こんなチートでもありですかい?そうですかい。
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第44話。変人とGなアイツ。
「いやここどこだよ」
志貴がついツッコミを入れてしまったようだが仕方がない。
太い鉄パイプがそこらかしこに張り巡り、何に使うか用途の分からない機械がズラリと並ぶ。
極めつけは5mはあるだろう扉。ただのデカイ扉ならどれだけよかっただろうか。
そこにはデカデカと『琥珀』の文字が書かれていた。
いやね、人んちの地下で何をしてるのかと。
「ついにここがバレてしまいましたか・・・」
「ここまでだな琥珀さん?」
「ぐぐぐ。」
心底悔しそうな表情を見せる琥珀さん。しかし、そんな彼女の奇跡が舞い降りた。
「ピピピ、ドクターノ、危険ヲ察知。コレヨリ殲滅ヲ開始シマス。」
「アレは・・・メカヒスイちゃん!?」
実際に足の裏のバーニアを吹かして舞い降りた。
「なんかメカっぽいの来た!」
「フフフ、歩が三つ!!キャーーー☆このセリフ言ってみたかったんです。なんで完成しているか知りませんが、これは好機です!!」
琥珀の前に佇むメカメカしい顔をしたメイド服をきたメカヒスイ。
「な・・・に?自立駆動型のガイノイドだと・・・」
「・・・これもタタリの影響なのでしょうか?」
「なんでもありなのかタタリって?」
一触即発の雰囲気なのだろうが、どこか締まらない感じが否めないシオンと志貴であった。
「私が設計した愉快型都市制圧兵器です。色々と無理設定が多かったのですが、完成してしまった以上、計画を発動します!メカヒスイちゃん!!」
「ピピピ、殲滅ヲ開始シマス。」
「むっ!」
咄嗟に危険を察知した晋吾は側方に跳ねるように避ける。
避けながら晋吾の眼は、ガイノイドを捉える。
眼が光り、数コンマで周囲の電子を誘導放出させたのだろう、更に光量が強まる。
それが、アイレンズ周辺で収束し、ビーム(束)となる。そこまでいえばお分かりだろう。
レーザービーム
晋吾にしか追えない光の攻撃が、一直線に晋吾がいた場所を超え、志貴の首を掠めた。
志貴の首を掠めた。
大事なので二回言いました。
「え?」
「え?」
「・・・・・・」
2人はあまりにもの出来事に理解が追いつかない。一方シオンは、理解できるが理解したくないと言う感覚に戸惑っていた。
「え?・・・あつ!熱っ!うぉうおあつ!あち!あつ!あつ!」
「に・・兄さん!!」
しばらく経ってから感じた首元の火傷からの痛みに、更にパニックになる志貴。
ゴロゴロと地面を転がりキャラ崩壊まっしぐらである。
「ムムム、初見で避けますか・・・。」
「なんて兵器作るんだ・・・。シッキーに何かあったらどうすんねん?」
「大丈夫ですよ~。愉快型制圧兵器ですから。ちゃ~んとリアクションが取りやすい威力にしてますよ。」
晋吾はタタリ退治に一層気合が入った。タタリ発動時の琥珀は安全らしいが危険だ。主に友人が。
「ガイノイドに攻撃するのは気が引けるが、シッキーのためだ。許せよ。」
晋吾は両足に力を込め、メカヒスイに詰め寄る。2度、3度と目からビームを放つが、晋吾を捉えることはできない。
「ピピピ。バリアー。」
「その攻撃。読めているさ!」
寸での所で、メカヒスイは自分を中心としたエネルギーフィールドを展開する。
しかし、晋吾は軽快なバックステップでそれから逃れる。・・・しかしだ
「あべべべべべ」
後ろにいた琥珀はそうもいかなかった。まぁ、ぶっちゃけ巻き添え込んだだけなんだが。
「こ・・・これが愉快型の力なのか!?」
「もうこのノリについていけなくなりました。」
「それが普通よ。仲間が出来てよかったわ。」
色々と諦めたシオン。既に諦めていた秋葉。志貴はまだいけるらしく固唾を飲み込む。
「大丈夫デスカ、マスター?」
「うう~ん、なんとか大丈夫だけどもうちょっと考えて攻撃してくれると嬉しいかな~」
そんな漫才をしている間に晋吾はメカヒスイの後ろに立つ。志村後ろ後ろ~の状態である。
「ほいさっ」
「ア・・」
「あ・・」
神速の速さでメカヒスイの顔を螺子回しの要領で回して外す。
「体ニ戻シテクダサイ。」
