真剣で英雄(えいゆう)と恋しなさい!
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7・交流、決闘2
7・交流、決闘2
六月十日(水)
登校時風間ファミリーで変態の橋に通りかかると、何時もの如く百代への挑戦者…が、瞬札で星になってしまった、問題はその後だ。
「朝から決闘で勝利すると…弟達に絡みたくなるなぁ…んー」
その台詞とともに、一瞬で捕獲される元と大和。
「つか、何かあるとすぐこれじゃないか、百代姉」
「ねえさんは、何か無くてもからんでくるだろっ」
捕まりながらももがく二人だが、パワー差は歴然で捕まったままだ。
「くっ、あの二人がうらやましいぜ、松風いってやれ!」
ガクトが悔しそうにそういうと
「年上って年下より先に、ふk…」
「…そっか、うん今夜は島津寮、201号室に泊まろうっと」
言いかけた松風、それに答えたのは何故か悪戯っぽい笑みを浮かべた百代
「えぇ、私の部屋ですか……?」
驚くまゆっち
「あぁ、危ない部分にふれたね、これは」
とモロ
「ひらめいた、側転しながらいけば、修行に…」
「ならねーし、危ないからやめとけ」
突然言い出すワン子に、何とか抜け出した元が突っ込む。
そうしていると、リンリンといいながら、清楚が自転車でやってくる。
「あ、モモチャン、おはようー」
「清楚ちゃん、おはようー、おっぱいもんでいいかな?」
「えぇっ!」
挨拶する清楚に百代が答え
「てか、百代姉…又悪い癖が」
「っぽいな、何時仲良く?」
呆れる元と大和の問いに
「美少女に挨拶に行くのは当然だろ弟達」
と、百代。
「あ、清楚先輩、義経たちは?」
元が聞くと
「直ぐ来ると思うよ、えと八坂君だよね、義経ちゃんがいってたよ」
「何て言われてたのやら」
「親切でやさしいって、あと強いとも」
「…いや、そんなことは」
清楚の言葉に苦笑する元。
『清楚、そろそろ行かないと』
と、自転車から声。
「自転車が喋った?」
大和や皆の声が重なる
「あ、紹介するね九鬼で作ってくれた電動自転車坂道もすいすい登れるからスイスイ号っていうの」
「あぁ・・・九鬼製か、何となく納得」
「クッキーみたいなもんか?」
清楚の答えに、元が頷き、キャップが首をかしげる。
『はい、クッキーさんは、私の先輩におたります』
答えるスイスイ号。
「あ、行くんでしたっけ、引き止めちゃってすいません」
「大丈夫、それじゃまたねモモチャン」
「あぁ、清楚ちゃん」
気付いた大和の言葉に、さっとスイスイ号にのって、百代に挨拶する清楚、それに笑顔を返す百代。
スイスイ号で走りだすのを見送り
「…文学少女の割りに、動きに無駄がないな」
と、呟く元
「うん、凄い身のこなしだった」
「あの動きは尋常じゃないわね」
と、京、ワン子
「あれで運動神経いいんだよな、清楚ちゃん」
と百代
「素敵だと思うけど…謎もおおいね」
と大和が呟くと
「年上は私がダロー、うやまえばもっと可愛がってやるぞ」
と絡む百代。
そんな事をしていると後ろから声が掛かる。
「本当に仲がいいのだな、元君達は」
「はぁ、今日も朝からおいし」
義経が微笑み、弁慶は川神水を飲んでいるようだ。
「おはようさん、義経」
「おはよう、元君」
お互い挨拶し
「行きは徒歩なのか、俺たちと一緒だ」
とキャップ
「車で送迎の時はあるけど、今日は歩き」
弁慶がそれに答える。
ガクトやモロも雑談交じりに、何かあったら力を貸すとか、盗撮とかに気をつけてとか言っている。
ちなみい、与一は後を一人ゆっくりと歩いて来ている。
「あぁ…なんか、懐かしいような光景だな大和」
「言わないでくれ元、おれのMP(羞恥心)はもう0だ」
元のからかいに大和が苦笑。
そうして、学校に向かい歩き出そうとした瞬間…バイクに乗った男が突進してきて
「いっただきー!」
といいながら、義経が脇に挟んでいた鞄を奪い取る。
次の瞬間、動きは二つ…
居合い抜きで放たれたまゆっちの刀…早すぎて、百代、京以外にはファミリーでは見えなかった…がバイクを切ろうとするが、弾かれる…が、其れで少し男が揺れる。
