| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

森の中の寝具

作者:haluk
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
< 前ページ 次ページ > 目次
 

森の中で

 僕は真っ白いベッドの上にいた。太陽の光で目を覚ます。そこには青々とした木々と真っ青な空が広がっている。
 ふと起き上がると、そこには淡い水色のワンピースを着た金髪で緑色の目をした少女が立っていた。こちらを不思議そうに見つめ、僕と目が合うとハニカミ、手招きする。
 こちらに来てほしいのだろうか。僕はベッドから降りた。
 ここから思いもしない体験をするとは・・・
 この身に覚えのないベッドの前で起きる前の僕のちょっとした人生を振り返ろうと思う。
 まず、名前はハルキ。年齢は22歳。1991年4月15日生まれ。牡羊座だ。性格を一言でいうと「明るい!」が最適だろう。
生まれはとある田舎町。地元で一番大きな建物といえばセルフのガソリンスタンドだ。何の変哲もない小さな田舎町。ここで僕は育った。
地元の幼稚園に入園し、地元の小中学校に入学し、隣町の高校に入学。そして、県外の大学に入学し、華の大学生になった。んで、今、大学4年生と言ったところだ。
今は「就職氷河期」とも言われていた。僕は今、そのまっただ中。困ったものだ。
そんな中、この身に覚えのない森の中で一人の少女に出会った。

少女に手招きされるがまま、僕は後についていく。
「ねぇ?これからどこに行くんだ?というかキミの名前は?」
少女は笑顔で振り向き答える。
「行き先は秘密。名前はハンナ。あなたの名前は?」
ハンナか。この子にぴったりの名前だな。と僕は思い、答える。
「名前は、ハルキ。よろしく、ハンナ。」
「よろしくお願いしまーす。」
と、ハンナは「にこっ」とした。
それから、これといった会話をすることもなく黙々と歩き続けた。あれから三時間ほど経っただろうか。だんだん日も暮れてきた。いつまで歩き続けるのか、とため息をついたときずっと黙っていたハンナが口を開く。
 
< 前ページ 次ページ > 目次
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