ヘタリア大帝国
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TURN129 コアその二
「宝石も金時計もな」
「貴金属を強盗するだけでなく乗員全てを殺そうとするなんて」
「盗んだ奴をぶっ殺すのが俺の流儀なんだよ」
キングコアは平然として己の悪事を話す。
「だから当然だよ」
「それで私を殺そうともしたのね」
「しくじったがな」
それでも襲ったことは認める。
「あんたをバラせなかったのは残念だったな」
「生憎ね、私も生き残ってね」
「今ここにいるのかよ」
「暫く海賊をしていたわ」
ヒムラーやカテーリンと結びながらだ、レッドファランクスとして海賊行為をしていた時のこともキングコアに言う。
「そして今は日本軍にいるわ」
「成程な」
「色々聞きたいわね、どうして機械の身体なのかしら」
スカーレットはキングコアにこのことを問うた。
「今の貴方は」
「そのことは私が」
ここでドロシーが出て来て一同に話してきた。
「お話します」
「ドロシーが?」
「どうしてドクツにあの計画が渡ったかわからないけれど」
「うん、そうだな」
アメリカもここで言う。
「カナダに場所を借りて研究していたんだが」
「機械の軍、人造人間の軍を」
ドロシーは話す。
「その軍を計画していたの」
「それでかなり開発していたんだがな」
「犯罪者、死刑囚の脳を人造人間の脳に使うことも案にあったわ」
「僕達は流石にそれは、って思ったんだけれど」
ドクツでは実行に移されていたのだ。
「まさかこうしてな」
「ドクツで見るなんて」
ドロシーも想定していなかった、このことは。
そしてだ、夕霧を見て言うのだった。
「夕霧の様に人工知能を搭載しようかという考えに傾いていたわ」
「私みたいに、ですか」
「それがいいだろうということで」
「死刑囚は犯罪者だからね、使うととんでもないことになりかねないだろ?」
アメリカ妹も言う、
「それでそうしようかっていう時にね」
「枢軸軍にカナダを占領されて」
計画が消えた、ドロシーは話す。
「計画のデータは全て破棄した筈なのに」
「ヒムラーが密かに入手していたんでしょうね」
キャロルがここで口をへの字にさせて述べた。
「それで今あいつ等があたし達の目の前にいるのよ」
「何時の間に」
ドロシーも総力を挙げて秘匿にしていた、それを何故ヒムラーが知っていて破棄していた情報を手に入れたのか、そこが疑問だった。
「そんなことが」
「親衛隊はね、桁外れの情報収集能力があったのよ」
グレシアがいぶかしむドロシーにこのことを話した。
「それこそ各国の国家元首のプライベートの些細なことまでね」
「知っていたの」
「ヒムラーは情報収集の天才でした」
彼と士官学校で同期だったロンメルの話だ。
「そのことについては誰も足元にも及びませんでした」
「秘密警察の才能もあったと」
「はい」
その通りだとだ、ロンメルはそのソビエト秘密警察の長官であるゲーペにも答えた。
「相当な」
「だからですか」
「そうしたことも出来たのでしょう」
ドロシーの計画を入手することもだというのだ。
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