転生とらぶる
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スーパーロボット大戦OG外伝
0539話
サマール島の南にあるサヤウ島。俺は現在そこへと向かってニーズヘッグを飛ばしていた。
とは言っても、コンピュータにある情報で確認する限りは同じフィリピン内の島だ。ニーズヘッグの速度を考えればそれ程速度を出さなくても、数分と掛からずに辿り着く。
「辿り着いたのはいいんだが……」
思わずサヤウ島の上空で呟く。
確かにフィリピンの中だとそれ程大きくない島ではあるんだが、だからと言って向こうを見つける訳にも……
そう思った瞬間、T-LINKシステムを通じてこちらへと近付いてくる存在を感知する。
「なるほど。まぁ、確かに交渉に来たからといって修羅神を持ってこないとは限らないか。特に修羅の実質的なNo.2ともなれば尚更に」
ちなみに、名前だけのNo.2がミザルだな。
こちらへと空を蹴るかのように近付いてくるのは、赤いケンタウロスとも言える機体だ。その機体色はニーズヘッグと似てはいるが、より炎に近い紅蓮の赤とでも言うべき色をしており、ニーズヘッグの名前通りに赤黒いと表現してもいいような赤とはかなり違う。
そして同様に、機体から発せられる威圧感とも言うべきものも、さすがに修羅王に次ぐ強さを持つ男の乗る機体だと言えるだろう。
機体の大きさは人馬型である為にシトリーよりもさらに大きく、ニーズヘッグの2倍以上は確実にある。その大きさにも関わらず、鈍さの類を感じないのはさすがと言うべきか。
「……下で話そう」
「了解した」
アルティスの機体であるマルディクトからの通信にそう返し、機体を地上へと降ろして言う。
周囲は幸い一面の草原であり、近くには街や村といった物もないので連邦軍に通報される可能性も少ないだろう。
ツイン・ドライブを使ってフワリと地面へと着地したニーズヘッグの隣に、これもまたマルディクトが着地する。
……さて。こっちから協力を要請する手紙を出したんだから、顔を出すのもこちらからの方がいいか。
そう判断し、コックピットを開けてニーズヘッグの機体を伝って地上へと降りる。
だが、同時に向こうも同じような事を考えていたのか、マルディクトのコックピットが開いてアルティスが機体を伝って地上へと降りてくるのが見えた。
機体の大きさの分だけ俺の方が地上へと着地するのは早く、その数秒後にはアルティスもまた地上へと降り立つ。
『……』
そのままお互いに無言で歩み寄り、やがて拳の間合いに入った所で初めてアルティスが口を開く。
「アルティス・タールだ」
「アクセル・アルマー」
お互いに相手を観察するような視線を交わし、やがて口を開いたのはアルティスの方が先だった。
「以前メイシス配下の者に手紙を持たせたのはお前で間違い無いな?」
「ああ。その様子だときちんと手紙の内容は読んで貰えたようだな」
「……確かにあの手紙には色々と興味深い内容が書かれていた。例えば我等修羅の故郷となり得る星の件、あるいはミザルが修羅王の地位を狙っている事。……そして、殆ど知ってる者がいない筈の私の病についても仄めかされていたな。……それを全て承知の上で尋ねさせて貰おう。お前は一体何者だ? 何故我等修羅の事をあれ程までに深く知っている?」
その鋭い目付きは、病に侵されている者だとはとても思えない程に鋭いものだ。
だがこちらとしても退く訳にはいかない以上、黙ってその視線を受け止める。
「さて、お前達修羅の安住の地と言える場所が既に用意されている。それ以上に必要な事実はあるのか?」
「無論だ。例え私がお前を信じようとも、それが偽りではないと誰が断言出来る? もしお前がこの星を支配している者達に従っているとしたら、それは我等修羅をどうにかする為の策略ではないかと疑うのは自然ではないか?」
「まぁ、確かにな」
アルティスの言いたい事は分かる。俺にしても自分達の内情を知っており、それに自分達が攻め込んでいる先の勢力が手を差し伸ばすなんて真似をされたら、疑うなと言う方が無理だろう。
「もちろんお前を実際にその星へと連れて行くのは不可能ではない。……だが、もしそれを行うとしたら、それはお前が修羅の名に掛けて俺達に協力すると明言してからでないと無理だがな」
