美しき異形達
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第一話 赤い転校生その一
美しき異形達
第一話 赤い転校生
八条学園高等部普通科二年B組では今話題になっていることがあった。その話題はどういったものかというと。
「転校生が来るんだよな、このクラスに」
「ああ、そうだよ」
「急に決まったらしいぜ」
「それでどんな奴なんだ?」
話題はこのクラスに来るという転校生のことだった、そしてその転校生が一体誰なのかということで朝から皆話していた。
「男か、女か?」
「さあ、男じゃないのか?」
「あれっ、女の子じゃないの?」
その転校生の性別も話題になっていた。
「私はそう聞いたけれど」
「俺は男って聞いたぜ」
「いや、俺は女だぜ」
「それですげえ乱暴者だって?」
「そんな話もあるな」
「前の学校で散々大喧嘩してうちの学校に来たってな」
「ああ、そんな話もあるよな」
「とんでもない奴みたいだな」
「そうかもな」
とにかく誰が来るのかわからない、それでだった。
二年B組の面々は自分達のクラスに来るという転校生が誰なのかということで話をしていた。そしてだった。
朝からあれこれと話す、しかし時間は止まることがなく朝のそうした勝手に話が出来る時間も必ず終わる。それでだった。
ホームルームの時間が近付くとだ、女子生徒の一人が皆に言った。
「あれこれ話してもね」
「ああ、時間だな」
「もうホームルームの時間ね」
「座ろう」
それぞれの席にだというのだ。
「そうしましょう」
「そうだな、じゃあな」
「今からね」
クラスの面々もその女子生徒の言葉に頷く、そしてだった。
誰もがそれぞれの席に着くとだ、席は一つだけ空になっていた。そしてその席こそがだった。
転校生の席だ、クラスの窓際の一番後ろ、その席を見てまだ彼等は言うのだった。
「本当に誰だろうな」
「どんな奴が来るんだろうな」
「とんでもない奴じゃなかったらいいけれど」
「そうよね」
「怖い奴って話だし」
誰もが今度来る転校生について思うのだった、そしてその彼等の前にだった。
まずは先生が来た、当然このクラスの担任である、赤っぽい髪の毛の額はそろそろ広くなってきている、温和そうな顔立ちで実際に優しい先生で知られている。
その先生が教壇のところに来てだ、こう自分のクラスの生徒達に言った。
「おはよう」
「おはようございます」
まずは起立しての挨拶からだった。
それが終わってからあった、担任の富岡先生は穏やかな笑顔で自分の生徒達に言った。
「もう皆聞いてると思うけれど」
「転校生ですよね」
少しやんちゃそうな男子生徒が言って来た。
「今日来るんですよね」
「そうなんだよ。じゃあ今からクラスに来てもらうからね」
「それでどんな人ですか?」
「それは今から来てもらうから」
それで知ってもらうというのだ。
「じゃあ呼ぶよ」
「わかりました、じゃあ」
こうしてだった、その転校生がクラスに入ることになったが。
生徒達は再びだ、その空いている席を見つつ話すのだった。
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