「そいつは出来ない相談やなぁ」
「ぐっ!なんで晋吾くんがメカヒスイちゃんの中枢回路は頭で、螺子回しで外れることを知ってるんですか!?」
「なんでやろうねー」
単に俺ならそうするとのこと。この二人、基本の思考回路が似たり寄ったりだったりする。
「仕方がありません。最終手段です!メカヒスイちゃんが動いているなら、『アレ』も完成しているはずです!」
ゴソゴソと背中の風呂敷を漁る琥珀。出てきたのは・・・
「リモコン?」
「Vコンやと!?」
「立ち上がれ!ジャイアント・アキハロボ!!」
「ちょ、おま・・・」
ゴゴゴ…と音を発てて足元、天井が揺れる。つまり地下全域が揺れているのだ。
「・・・・・・流石にこれはないかなぁ」
「ボケっとしてないでさっさと逃げますわよ!兄さん!」
崩壊した地下からなんとか脱出した四人。崩れ果てた中庭から半身を出す、全長16mの巨大ロボット。
その名もジャイアント・アキハロボ。通称GaR。
「ガール?つーか顔リアルだなおい。型月版ヴァルシオーネか。熱いな。」
「何を言っているのです。一つ聞くけど琥珀。なんで私なのかしら?」
「何言ってるんですか~。何かあっても秋葉様の所為にするために決まってるじゃないですか~」
GaRの頭の上で、挑発する琥珀さん。額に青筋を浮かべ、ピクピクと震える妹様。
琥珀さんマジ怖いもの知らずだわ。
「・・・なんですかこの状況?」
西館の一階。使用人の寝室の窓から中庭の惨事を見る翡翠。
「・・・とりあえず、私を避難です。」
言っていることが若干おかしいが、意外にも冷静な判断をする翡翠さんであった。
「薙ぎ払え!」
≪とぉしゅ!ビィイイイイム!!≫
腕を顔前でクロスし、目下にいる晋吾達に向かいビームを放つ。G・秋葉の代名詞とも言える当主ビーム。
間一髪で志貴は秋葉を、晋吾はシオンを抱きかかえ左右に飛びよける。
着弾の瞬間、凄まじい衝撃波が襲う。
空中にいる晋吾達はよける術もなく空気の圧力を受けるが、
晋吾はクルクルと体を回転させ綺麗に着地。志貴は西館の壁に蜘蛛の如く張り付く様に着地した。
「当然の如く壁に張り付くシッキー。一応ツッコミ入れとくわ。それ、着地じゃないから。」
「う~ん。しかしホント秋葉ソックリだよな。」
「自分とソックリな巨大ロボットなんて、嫌悪感しか抱きません。」
「お嬢様も嫌がってるようだし、琥珀さんにはそろそろ観念してもらおうか。」
今度は地面にきちんと『着地』し、秋葉を下ろす。そして一息をついき、内ポケットから取り出したのは・・・
一枚のカード。
カードを人差し指と中指で挟み、勢いよく腕を水平に広げ、勢いよく顔の前にカードを垂直に持っていく。
「変・・・・身ッ!」
カードが一瞬光り、光が晴れると、無骨なヘッドギアと双眼タイプの暗視スコープを付けた志貴が立っていた。
「に、兄さん!?」
「へ、変身!?変身デスト!?志貴さんどこでそんなカッコイイ物を!!」
「あっ、俺が作った。」
「なっ!なんだって~~~~!!」
「え~と、晋吾。とりあえずどうすればいいかな?」
「ダメやシッキー、リテイク。こう、低い声でドスの効いた感じで・・・どうすればいい?」
少し困った顔をしているが、こういう振りはきちんとやってくれるのがシッキー。
「・・・・・・どうすればいい?」
志貴△。そして俺に向かってサムズアップしてくる妹様と琥珀さん。ほんとお前らシッキーすきだな。
「とりあえず両手を断ち切れ!エルボーとかアッパーとか飛んでくるからな!」
「な、なんで晋吾くんがGaRの行動プログラムを知ってるのですか!?」
「断ち切る!!」
志貴は這い寄る虫の様にGaRの体を這い上がり、左腕をバターのように断つ。獣のように駆け抜け、右腕をバターの如く切る。
「ああっ、装甲にエネルギーを流す事で装甲強度を強化したGaRの両腕がいとも簡単にっ」
「説明乙やわ。」
晋吾の右打席。気分は落合。地面から出した腹の前で構える。
「俺の予想では、動力源は腹の部分にある。原子(的な)力のエネルギー」
「そっ・・それは!!」
「それを打つ!さーんかーんおっちっあっいっこーかくだーほーおー」
