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線路は続くよ

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第二章

「鉄道会社どうだよ」
「ああ、鉄道会社だね」
「そんなに好きならな」
「そうだね、それもいいね」
「鉄道好きならいいだろ」
 友達はこう僕に言う、ラッシュ時で立っていてもぎゅうぎゅうのその中でも電車の中にいるので楽しい気持ちの僕に。
「それならな」
「それいいね」
「だろ?けれどな」
「けれど?」
「線路って何処までも続いてる感じだからな」
 ここでだ、友達は僕に考える顔でこんなことを言ってきた。
「何かな」
「そういうの嫌なのかな」
「嫌っていうかね」
「違うんだ」
「果てしないって思うからな」
「僕そういうのが好きなんだよ」
 僕はこう言った友達に笑顔で返した。
「終点はあるけれどね」
「その果てしない道を進んでいうことがか」
「うん、物凄く長いけれど先がある」
「それでその終点に辿り着くこともか」
「好きなんだ」
 子供の頃にお父さんとお母さんに終点まで連れて行ってもらってからだった、この気持ちは変わっていない。
「ずっとね」
「そうか、じゃあ余計にさ」
「就職はだね」
「まあ入社テストに受かったらだけれど」
 その時はというのだ。
「就職はそこにすればいいさ」
「じゃあ頑張るか、鉄道会社に入る為に」
「そうしたらいいさ。線路か」
「うん、電車もね」
「確かに見ているとさ」
 友達も笑顔になった、そのうえで僕に言ってくれる言葉は。
「ロマンっていうかそういうものがあるよな」
「何処までも続く感じで」
「うん、あるね」
「そうだよね、見ていると無償に感じるよ」
 そのロマンをだ。
「僕もそう思うよ」
「だからいいんだよね」
「そうだね、まあ大学には行こうかな」 
 このことも考えていた、それでこう言った。
「それからね」
「就職するとしたら」
「本当に鉄道会社目指すよ」
 僕は笑顔で友達に応えた。
「どうなるかわからないけれどね」
「そうしたらいいさ」
「うん、そうするよ」
 友達とこうした話をした、そしてだった。
 僕はこの時も鉄道を楽しんだ、そうして。
 大学には進んで卒業してからだった、国鉄に入社した。国鉄に入社してすぐに僕は車掌さんになりたいと希望を出した。
 けれどだった、このことについてはだった。
 上司の人達は苦笑いになってだ、こう僕に言ってきた。
「その意気はいいよ」
「やる気があることはね」
「けれど車掌になることは難しい」
「このことは言っておくよ」
「はい、そうですよね」
 確かな声でだ、僕も応えた。 
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