MS Operative Theory
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MS戦術解説
宇宙要塞攻略➁
——制圧か破壊か目的による二つの攻略法——
通常の宇宙要塞攻略の目的は要塞の制圧であり、その場合、要塞制圧部隊、特にMS部隊をどのようにして上陸させるかが勝敗を決するカギとなる。いかに強固な防御力を持つ宇宙要塞でも、内部に侵入された場合は限られた防衛手段しかなく、陥落は時間の問題となる。
だが、宇宙要塞は駐留艦隊とMS部隊、さらに全周囲に渡る防御火器を持っていることが多く、内部への侵入には、これらを突破、もしくは撃破する必要がある。
また、ほとんどの場合において駐留艦隊との間で砲撃戦が行われるため、防御側だけでなく攻撃側も甚大な被害を受けることになる。
陽動で駐留部隊を誘い出した後、工作部隊を怒りこみ破壊工作を行うという手段もあるが、陽動に気が付いた敵艦隊に挟撃される可能性や、要塞の規模の問題などもあるために積極的には採用されず、最終的には正面決戦を強いられるケースがほとんどである。
宇宙要塞の攻略には奇策は通じにくく、大戦力による正面突破が最良の攻略法というのが、宇宙世紀の戦術上の常識とされいている。
——宇宙要塞の攻略・制圧の手順——
宇宙要塞攻略の基本的な方法は、ビーム撹乱膜によって要塞からの攻撃を無効化し、ミサイルなどで攻撃、そしてMS部隊を突入させるというのが一般的な方法とされる。
しかし、攻撃側は要塞に接近する必要があるため、地上拠点の攻略に比べると大きくなる。このため、ソーラ・システムなどの広域破壊兵器も使用による短期決戦や、駐留部隊の攻撃をひきつける囮部隊などが投入されるケースも見られる。
➀ビーム撹乱膜の展開
まず、ビーム撹乱膜が展開される。要塞に設置されたメガ粒子砲などから艦隊を守るためだが、攻撃側のビーム砲も効果を失うため、広域破壊兵器の準備やMS部隊突入までの時間稼ぎに使われることが多かった。一年戦争後は要塞攻略の必要性が薄れたためか使用されなくなった。
➁要塞や敵艦隊への攻撃
撹乱膜の展開後、艦隊から要塞の砲台や港湾、敵艦隊に対しての攻撃が行われる。要塞に接近する道を確保するためで、撹乱膜の影響を受けないミサイルが多用される。敵迎撃部隊を排除するためにMS部隊が出撃したり、広域破壊兵器で要塞と敵部隊の両方にダメージを与える場合もある。
➂MS部隊の要塞接近
要塞や敵艦隊の反撃が低下した時点で、上陸を目指すMS部隊が接近する。この際、敵MS部隊との戦闘が発生するが、ほとんどの場合が混戦となる。混乱に乗じて主力艦隊が接近を行うケースもある。
➃要塞の制圧
MS部隊が要塞に上陸、もしくは侵入した時点でほぼ勝敗は決定する。この後、指令所などの重要施設を占拠することで制圧が完了。要塞内部はMSが活動できるよう広くなっていることが多く、内部の制圧にもMS部隊が投入される。
——制圧と破壊、要塞攻略の二つの方法——
■ソロモン攻略戦—————制圧
➀ビーム撹乱膜の展開
サイド4の残骸を通過した連邦艦隊は、並列陣形を採りソロモンに接近。先陣を切ったのはビーム撹乱膜の展開を任務とするパプリク突撃艇部隊で、濃密な耐ビーム防壁の構築に成功した。ソロモン側が優勢な状態で、連邦艦隊が全滅を免れたのは、これによるところが大きい。
➁ソロモン、連邦軍艦隊への攻撃を開始
撹乱膜の展開後、連邦艦隊はソロモン要塞とそこに駐留する公国艦隊へ、ミサイルを中心とした攻撃を開始。ソロモンは素早い対応を見せたが、ビーム撹乱膜に気付くまでのタイムラグや、公国艦隊が要塞から離れてしまったこともあって、要塞の火力を生かすことができず、連邦艦隊の前進を許した。
➂ソーラ・システムの照射
サイズ1宙域に展開中だった連邦主力艦隊が、広域破壊兵器「ソーラ・システム」を使用。公国軍は主力艦隊の存在に気付き、衛星ミサイルによる迎撃を試みたが、ソーラ・システムの照射のほうが早く、一撃でソロモンの第6ゲートは消滅。連邦軍の勝利は決定的となった。
➃ソロモンの制圧完了
戦力の大半を失ったソロモンでは、公国軍が脱出を開始した。ほぼ同時に連邦軍MS部隊もソロモンに上陸、内部に突入した。ここでドズル・ザビ中将の操縦する巨大MAビグ・ザムが出撃し、連邦軍艦隊の足止めを行った。この結果、公国軍残存部隊は脱出に成功したが、ビグ・ザムは撃破されソロモンは制圧された。
▼艦隊突入型要塞攻略への対処法
艦隊を投入した宇宙要塞の攻略を阻止するには、周辺宙域の監視体制を強化し、敵艦隊の動きを事前に察知する必要がある。
敵艦隊が分散して接近している場合、通貨が予想される暗礁宙域で奇襲を行うか、広域破壊兵器などを使用し要塞に到達する前に適戦力を減らしておかなくてはならない。要塞に到達された場合は、要塞の火力支援を受けられるエリアに艦隊やMS部隊を展開し、常に支援攻撃を受けられるようにする。
■「ゼダンの門」攻略作戦—————破壊
➀アクシズの移動
エゥーゴ&アクシズ連合軍は、ティターンズの宇宙要塞「ゼダンの門」を破壊し、ティターンズ艦隊にダメージを与えるため、小惑星アクシズを「ゼダンの門」に衝突させる作戦を展開した。これを察知したティターンズは「ゼダンの門」からの部隊の撤退作業を開始した。
➁エゥーゴMS部隊の敵部隊への迎撃
ティターンズ艦隊の離脱を阻止するため、エゥーゴMS部隊が「ゼダンの門」の各港湾施設に対し、攻撃を開始。穴から出てくる敵艦を迎撃する様子からエゥーゴのパイロットはこれを「モグラ叩き」と称した。これによりティターンズの撤退作業は大幅な遅れを余儀なくされた。
➂各艦隊、「ゼダンの門」宙域を離脱開始
ティターンズ艦隊の足止めに成功したエゥーゴは、アクシズの「ゼダンの門」接近と共に離脱を行った。エゥーゴの攻撃が中止したことにより、ティターンズも主力艦隊を「ゼダンの門」から脱出させ始めた。
➃アクシズ、「ゼダンの門」に衝突
各艦隊は「ゼダンの門」宙域からの離脱を進めるが、遂にアクシズが「ゼダンの門」に衝突した。この結果、「ゼダンの門」が完全に破壊されたほか、飛散した岩塊の直撃を受け、ティターンズ艦隊の多くが失われた。これによりティターンズは要塞と艦隊の一部を同時に喪失することとなった。
▼大質量衝突戦法への対処法
宇宙要塞と同等の質量をもつ、小惑星の衝突を回避するのは極めて困難である。数少ない手段として、小惑星に装備されている核パルス・エンジンでコースを変更することもできるが、敵もそれを警戒して大規模な防衛部隊を展開しているケースが多いため難しい。
実際にはアクシズが「ゼダンの門」に衝突したときのように、要塞から撤退するのが一番の安全策だが、タイミングが遅いと衝突の余波によって大きな被害を受ける。
後書き
次回 集団戦―――地上拠点攻略編
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