全身をリラックスさせた状態で体の正面でゆったりと構える。それはさながら神主がお祓いをする様子に似ている。
神主打法。
スイングの瞬間に全身の筋肉を動かすことで、より大きな力を発揮するという理論に基づく打法である。
スイングは下半身から。膝、腰、連動する下半身に合わせてバットを振る。
理想的なレベルスイング。最短距離で駆け抜けるバットは空気を切り裂く。
インパクト。腰、リストを使いさらに押し出す。
手応えはない。まさに真芯で捕えた。そう晋吾は思った。正し実際は違う。
インパクトの瞬間に、腹が消し飛んだ。故に手応えがないのは当たり前である。
「さすが晋吾。」
「あやや。晋吾くん軽く人外ですね~。所で志貴さん。」
「何?」
「これ。落ちますよね?」
「うぇっ!」
ひゅ~と顔面ダイブする秋葉・・・もといジャイアントアキハロボ。
とっても惨めである。秋葉は若干の精神ダメージを受けた。片膝をつくぐらいには。・・・若干じゃねぇ。強がんな妹様。
片や琥珀さんと言えば・・・・・・
「全く、これに懲りて大人しくしてくださいよ。琥珀さん。」
「えへへ。志貴さんがそこまで言うなら、大人しくしてあげてもいいですよ?」
「・・・微塵も反省してないでしょ」
シッキーにお姫様抱っこされてご満悦の様子の琥珀さん。優しく諭されてなんか嬉しそうである。
結局の所、暴れまわって捕まっても、勝者は琥珀さんのようだ。しかし・・・
「こぉおおおはぁあああくぅううう」
「「ひぃい!」」
地獄から湧き出るような声にビビリ、琥珀さんを落とすシッキー。
「覚悟しなさい!!」
「にぎゃーーーーーーーーー!!」
一日天下にもならないようである。
後書き
>人んちの地下で何をしてるのかと
地下帝国作ってました。
>愉快型都市制圧兵器
リアクションがとっても取りやすい仕様です。
ホームパーティーに一体いかがでしょう?
>「あべべべべべ」
琥珀&メカヒスイでやらないかなーって常々思っていた。
>螺子回しで外れるメカヒスイの頭。
螺子回しは常識でしょ。byわいわい
>Vコン。GaR。
色々とアウトになりそうな部分。しかも混ざってる。
ちなみに初めて作者がGRを見た時の感想は、
顔、リアルすぎてキモイね。
>型月版ヴァルシオーネ。
ダンチでヴァルシオーネだって。アンジュルグと双璧らしいけどダンチでヴァルシオーネだって。番外でフェイ・イェンとかあるけど、ダンチでヴァルシオーネだって。byリュウセイ・ダテ。
>私を避難です。
非常に冷静だと思います。間違えてなどない。
『を』じゃなくて『は』っぽいけど仕様です。
>なぎはらえ!
クシャナァアアアアア
>変・・身!
宇宙刑事ギャバンが映画化するらしい。胸アツ。
蒸着!!宇宙刑事ファンは感想版にて蒸着を
>断ち切る!
シッキーをせったん化したい作者。この後言ってみてほしいセリフは、
「今はもう!そうでない自分がいる!」
と
シッキー「俺たちは!変わるんだァアアア!!」
シエル「私もですか!?」
の二つ。
>装甲にエネルギーを流す事で装甲強度を強化
GR1の設定その1
>原子(的な)力のエネルギー
動力源はもちろん、マジカルハートとゴム巻機構。
妄想とゴム巻。げんし的だわー。
>神主打法
学生時代、落合や小笠原にあこがれて真似した。
けど、試合や練習中は普通にオープンで打ってた。
3年の5月、不調になって打てないから、やけになって神主で打つようにしたら、そこから練習試合を含めて5割を超えるアベレージを記録したのはいい思い出です。
今は腹がつっかえてバットが振れねぇwwうぇえww
>さらばGaR
しかし、第二第三の(ry
メルブラ無印後、X-MEN VS.STREET FIGHTERを、
秋葉に内緒で晋吾から借りた琥珀が・・・っていう展開も無きにしも非ず。
つまり真のG秋葉が!くる~きっとくる~。
まぁ今回はここまで。
とりあえず、やってしまった感は否めないが、いつものことさ。
次回はVS|晋吾。
たぶん|晋吾の呼称はタタリで統一するかも。
結局いい名前が思いつかなかったorz
それではまた次回!
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