「ふっ、無茶を言う。そもそも、その協力出来るかどうかを判断する為にこそまず実際にお前が提供出来る場所があるかどうかを確認してからではないとどうにもならん」
「……1つ間違いを訂正しておこうか。こちらが用意するのは開拓、いわゆるテラフォーミングをする必要性のある星だが、これは別にお前達だけの物になる訳では無い。それ程数は多くないが、他の勢力もそれなりに存在している」
現時点で判明しているのが魔法界の者達。そしてまだ話は纏まっていないが可能性としてSEED世界のコーディネーター。さらには他の世界から移住を希望する者達がいる可能性もある。
「それならば尚更だ。その星を見てからでないと判断は出来ん。何よりも、お前の手紙に書いてあった通りにこれまでの修羅の掟を捨て、新たな修羅の秩序を作りあげるとなると修羅王であるアルカイド様を裏切らなければならないのだから」
「……アルカイドとやらが最も修羅を体現している存在である事は知っている。だが、なら聞きたい。既に先の見えている修羅達をこれから導くのは、これまで通りの修羅のやり方でいいのか? その結果、お前達はかつて存在していた世界からこの世界へと逃れてきたのだろう? 何故同じ事を繰り返そうとする?」
図星だったのだろう。あるいは、アルティスの中で幾度となく繰り返されてきた疑問であったのか。修羅の行く末を憂いており、修羅の新たなる道を探し求めていたアルティスだ。当然その疑問は幾度となく心の中で繰り返してきただろう。そして原作で最終的に選んだのは修羅王のアルカイドに付き従うという道だったのだ。
だが、この歴史では違う。新天地……と呼ぶにはちょっと厳しいが、それでも十分に住む為の地域を提供出来る用意があるのだから。
「……それは……」
「お前が恐れているのは何だ? お前自身が修羅の先頭に立つ事か? それとも、もしそうなった時にお前の病が悪化して途中で投げ出す可能性がある事か?」
「ぐっ」
俺の言葉に息を詰まらせるアルティス。
原作で最終的にアルカイドに付き従う道を選んだのは、己の病というのも少なからず影響していた筈だ。それが俺達に協力すれば、完治……かどうかは分からないが、少なくても今よりは大分マシな状況になる。
何しろ修羅は技術的には轟級修羅神以上の修羅神は既に作り出す事すら出来無いほどに技術レベルが落ちているのだ。
元々の世界で手に入れたソーディアン、修羅達の言う転空魔城にしてもその為に碌に解析出来ておらず、それが結果的にデュミナス達が幅を利かせている原因になっている。
「どうする? 俺達に協力をすると言うのならその病を癒せる可能性も高いし、新天地を与える事も出来るだろう。だが、その場合は手紙に書いたように修羅としての生き方を捨てざるを得ないとだけは言っておこう」
「……私がここでお前から力尽くでその新天地を聞き出し、あるいは治療させるとは思わなかったのか?」
「ふんっ、お前程の腕だ。お互いの力量くらいは読めると思うが?」
その言葉に、アルティスは大きく息を吐く。
「そうだな。もし私のこの身が病に侵されていないにしても、恐らくお前と生身で戦って勝てるとは到底思えん。……だが、私はこれでも修羅なのだ。閃光のアルティスと呼ばれている程のな。故に……もし私の協力を得たいと言うのなら、まずはその実力を見せてみるがいい!」
結局は一戦交えなければどうにもならないか。この辺は何だかんだ言っても修羅ではあるんだよな。拳を交えて相手を理解するとか。
「……いいだろう。お前がそれを望むのなら、俺としてもそれを受けて立つとしよう」
「ありがたい。だが戦う前に言っておくが、この戦いに勝ったとしても修羅を率いているのはあくまでも修羅王のアルカイド様だ。あの方を倒さなければ多くの修羅は私に従うような真似はしないだろう」
「だろうな。だが、お前の協力がある時点でその後に色々とやりやすくなるのも事実だからな」
「なら……」
「ああ……」
お互いに視線を交わして小さく頷く。
『この続きは戦いが終わってからとしよう』
そして同時に口を開き、同じ言葉を発してそれぞれ己の機体のコックピットへと乗り込む。
「さて、ここまでの対応はある意味では予想通りではあるが……」
呟き、シロガネへと通信を入れる。
『アクセル? どうだったの? その様子だと罠とかではなかったようだけど』
