妖精の十字架
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~It ventures together④~
前書き
今更ながら…
敬語キャラおおっ(笑)
「さて・・・いきますよ!カグヤさんっ」
「いく・・・?蜘蛛が来てるのに・・・?」
調子が狂う…
ナイトは溜め息をついた
しかし、カグヤは良くわかっていないようだ
「っとと、ナイトさん、カバーお願いします。私、召喚中は動けないんで」
「分かりましたっ、先制は任せます!」
カグヤはてをかざし植物を召喚し始めた
「きしゃっ!!」
「うるさいですねー・・・牙よ斬り裂け!デンス!」
葉の付いていない巨木が地面から生え、鋭い枝が蜘蛛に牙をむく
その動きは実に精密で本当に意思があり、自由に動いているかのようだ
「キシャッ」
しかし、蜘蛛に木は相性が悪いようで、幹を伝って蜘蛛が駆け降りてきた
「ふふっ、ナイトさん!」
その声に反応し、ナイトは貯めておいた魔法弾を両手から木を這う蜘蛛目掛けて打ち出した
魔法弾は一直線に吸い込まれるように蜘蛛に直撃した
「くっ・・・まだ外が明るすぎますか・・・」
「あ、ナイトさん夜行性ですもんね。威力でませんか?」
夜行性、間違いではないが、どこか違うのを突っ込むことをぐっとこらえ、ナイトは巨木ごと吹き飛ばした蜘蛛を探した
と・・・
「キシュシュシュゥゥ!」
突然、二本の蜘蛛の糸が飛んできて、ナイトとカグヤの体を縛り上げた
「くっ!ナイトさん!」
「少し時間かかります!自分で解けますか!?」
「大丈夫です!」
それだけ聞くとナイトは、カグヤに自分で糸から脱出するよう告げた
そして
「少し賭けにでます!夜の支配ッ!!」
とたんに、ナイトを中心に闇が広がりカグヤ、蜘蛛、ナイトを取り込んだ
「ナイトさん!?真っ暗です!?」
「えぇ!蜘蛛に位置を気取られる前に脱出を!」
カグヤはようやく状況を察して、一本のとがった小枝で体を縛る糸を切り裂き蜘蛛に位置を悟られる前にその場からいどうした
ナイトも、魔法でなんとか脱出する。ナイトがつかった魔法のため、ナイト自身は周りの様子ははっきりと見えている
「カグヤさん、続いて攻撃してください。静かなる暗殺・・・っ!」
ナイトが小さくつぶやくと、地面、否、空間が震えだして徐々に蜘蛛の位置目掛けて真っ暗の空間が収縮していく
暗闇が蜘蛛の体に触れるその刹那――
「覇ァア!」
今まで貯めた魔力が弾け、爆音と爆風とともにあたりが晴れる
「キシャアアン」
蜘蛛の断末魔の叫びを無視してカグヤは攻撃を開始する
「爆破せよ!ボルス!」
地面に無数の小さな魔法陣が展開され、そこから紅い身を宿した沢山の花が咲いた
その花、一見綺麗で無害だがかすかに臭う火薬のにおいが危険な香りとなっていた
「全ての花よ、奴を討ってください!」
「キシュルルルルルッ!」
蜘蛛は本能で不利だと悟り、慌てたように上に飛び上がり花目掛けて糸球を打ち出す
いくつかの花に球は直撃して花が駄目になったがそれでもまだまだ花は咲き乱れていた
「植物、意外と強いんですよ?」
一斉に紅い身が放出されて、マシンガンのごとく蜘蛛に降り注ぐ
その身が蜘蛛に全て当たり、大爆発・・・・
とはいかず、蜘蛛の全身にくっついておわった
「えぇと・・・カグヤさん?」
てっきり爆発だと思っていたナイトは恐る恐る訪ねた
「おわり・・・でしょうか」
カグヤも遠い目で明後日を見つめた
「・・・不発、でした」
「キッシャシャシャシャアアアアアア!」
蜘蛛もナイトと同じように爆発を信じていたようで、余裕の表情を取り戻し獰猛な牙をむき出しにつっ込んでくる
ナイトは、なんとか気を取り戻し臨戦態勢をとり、蜘蛛の突進に対抗する
「く・・・僕を守れ!夜の星空!」
ほんの数秒ずれれば当たっていただろう突進をなんとかよけ、体制を立て直すため蜘蛛を吹き飛ばしにかかる
「夜の・・・咆哮!!」
ナイトの口から真黒、いやところどころに光る粒がみえる方向が放たれた
ナイトは滅竜魔道士ではない。だが、見よう見まねで咆哮を覚えさらに自分のものにするという滅竜魔道士もびっくりのことを成し遂げていたのだ
「キシャッ!?」
至近距離から咆哮を受けた蜘蛛は大きく後方に吹き飛び、体制こそ乱れなかったものの深手を負った
「・・・ナイトさん、なにをそこまで戦っているのですか?」
「へ?」
「今よ・・・エポドス!」
と、蜘蛛の体に付着していた身が全て、膨大な熱気を放ちながら大爆発を引き起こした
その爆発のあと、蜘蛛が動くことはなかった
「どうしてすぐに爆発させなかったんですか!?」
「ドッキリです」
「ドッキリぃ!?」
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