。特に防塵処理は関節部やエア・インテークなどに重点的に施されており、機体の冷却は装甲形状の変更や動力パイプを外部に露出させることで対応している。
●MS-06D(ディザート・ザク)
ザクⅡJ型をベースにして開発された砂漠用MS。数十機が生産され、そのすべてがアフリカ戦線に配備されたと言われる。ランドセルに大型のラジエーターを搭載することで、冷却問題をクリアしている。
●MS-09F/TROP(ドム・トローペン)
ドムのバリエーションではなく、YMS-09D(ドム・トロピカル・テストタイプ)の発展期とされる。砂漠を含む、熱帯での運用を主眼に開発され、そのほとんどがアフリカに送られた。機体の各所に予備兵装用のラッチを持つ。
●MS-09G(ドワッジ)
ドムの最終量産型。腰部にプロペラントを増設するなど、活動時間の延長が図られている。また、動力パイプが外部に露出しているなどの外見的な特徴を持つ。ロンメル中佐は独自に回収したH型を使用した。
■オプション装備
砂漠などでは接地圧の問題から、MSは機動力が損なわれるだけでなく、行動半径も著しく制限されてしまう。ホバーなどによる移動ができるとはいえ、砂漠用MSのおおくもこの問題を抱えているが、ジェット・スキーやザクタンカーなどのオプションにより、機動性などの低下を防いでいる。
▼MS-06D用ジェット・スキー
一年戦争後、旧ジオン公国軍残党が開発した砂漠用オプション装備。砂漠での機動性と走破性の確保を目的としている。前部側面に姿勢制御用のノズルを持つほか、後部のメイン・ノズルも可動式となっており、高い運動性を誇った。
▼ザクタンカー
ロンメル隊や青の部隊が運用したMS運搬用車両。車体前部はキャタピラだが、MSが登場する後部はホバー式となっている。ジオン公国軍製と言われているが、一年戦争での使用は確認されていない。
▼ギャロップ
一年戦争時にジオン公国軍が運用した陸戦艇。ホバートジェット・エンジンを併用して移動し、MSは機体前部のハッチから登場する。カーゴと連結することで長期間にわたる作戦行動も可能であった。
——砂漠での戦闘におけるサポート兵器——
砂漠での戦闘において、ジェット・スキーやザクタンカー以外にもMSをサポートする兵器が存在する。これらは戦闘車輌やサブ・フライト・システム(SFS)など、MSとの連携を主眼に開発されたものがほとんどで、砂漠戦に特化した機能を持つという訳ではないが、状況によってはMSをバックアップする強力な存在となった。
■マゼラ・アタック
ジオン公国開発した戦闘車輌。地球侵攻作戦において、MSと共にジオン公国軍地上部隊の中核として運用された。マゼラ・トップとマゼラ・ベースに分離可能という特殊な構造を持つ。
■ホバー・トラック
東南アジア地域での運用が確認されている多目的支援車輌。MS一個小隊に一両が随伴、音響センサーにより、周囲の状況を把握し各MSに伝達するなど、小隊の「耳」としての役割を担った。砂漠地帯ではホバーによりMSの痕跡を消すなどの任務を行うこともあった。
■サブ・フライト・システム
ド・ダイを始祖とするSFSも、砂漠地帯で使用されている。中でもザンスカール帝国が開発したタイヤ型SFSであるアインラッドは「走行」という従来のSFSの範疇を超える機能を持ち、砂漠や荒野などの不整地でも高い機動性と走破性を有していた。
——砂漠戦における二つの戦法——
砂漠戦における代表的な戦闘方法は、機体を潜砂させての「待ち伏せ」と砂漠用MSの機動力を利用した「急襲」の二つである。ここでは、これらの戦術の具体的な方法と、実戦における使用例を紹介する。
①待ち伏せ—————潜砂
砂の中に機体を先行させる。砂漠用MSの多くは脚部にホバーなどを備えているため、ホバーを噴射し、砂を巻き上げて機体を砂中に埋める。また敵機の接近の察知や攻撃のため、センサー類や銃口などは露出させておく。
②待ち伏せ—————誘導
