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SAO ~青の剣士達~

作者:ルチル
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第1部 SAO
  6話 依頼

 
前書き
今回はシリカ視点ありです 

 
「この辺だよね?」

「ああ、そのはずだ」

僕達は35層迷いの森を歩いていた

「あの子大丈夫かな......」

「一応探すか.....ん?」

「兄さん?」

「モンスター反応だ......3匹とプレイヤーが1人......」

「まずいね」

僕達は走った
しばらく走った後だった
ふいに視界が開け、2匹のモンスター<<ドランクエイブ>>がいた
あの子が倒したのだと瞬時に理解する
そして、彼女のHPは黄色のゾーンに入っていた
さらに、<<ドランクエイブ>>はモーションを発動させていた

「兄さん!」

僕より早い兄さんが剣を抜き、モーションを発動させる
そのまま、<<ホリゾンタル・アーク>>を使う
その攻撃で、2匹を蹴散らした
少女のそばには水色の羽が落ちていた

「大丈夫?」

僕が声をかけると、少女は力が抜けたようにその場に座り込み

「一人にしないでよ......ピナ......」

といい、泣き始めた

「ごめんな.....君の友達助けられなかった......」

兄さんは悲しそうな声でそう告げる

「いえ....いいんです。私がバカだったから.....」

「そのアイテム......名前がついてるか?」

兄さんはそう言い出し、少女はそのアイテムをタッチする
<<ピナの心>>
そのアイテムはそういう名前だった
少女はそれを見るとまた泣き始めた
すると、兄さんが......

「まてまて......心アイテムが残ってると蘇生ができる」

「本当ですか!」

少女は目を輝かせる

「ああ。最近見つかったんだが、47層の思い出の丘というところに
使い魔を蘇生できる花があるらしい」

「47層.......ありがとうございます...レベルを上げていつかは......」

「それが、そうもいかないんだ.....使い魔を蘇生できるのは3日間だけらしい」

「そんな.....」

少女は絶望した顔になった
この顔と似たような顔を僕は見た事があった
すると、兄さんはトレードウインドウを出し、道具を出していった

「これがあれば、6~7レベぐらいは底上げできる。俺達も行くから」

「どうしてそこまで......」

少女には明らかに警戒していた
すると兄さんはこういった

「君が妹に似ているから......」

すると、少女は笑い出す
もちろん僕も

「おい!タク!」

「ごめん。キリトさん」

「私、シリカって言います」

「俺はキリト」

「僕はタクヤだよ。しばらくの間よろしくね」

「はい!」

僕達は迷いの森を抜け35層の主街区にいた
シリカちゃんはどうやら人気者みたいで、あちこちから声をかけられていた
それを、丁寧に断っていく

「人気者だね」

「いえ......たいていは、マスコット的で呼ばれるだけです」

途中、シリカちゃんがいたパーティに出会った
その中のロザリアさんって言う人が妙にシリカちゃんにいじわるを言っていたので
僕達が間に入り、なんとかその場は収まった

「どうして、あんな事言うんだろう......」

「シリカはSAOをやる前にMMOは?」

「いえ......」

「なら、覚えておいたほうがいい。こういう世界に来るとああいう奴がいるんだよ。
自分勝手な奴とかな......だけど、この世界はそんな世界とは違う......
殺人や盗みをする奴が多すぎる......」

「キリトさん......」

「俺だってそうだ........」

兄さんの顔は苦痛で悲しそうだった

「キリトさんはいい人です!私を助けてくれました」

兄さんは笑って

「ありがとう、シリカ......俺が励まされちゃったな....」

その時、シリカちゃんは顔が赤くなっていた......
そんなシリカちゃんを兄さんは不思議そうに見ていた
僕は.......『鈍感すぎだよ......兄さん.....』と思っていた

宿屋に入ると僕達とシリカちゃんはそれぞれの部屋に入っていた

「あの人だよね?」

「ああ。明日、何かが起こらなければいいが.....」

その時ノックが聞こえた

「どうぞ」

そして、入ってきたのがシリカちゃんだった

「どうしたの?シリカちゃん」

「あ、あの.....47層の事、聞いておきたいと思って....」

「じゃあ、下に行く?」

「いえ......大切な事ですし誰かに聞かれたらまずいんじゃ......」

「まあ、ここでもいいか」

兄さんはあるものを取り出す

「それは?」

「ミラージュスフィア」

兄さんはそれをタッチし
層の説明をする
しばらくたった頃だろうか、ふいに人の気配を感じた
兄さんも同じだったらしく口に指を当て、シリカちゃんを静かにさせて、ドアに近づいていた
そして

「誰だ!」

勢いよくドアを開け放つと人影が見えた

「今のは?」

「盗み聞きだな」

「え?でも、ここは....」

「聞き耳スキルを上げていれば話は別だ......もっとも、そんな奴はほとんどいないがな」

そういうと、兄さんはメッセージを打ち始める
打ち終わってベッドのほうを見ると、シリカちゃんが寝ていた

「兄さん......」

「部屋に送るのは無理だしな......このままでいいんじゃないか?」

「でも、どこで寝るの?」

「床で寝ればいい」

「そんな......」

  ◆

いつものアラームが鳴った
私はベッドから出ると、ふと気がつく
床で2人寝ていた
私は悲鳴を上げようとしたがそこでふと、昨日の事を思い出す
そうだ......私、昨日キリトさんとタクヤさんの部屋で......
そこで、私は顔を赤くしたかもしれない
そして、タクヤさんを起こす

「タクヤさん、起きてください!」

「う.....ん?おはよう、シリカちゃん」

「おはようございます」

続いてキリトさんを起こそうとするがその顔に見入ってしまった
いつもは鋭い顔で大人っぽい人だと思っていたが寝ている顔はあどけないもので
子供っぽいと思ってしまった

「どうしたの?シリカちゃん」

「いえ.....なんか昨日と雰囲気が違うなって.....」

「そうだね.....キリトさんは寝ているときいつもこんなだから」

「そうなんですか......キリトさん、起きてください!」

「う~ん......おはよう......」

「まだ、寝ぼけてるね.....」

「そうなんですか?」

「うん。キリトさん、起きて!」

「タク?」

すると、タクヤさんはキリトさんの耳元で何かを言っていた
そうしたら、飛び起きていた

「おはよう、シリカ」

「おはようございます」

その後、朝食を食べ、いざ出発というときにあることを思い出した

「私、47層の町の名前知らないや.....」

「いいよ、僕が指定するから。転移!フローリア!」


 
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