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ヘタリア大帝国

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TURN126 グスタフラインその十二

 その中にはギガマクロもいる、東郷はとてつもない量のパスタを豪快に食べる彼にこう問うた。
「酋長の調子はどうだ?」
「この通りだ」」
 今度はワインをボトルごとラッパ飲みしての言葉だ。
「飯も酒も美味いわ」
「絶好調だな」
「ああ、そうだ」
 その通りだというのだ。
「アルプスでの戦いもやらせてもらう」
「頼むな、もっともな」
「アルプスではか」
「戦いにはならないな」
 レーティアの言う通りになる、東郷もそう読んでいた。
「多分だがな」
「ふむ、そうか」
「ドクツ軍と戦うことはない」
 レーティアの国の軍とはというのだ。
「一戦も交えずにだ」
「終わらせられるか」
「ドクツ軍が降伏すればその周辺の国も戦う理由がなくなる」
 今もど靴の衛星国となっている東欧や西欧の諸国もだというのだ。
「後はオフランスとエイリスだけだ」
「早いのう、そこまでいっておるか」
「ああ、戦いは最後の正念場のうちの一つだ」
 一つがドクツ戦、そしてもう一つがエイリス戦だというのだ。
「両方に勝つさ」
「勝って終わらせるか」
「この戦いは勝ってこそだ」
 政治的にだ、勝たねばならないというのだ。
「それで日本も何とかなる」
「長かったのう、わしと御主が一緒になってからも」
「そうだな、それで酋長は戦後はどうするんだ?」
「ハワイはガメリカ領のままだ」
 このことは変わらないというのだ。
「だがミクロネシアやソロモンつまりトンガはな」
「酋長が国家元首に戻るんだな」
「うむ、そうなる」
 二つの星域の酋長になるというのだ。
「戦後はな」
「そうか、ガメリカも植民地を放棄したからな」
「今もそうなっているが正式にはな」
「戦後だな」
「全てはな」 
 そうなるというのだ。
「だからわしも勝ってからだ」
「そういうことだな、酋長の方もな」
「うむ、ではアルプスだな」
「ああ、行こうな」
 東郷はギガマクロの向かいの席に座った、そのうえで言うことは。
「今食べているパスタはペスカトーレか」
「うむ、やはり本場は美味いな」
 シーフードのパスタだ、海に生きている彼らしかった。
「幾らでも食べられる」
「そうか、じゃあ俺もな」
「あんたもペスカトーレか」
「それをもらうな」
「唐辛子や大蒜もきいていて美味いぞ」
「そこがイタリンだな」
 東郷も本場のパスタに満足していた、やはりイタリンのパスタは違っていた。
「じゃあそれをな」
「うむ、一緒に食おうな」
 ギガマクロは豪快な笑顔で応える、そして。
 東郷もまたそのペスカトーレとワインを頼んだ、それで彼もその美味さを心から堪能し今は英気を養うのだった。


TURN126   完


                      2013・7・18 
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