「ああ、目的の人物がきちんと来ていたよ。ただ、やっぱり修羅なんだろうな。まずは戦って力を見せろという事らしい」
マリューの言葉に小さく肩を竦める。
『……大丈夫なの?』
「心配するな。お前達が作ったこの機体がそうそう負ける筈が無いだろう? ただ、少し騒がしくなるかもしれないから、他の奴等にその辺を知らせておいてくれ。特にイザークやムラタ辺りはこっちに向かいそうだしな。それと、イスルギ重工を通して連邦軍にもだ。この辺で戦闘が起きて連邦軍に発見されて、その結果介入されたりはしたくないからな」
『分かったわ。すぐに連絡を取るから。……気を付けてね』
「ああ。そう時間は取らせないだろう。それにマリューやレモン、コーネリアがいる以上俺は無敵だよ」
不意を突かれたのだろう。ほんのりと頬を赤くするマリュー。
『もうっ、馬鹿な事を言ってないでさっさとやる事をやったら戻ってきなさい』
そんな照れたマリューが少し頬を膨らませて通信が途切れる。
マリューとのやり取りを思い出しながら機体のチェックをしていく。
そしてそれと同時にマルディクトからの通信が入る。
「準備はいいかな? 恋人との最後の別れになるかもしれないが」
「ふんっ、そっちこそこの場に恋人を連れてこなくても良かったのか? もちろん殺さないように手加減はするが、事故というのはいつ起きるか分からないんだぞ?」
「……ふっ、お前はつくづく不思議な男だな。知らない、知られる筈が無い、そんな出来事をよくも知っている」
面白そうに笑みを浮かべるアルティスの言葉を聞きつつ、ニーズヘッグの状態をチェックしていく。もちろん技術班や量産型Wからの整備を受けているこの機体に特に問題は無い。
俺の戦意を感じ取り、念動力がT-LINKシステムを通してヒュドラを6枚とも展開する。
「ほう、美しい機体だ。まるで6枚の羽根のような。……では、参るぞ!」
その言葉が開戦の狼煙だったと言ってもいいだろう。まずは手始めとばかりに、マルディクトはその拳に炎を作り出すと、こちらへと飛ばしてくる。その数2つ。
だが……
「その程度の攻撃、挨拶代わりにもならないぞ!」
ヒュドラの左右前方に組み込まれているランツェ・カノーネのトリガーを引き、2つの炎弾をビームの中で消滅させる。
「さて、次はこっちの番だ。この程度の攻撃でダメージは受けてくれるなよ!」
同時にT-LINKシステムを通して左真ん中のヒュドラを操作してT.T.ランチャーを発射する。銃口から伸びたビームは一直線にマルディクトへと向かい……
「先程貰った言葉と同じ言葉を返そう。この程度の攻撃、挨拶代わりにもならん!」
その言葉と共に、4本の足で地を蹴って真横へと飛ぶマルディクト。
だが、それこそ甘いっ!
マルディクトの存在していた場所を通り過ぎていったビームは、俺の念動力によりその軌道を曲げて大きくターン。そのまま回避した筈のマルディクトの後方から襲い掛かる。だが。
「何っ!?」
修羅としての勘か、はたまた覇気の力なのか。自分の背後から再び襲ってきたそのビームに、両手の拳に炎を宿してそのまま振り向き様に裏拳気味にビームその物を弾く。
ちっ、ビームを素手で弾くか。いや、素手と言うよりはあの炎のおかげか。
「……随分と奇妙な手品を使うな」
「ふんっ、素手でビームを弾くなんて曲芸をやるような奴には言われたくないがな」
「ふっ、確かにお互い様か。……なら、挨拶代わりはこの辺で終わりとして」
「ああ。そろそろ本気で行かせて貰おうか!」
吐き捨て、マルディクトは人馬型の特性を活かすべく地を蹴り間合いを縮め、俺はそうはさせじと腹部の拡散ビーム砲を放つのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:40
PP:415
格闘:270
射撃:290
技量:280
防御:280
回避:310
命中:330
SP:478
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
ギアス(灰色)
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
撃墜数:470
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