万華鏡
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第五十六話 クライマックスその十三
「甘いものも好きだしね」
「お饅頭で日本酒とかやるし」
「あれは凄いわね」
「私達にはちょっとね」
「私ワインで洋菓子食べるけれどね」
洋菓子でワインを飲むと言ってもいい、この場合は。
「日本酒はお菓子に合わないのよね」
「あの娘はちょっと特別よね」
「飲む量も凄いけれど」
「そうなのよね。まあ背はね」
それはというと。
「私と同じ位だけれど」
「私も小さいわよ」
宇野先輩はここで部長に言った。
「あんたや茉莉也と一緒位じゃない」
「そういえばそうね」
「もっと欲しかったのよね」
背。それがだというのだ。
「結局伸びなかったわ」
「背って女の子の場合は特になのよね」
「小学校高学年の時はどんどん伸びていけるって思ったのに」
「すぐに止まるのよね」
「中学でもう」
「男の子なんてあれよね」
高見先輩もここで言う、やはりピーナッツと柿の種を食べつつ。
「今も伸びるわよね」
「だからね」
それでだとだ、部長は高見先輩にも答えて言う。
「身長差が凄くなるのよ」
「あんた達の場合はそう思えるのね」
「特にね」
部長は飲みつつまた高見先輩に返した。
「一五〇だとね」
「私も一六〇あるかないかよ」
高見先輩の背はそれ位だった、自己申告であるが。
「あるかしら」
「あるんじゃないの?」
「ううん、だったらいいけれど」
「背はね。女の子はね」
どうしてもだとだ、宇野先輩が困った口調で言ってきた。
「伸びないのよね」
「美優ちゃんそう思うとね」
部長はここで彼女の名前を出した。
「大きいわよね」
「あの娘で一六七よね」
「自分で言ってたわよね」
「結構以上に高いわよね」
「スタイルもいいから」
「まあ小柄な方がいいっていう男子も多いけれど」
こうも言った部長だった。
「それでもね」
「背は欲しいわよね」
「せめてあと十センチは」
高見先輩と宇野先輩もそれぞれ言う。
「もっとね」
「大きくないと」
こう話すのだった、そうして。
ここでだ、部長は二人の同級生にこう尋ねた。
「美優ちゃんで思い出したけれど」
「思い出したって何を?」
「何を思い出したの?」
「あの五人よ」
プラネッツの五人、彼女達のことを思い出したというのだ。
「あの娘達今どうしてるのかしら」
「ううん、五人共彼氏とかいないみたいだし」
「いつも五人でいるからね」
「今もそうじゃないの?」
「五人でやってるんじゃないの?」
「そうなのね」
部長は二人の言葉を受けて応えた。
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