大ピンチ
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第三章
「もうちょっとね」
「我慢するの?」
「そう、本当にもう少しだけ」
「今度こそ大丈夫だよね」
「そうよ、だからね」
こう言って建太君に我慢してもらうのでした。そうして。
待っているとです、遂に。
おトイレが開きました、それで建太君に言うのでした。
「一人で出来るわよね」
「うん、出来るよ」
このことは大丈夫なのです、それでなのでした。
建太君はすぐにおトイレに駆け込もうとします、ですが今度は。
コンビニの店員さんが来てです、それで二人に言って来るのでした。
「あの、申し訳ないですけれど」
「どうしたんですか?」
「今から掃除はじめるんですけれど」
見ればその両手にお掃除の道具を持っています。
「出てくれます?」
「あの、もう息子が我慢出来なくて」
だからだとです、理子さんは店員さんに言うのです。
「ですから」
「待って欲しいんですか」
「少しだけ、お願い出来ますかか?」
「ううん、そうですね」
店員さんもそう聞いてです、少し困った顔になりましたすぐに納得した顔になってこう答えてくれました。
「じゃあどうぞ」
「すいません、それじゃあ」
「いやいや、はじめる前でしたし」
だからだとです、笑顔で答える店員さんでした。
「いいですよ」
「本当にすいません」
「こういうことって誰にもありますしね」
この世の常です、誰もがあることだからだというのです。
「仕方ないですね」
「少しだけお願いします」
こうしてなのでした、建太君はやっとうんちをすることが出来たのです。
それから百貨店に行ってそのうえでお買い物をしました、それで夜にお仕事から帰ったお父さんの正一郎さんにそのことをお話しますと。
お父さんは建太君に笑ってこう言うのでした。
「お父さんも何度もそうしたことがあるぞ」
「お父さんもなの」
「ああ、うんこがしたくてもな」
それでもだというのです。
「出来なくて我慢する時はな」
「あるんだ」
「誰だってあるぞ」
「お母さんも言ったでしょ」
理子さんもここで建太君に言います。
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