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ヘタリア大帝国

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TURN131 二度破られるものその一

                  TURN131  二度破られるもの
 オフランス軍は今も厭戦気分に満ちていた、彼等の国で戦うのだがそれでもだった。
 布陣してもだ、嫌そうにこう言うのだった。
「直接エイリスに行けばいいのにな」
「全くだよ」
「何でこっちに来るんだか」
「迷惑な話だな」
 戦争をあからさまに嫌がっていた、彼等は戦争をするつもりは全くなかった。それで今も嫌々布陣していたのだ。
 将兵もこうなら国王もだ、ルイ八十一世はヒステリックな声でこう大臣達に言っていた。
「よいか!オフランスの全ての星はだ!」
「はい、非武装宣言ですね」
「若し枢軸軍が来れば」
「そうだ、そのまま迎えろ」
 一切戦うなというのだ。
「銃一つ持ってはならん」
「わかりました、それでは」
「このパリもまた」
「当然だ」
 王都パリもだ、当然だというのだ。
「一切手出しをするな」
「はい、わかりました」
「このベルサイユ宮殿もですね」
「近衛兵達は置いてもだ」
 それでもだというのだ。
「一切だ、いいな」
「抵抗はしないのですね」
「ただ略奪だけは許さずに」
「枢軸軍にも伝えるのだ!」
 ルイ八十一世はここでもヒステリックだった、その調子で言う言葉は。
「我々は無血開城するがだ」
「臣民達にはですね」
「一切手を出すなと」
「オフランスの素晴らしい文化にも手を出すなとな」
 略奪暴行は一切許さないというのだ。
「それを約束してもらいたいとな」
「かつてドクツ軍はそのことを完璧に守りましたが」
 元々ドクツ軍の軍規軍律はかなり厳しかった、そしてレーティアはさらに厳しく徹底させたのだ。その厳しさは日本の陸海軍に匹敵するまでだ。
「今の枢軸軍はそのドクツ軍もいますし日本軍が主導でしたね」
「あの鉄の軍律を誇る」
「だから大丈夫だと思うがだ」
 ルイ八十一世はそれでもだと述べた。
「しかし約束はしてもらう」
「略奪暴行破壊行為は一切許さない」
「臣民にも建物にも財産にもですね」
「芸術作品にも」
「それを守ってくれるなら喜んで非武装でいる」 
 そうするというのだ。
「ではいいな」
「はい、わかりました」
「それでは」
 大臣達も応える、そしてだった。
 オフランス政府は即座に枢軸軍に連絡を取った、総司令官である東郷はモニターに出ているオフランス王にこう答えた。
「わかりました、それでは」
「約束して頂けますな」
「我々はオフランスの臣民及び国土の安全を保障します」
 こう国王に答えたのだった。
「そのことは」
「それは何よりです」
「枢軸軍は一般市民に手を出したことはありません」
 少なくとも日本軍はだ、とにかく日本軍の軍規は厳しい。陸軍だけでなく海軍も相当な厳しさを誇っているのだ。
 だからだ、東郷もそれを当然として即答したのだ。
「では」
「お願いしますぞ」
 こうして口約束だが枢軸軍はオフランスでも略奪暴行の類は一切しないと約束した、それを受けてオフランスの全星が非武装宣言を出した。 
 またオフランス軍の士気は国土の安全が保障されたのを見てさらに低くなった、家族も家も安全ならばもう戦う理由がないと考えたからだ。
 それでだ、勝手に帰る兵達も出る始末だった。 
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