居合い抜きが放たれると同時、こちらも反射的に伸ばした手…これもまゆっちの刀とほぼ同速…で男の襟首を掴み…細身とは思えないほどの力で、後に引っこ抜いたのは元だ。
運転手を失ったバイクはそのまま、真っ直ぐすすむ…あのままだと危ないと皆が思った瞬間、後方から一矢、其れでバイクが貫かれ転倒、地面を擦りながら停止する…どうやら後に居た与一が狙撃したらしい。。
引っこ抜かれた男は、空中に浮いた所を元が脚を腕で払い、一回転…すとんと、地面に落ちたかと思うと、するっと首に回される腕、そしてきゅっと擬音がしそうな感じに元が腕に力を込めると、こてんとひったくりの頭が下がる。
「ふぅ、人の物を取っちゃいけないって教えられたろ?」
男をおとし、鞄を取り上げた元が立ち上がる。
「てか、気絶…だよな?」
「結構出来そうだったから、一寸強めに締めたけどな」
その元に大和がといかけ、元が答える。
「そいつ、組織の人間か?」
「大和任すっ」
「ちょ、あーもう」
近づいてきた与一が、なにやら呟いているので、大和に任せつつ
「ほい、大丈夫か義経?」
「元君ありがとう、義経は大いに感激した」
そんな事を言っていると、与一が突然走り出して学校へ向かっていく。
その間にモロが警察に連絡をいれているようだ。
「油断大敵だな、道の反対側に鞄とかは持った方が良いぞ」
「すまない、義経は猛省する…よし、猛省した、今度は大丈夫だ」
元が差し出した鞄を受け取り、目を瞑ってしばし、義経が微笑む。
「ああいう所がかわいいんだよねぇ、主は」
「確かに可愛いなぁ、義経ちゃん」
脇では弁慶と百代が意気投合し
「警察に連絡しといたから直ぐ来ると思うよ」
「疾風号があれば、逃げられてもおいつけたんだけどなー」
「速さじゃ、かなわねぇな、パワーならまけねーけど」
モロ、キャップ、ガクトが言い
「でもよかったわ、荷物が無事で」
「はい、あのバイク強化されていたのか手加減したとはいえ切れませんでしたし」
「それをあの距離から、一発で撃ちぬいたね…」
「与一も大した腕前だな」
ワン子、まゆっち、京、クリスが続ける。
「って、そろそろ時間がやばいぞ学校行かないと」
時間に気付いた大和が皆を促し、皆(元以外の風間ファミリー+弁慶)が学校へ歩き出す。
「元君はすごいな、あの速さで反応できるとは」
「あー…あの男が範囲に入ったからな」
「範囲?」
「…んー、まぁ良くない感じを受けたって事だ、偶に無いか?」
「あるかもしれない、ともあれもう一度…ありがとう、元君」
「いいって、友達が困ったら助けるのは当たり前だし」
「そうか、て…待ってくれ弁慶、元君、おいていかれてる」
「ちょ、お前ら白状だぞ」
追いかけながらかけるそんな声に
「はっ、リア充にかける情けはねーな」
とガクトが答える。
その後は歩きながら、天下五弓についての話題等で盛り上がった。
3時間目が終わり休み時間、皆は既に空腹を訴えている、クマちゃんは空腹の余りシャーペンをかじってしまっていたが、大和がパンを渡し何か受け取っていた。
で、その後は何も無く昼休み、大和が屋上の隠れスポットへ向かったので元はいつもどおり学食へ、義経、弁慶と遭遇したので一緒に食事を取り、時間は過ぎて放課後。
「今日も義経は決闘か……だめっぽいな、相手が全然もってない」
校庭に出ると義経が決闘をしているのだが、初日以上に早く勝負が決まっていき、30分ほどで全員終わり、ギャラリーも散って行く。
「おつかれさま、ほい」
タオルで汗を拭いていた義経に、ペットボトルを渡しながら
「今日この人数ってことは、学内では大体終わりかな、挑戦は」
「あ、元君ありがとう、義経は感謝する…どうやらそうらしい」
受け取りつつ、じっと元を見る義経。
「………疲れは?」
「問題ない」
「そか、んじゃ」
ワッペンを外し、義経の前に置く、その上に義経が置いて…決闘の成立だ。
「武器ありの、時間制限は30分で、いいだろうか?」
「問題ない、一寸時間くれ…あと、鉄爺いるんだろ、許可くれー」
持っていた大き目のバックから、鋼色の無骨な籠手と脚甲をとりだし、装着しつつそこ等辺に声を掛ける。
「ほほほ、きづいておったのか」
