SAO ~キリトさん、えっちぃコトを考える~
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長いあとがき
本編をここまで読んでいただき、ありがとうございました。
ここでは「長いあとがき」と称してこの「キリトえっち」の誕生した経緯、そしてSAOの二次創作……ひいては二次創作全般に関する簡単な考察をしていきたいと思います。もちろんこれは木端作者の勝手な考察であり、さらにおそらく読むこと専門の方には特に意味はなく、書く人にとっても参考になるかどうかは微妙なラインですが、興味があれば読んでいただければ幸いです。
さて、まずはこういったものを読むべきなのはどんな人か。一言。
「もっといいものを書きたい」と思っている作者の方です。それ以外の方は読む意味はないかと。「自分が頭の中に思い描いた世界を文章にしたい!」と思い、なおかつ「もっとうまく書きたいのに、頭の中の物語がうまく文章にできない」と悩む人ですね。自分の思う世界がちゃんと描けてる方にはまったく無用の考察ですね(笑)
……前置きが長くなりましたが、では早速本編を。
◆「キリトえっち」の誕生……物語の始め方
まず最初に考えること。物語を書くときは全部そうだと自分は思うのですが、その物語で「一番書きたいところはどこか?」を考えるのが大切です。本作、キリトえっちを具体例として作品のできるまでを描いていきましょう。
まずキリトえっちでは「プッツンしたキリトさん」が書きたかった部分でした。で、それが決まると次は「どうやってプッツンするか」を考える。そこを決めるときに同時に考えるのが、「どうやって始まりの山場を作るか」と言う点です。
この『始まりの山場』というのは非常に大切で、また結構盲点なように思います。「書きたいシーン」「書きたい設定」「書きたいキャラ」はいるけど、果たして「じゃあそれをがっちり見せるためには、どんな始まりが最適だろう?」と考えるかどうかですね。
SAO二次創作では正直このへんの考察がアマアマです。第一層とかフレンジーボアとか書いてる人達はそのあたりを考えているのでしょうか……あのへんでキャラに個性を持たせる、あるいは設定を際立たせるって相当難しいと思うのですが……。もちろんそれをうまく生かして描いていて「うおーすげー」と唸る作品もありはするのですが、少数ですね。
物語を『読ませる』に当たって、「最初数話」はとても大切です。最初の数話が面白くなければ読者の方はもうその作品をよっぽどのことが無ければ開きません。それだけの重要なポジションを占めるべき「最初数話」を「プロローグ……リンクスタート!」、「フレンジーボア」「茅場さんのルール説明」で浪費して本当にいいのですか? そこを考えるだけで物語の掴みが全然違ってくると自分は思うのですよ。
で。
この「キリトえっち」ではどこにつかみを求めたか。ザ、単純に『エロ』です(笑) キリトさんが魅惑の三角地帯に見入ってしまい、それでぐわんぐわんと目を回す。「ばっかじゃねーの(笑)」「キリトさんがんば(笑)」というその声を獲得できる始め方かな、と自分では考えました。……成功したかどうかは……(笑)
この作品は極端な例ですが、こういったネタで始めるのは簡単かなーと思います。もちろん珍しい設定を曝け出したシーンからのスタート、謎の事件での開幕、衝撃的展開からの始まりなどいろいろあると思いますが、一番大切なのは「どんな始め方にしたらおもしろいかなー」と考えることですね。それを考えていれば、手法はそのうちついてきますよ。
◆長編のリスク
この作品は「ギャグを書きてー」と思って書いた作品です。しかしその辺の考察は無しで(なぜなら自分の作品が面白いかどうかにはまったく自信がないからです)。ここで考察するのはギャグと同じくらい書きたかった「短編書きてー」という衝動に関してですね。
このサイト、「暁」様においてSAO二次創作は非常に長編重視です。もちろん長編が悪いとは言わないし、素晴らしい作品も多々あるのですが、正直「初めての二次創作です! ……SAO、ALO、GGO、マザーズロザリオまで予定しています!」という前書きを見るたびにちょっと自分は眉をひそめてしまいます。
その作品は、本当にそこまで続くのでしょうか?
あなたは本当にそれが可能なのでしょうか?
もちろん初めて書く人を否定するわけではありません。誰だって最初は初めてです。自分だって素人ですし、一応書いたことがあるといっても何本も書いていたり何十万回と読まれるヒット作品を連発しているわけでもありません。ただしそれでも「更新することの大変さ」はそれなりには知っているつもりです。
その大変さを知らずに大長編を書くのは、なかなかに重労働です。数話、十話超えてもまったく評価、感想がつかなかったり、更新してもPVやUAが増えなかったり……。自分も何度も経験しましたし、とっても落ち込みます。今でも落ち込みます。ちなみにこの「キリトえっち」は「無刀」と比べると全く伸びず、現在進行形で落ち込んでます(笑)
そういった困難に、果たして自分が打ち勝てるかどうか。
それを考えずに大長編を書くのは、『もったいない』です。
そう、『もったいない』なんです。「難しい」とか「無理」ではありません。
物語というものは一期一会な部分がありまして、一度書いたネタってどうしても「もう一度!」っていう気分になりにくいのです。最初の数話、十数話で評価や感想が全くつかず、モチベーションが保てなくなってそのまま「一番書きたかったシーン」を書けないままに更新凍結……という作品は本当にもったいないです。もしかしたらその「書きたかったシーン」は歴史に名を刻む名作だったかもしれないのですから。
で、そういった方々におすすめなのが、短編、というわけですね。
◆短編のススメ。
なぜ短編がお勧めか、というと「読みやすい」、「書きやすい」この一言に尽きます。自分がこの「キリトえっち」……というか、「SAO短編もの」を書こうと思ったのは、自分がメインで力を入れて書いている「ソードアート・オンライン ~無刀の冒険者~」が実に60万字を超えるような大長編(少なくとも自分の中ではもう二度とこの長さの作品は書けないでしょう)になってしまったからですね。
こうなってしまうと、「おっ、ちょっと読んでみようかな?」とはほとんどなりません。自分も数十万、百数十万字という大作は「ちょっと読もう」ではなかなか読めません。そんな時にいいのが、「短編」ですね。これがあれば「これが「面白い!」と思えた方でしたら、ちょっと長いですがこちらもどうぞ!」と言えますしね。
これは長編を書いている人の利点ですが、もちろん新しく書く方にも。
それは「この作者さんはこれだけ面白いものが書けるんだ!」と読者の方に示せるということですね。ここで感想や評価をしていただいたなら、長編を書き始めたときにもだいたい「○○を読んでました! 長編も期待してます!」の感想をもらえますしね。もちろん、作品を連載、更新する大変さを学ぶという意味でもいい練習になるかと。
この暁様にはこういった短編作品がまだまだ少ないかな、と思うのですよ。
とまあ、そんなことを思いながら書いてみた「キリトえっち」。楽しんでいただけたのなら幸いです。そして「へえ、こんな考え方もあるんだ」という風にほんの少しでも勉強になる……あるいは考えることがあれば(もちろんそれは「いや、これは違うと思うぞ」という批判の思考でも大成功です!)、つらつらと長文を書いたものとしてうれしい限りです。
では、このあたりで失礼いたしますね。皆さんが楽しい二次創作、オリジナル創作をこの暁様で快適に作り、書き、読むことを願っております。
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