味方機が敵MSを待ち伏せ地点に誘導する。飛行やジャンプなどを用いた場合、撃墜される危険性が高いため、ジェット・スキーなど、高い機動力を持つ砂漠用オプション装備を使用することが望ましい。
③待ち伏せ—————攻撃
敵機の待ち伏せ地点への侵入を確認後、攻撃を行う。砂中から攻撃した場合は発見されるまでは一方的に攻撃が可能だが、回避ができないという欠点がある。地表に出て攻撃した場合は格闘や回避なども可能となる。
■U.C.0079,10中旬 —————ランバ・ラル隊VSホワイトベース隊
中央アジアのタリム盆地において、ランバ・ラル率いるMS部隊が、ホワイトベースに対し、攻撃を仕掛けた。ラル隊はギャロップを囮とすると共に、MS部隊を丘陵地帯に潜伏させた。
この作戦は功を奏し、MS部隊とギャロップの連携によってWBから出撃したRX-78(ガンダム)を中破させ、掌握寸前まで追い込んだ。しかし、RX-77(ガンキャノン)などの増援により、ラル隊はMSを失うと共に撤退を余儀なくされた。
■U.C.0088,08,09 —————ロンメル隊によるガンダム・チーム待ち伏せ作戦
ガンダム・チームとの戦闘において、旧ジオン公国軍のロンメル中佐は部下のニキを囮とした待ち伏せ作戦を実行した。ニキが敵部隊を誘導する間、ロンメル隊はMSを砂中に潜行させた。
そして敵部隊の接近と同時に味方のニキを巻き込んで攻撃を開始している。この攻撃は完全な奇襲となり、ガンダム・チームを混乱させたが撃破には至らなかった。
①急襲—————急速接近
ホバーやジェット・スキーなどで、敵機に急速接近する。砂漠用のカスタマイズや装備を持たない機体は機動力などが大きく損なわれるため、接近するMSに対し即応することは困難である。
②急襲—————包囲
接近後、敵機を包囲する。この場合も攻撃側の機動力が勝っているケースがほとんどのため、防御側は有効な手段を取ることができない。また、ジャンプなどで離脱を試みた場合も直後に攻撃を受けることが多い。
③急襲—————攻撃
敵機を包囲した後、攻撃を行う。包囲直前にバズーカなどの大口径火器を使用した場合、敵の混乱を誘発する可能性がある。また、艦艇などを目標とする場合は敵機を包囲した後、敵MS部隊への攻撃を行う。
■U.C.0083,10,23 —————キンバライド高山基地MS部隊による、アルビオンへの攻撃
HLV打ち上げまでの時間を稼ぐため、ノイエン・ビッター少将の指揮するMS部隊に対し攻撃を行った。少将は事前にMS部隊を展開し、アルビオンMS部隊を二分すると本体による攻撃を仕掛けた。
この作戦により、敵MSの一機を中破させ、敵艦にもダメージを与えた。兵を二分し、質で勝る敵部隊を分断させたことがこの作戦のポイントと言える。
■U.C.00088,08,09 —————ロンメル隊による、ガンダム・チームへの攻撃
偵察部隊からの報告を受けたロンメル中佐はガンダム・チームに対し、攻撃を行っている。ドワッジ改やディザート・ザクによる急襲は、ロンメルの技量と砂漠という環境もあり、MSZ-006(Zガンダム)を追い込むことに成功している。
しかし、Zガンダムが戦域から離脱したため、戦闘は終結した。この直後、ロンメル中佐は待ち伏せによる再攻撃を実行している。
後書き
次回 水中戦・上陸戦
追記:携帯からの報告です。
先日、母親が自分のパソコンを落として壊してくれやがりました。
小説は全てパソコンのデータ内なのでどうしようもありません。
みた感じハードディスクが壊れたみたいです。
直すにしても買い換えるにしても時間掛かります。
ちなみにバックアップもとっていないです。正直泣きたいです。
で、結局の所、何が言いたいかと申しますと、休みます。
次回の投稿は何時になるか分かりませんが、何とか続けていきたいです。
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