「気配かくしてなかったじゃんか」
「ふむ、まぁいいこの決闘、ワシが認めよう」
鉄心がそういって、許可をだし、校庭に元と義経が立ち、構えを取る…野次馬は散った後だからか観客はほぼなし。
義経は刀を右斜め下に斜に構え、元は右手は腰に左手は顔の少し前、足は肩幅に開いて構える。
「それでは…はじめっ!」
鉄心の掛け声と共に、お互いが一歩を…義経よりも元は大きく…踏み込んで、義経は刀を下段から切り上げ、左手をひねりながらその切り上げを外に逸らす元。
逸らしなら右手を伸ばし、狙うは義経の襟元…だが、義経は逸らされた刀の方へ体を捌き、その右手をかわし…切り上げていた刀を元の左肩めがけ切り下ろす。
振り下ろされる刀を、伸ばした右手に身体を引き付けるように身を捻り、その捻りのまま右足払い…瞬間刀が左腕ぎりぎりを通過し、足払いが義経の軸足…右足…を霞め、少しバランスを崩させる。
双方今の攻防でバランスを崩し、一瞬の膠着のあと、お互いが鏡のように距離をとる、最初とほぼ同じ位置、同じ構えでにらみ合う。
「義経は感激してる、元君はやはりつよい」
「こっちも嬉しいね、予想以上だ」
お互いにそういいあって…にらみ合い、しばしどちらも動かない…いや、どちらも微妙には動いている、お互いのほんの些細な動作をみて、それに対するこちらも些細な動きを繰り返す。
先ほどの一合で判ったのは、ほぼ同程度の実力ということ、故に一歩を踏み出せない。
にらみあうなかで、義経は正眼に構え、元は両手を顔の前で軽く握り。
時間だけが過ぎていく…そして、うしろでクリスと大和の会話が小さく聞こえた瞬間。
「「っ!!」」
お互いが弾けた用に飛び出す。
正眼からの正直な、しかし速い剣閃…それを左拳で内に『弾き』つつ左半身になって刀をやりすごし、弾いた左手で義経の右手首をとって、小手を返す。
が、義経は切り下ろしの勢いを利用、返される小手に逆らわずに一回転、着地と同時に捕まれていない左手で振り向きながら一閃。
それを手を離し半歩下がって避けようとする元だが、予想より長い振りぬきに、瞬時にもう半歩下がる…刃を潰した刀と制服が少しだが擦れ、シュッと音を立て。
再びお互いに距離を取り合う。
「そこまでっ!、時間じゃ」
其処に掛かる鉄心の掛け声。
「…時間切れか」
「そうみたいだ、決着がつかず残念のような、嬉しいような…義経は複雑な思いだ」
その声に、気を沈め、お互いに一礼。
「ま、又今度だな」
「うん、そうしよう流石に義経も疲れた」
そういってお互い笑いあっていると
「義経もまだいたか?」
弁慶が校舎から出てくる所だった。
「決闘が予想以上に早くおわったんで、元君としていたんだ」
弁慶に義経が答え。
「結果は?」
「引き分け、時間切れだな」
弁慶の再びの問いに元が答える。
「へー、元は籠手とかあるとはいえ、無手だろう、やるね」
「お褒めの言葉感謝、っと」
弁慶に苦笑で答える元。
「とはいえ、そろそろ帰らないとまずい時間だな」
「そんな時間か?…あぁ、ほんとだ、急いで帰ろう弁慶、元君」
「そうだね。それじゃいこうか」
元が時計を見つついえば、義経、弁慶も時間を確認し歩き出す。
義経たちの生活のことや元の修行のこと、与一の話しなどをしながら大扇島手前まで、二人を送る…二人は別に良いといっていたが、念のためと押し切った。
二人を見送り、駆け出す元。
「(てか、最後…義経は柄の先を持って間合いを伸ばしたのか、反応できたのが奇跡だな、もっと修行しねーとな)」
そんな事を考え、川神を疾走するのであった。
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というわけで、此処らへんから風間ファミリーが居ない時にどうしていたか、とかのオリ話が増えていくとおもいます。
戦闘シーンは頭で想像しつつがんばってますが、わかりづらかったら申しわけありません。
PS.
先日の日曜に引越ししたんで、火曜は更新できませんでしたorz
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