ヘタリア大帝国
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TURN126 グスタフラインその八
イタリンは完全に枢軸諸国に加わった、戻ったと言うべきであろうか。
降伏等の手続きもあっさりと終わった、イタリン軍も無傷なまま枢軸軍に加わった、だがそのイタリン軍はというと。
秋山は難しい顔になり東郷に話した、その彼等のことを。
「悪い人達ではないのですが」
「むしろ善人ばかりだな」
「陽気で人懐っこく無邪気です」
ポルコ族のいいところだ、こうしたところが。
「ですが戦いには」
「ははは、そうだな」
東郷もわかっているという口調で返す。
「あの人達はな」
「シェスタは欠かしませんし」
「いつもパスタやピザが必要だな」
「ワインもです」
酒もだというのだ。
「そしてジェラートがなければ動かないです」
「戦争になればだな」
「凄い勢いで、です」
逃げるというのだ。それも泣きながら。
「困った人達です」
「そうだな、しかしだ」
「はい、私も彼等は嫌いではありません」
どうにも憎めないというのだ。
「ですから」
「それでだな」
「彼等については戦力としては考えなくとも」
「同盟国としてはだな」
「親しくしていくべきです、これからも」
愛すべき彼等と、だというのである。
「そう思いますがどうでしょうか」
「俺も同意見だ」
東郷も温かい笑みで応える。
「イタリンとはこれからもな」
「はい、枢軸諸国に戻ってくれましたし」
「仲良くやっていこう」
「そうしよう」
こう話してだった、イタリンについては至って友好的な交流を深めていくことになった。それで何の問題もなかった。
そのイタリンからいよいよアルプスに向かうことになる、だが今はだった。
艦隊の修理にかかるのだった、幸いローマには修理工場もありそこでローマ戦でのダメージを癒すことが出来た。
だがローマは堅固だ、守るヒムラーの側もそれはわかっていた。
それで自らアルプスに入りこう豪語するのだった。
「このアルプスは何をしても陥ちないさ」
「あの枢軸軍でもですね」
「そうですね」
「そう、例えどれだけの軍勢が来てもね」
それでもだというのだ。
「陥ちないよ」
「ですね、それでは」
「我々はまずはここで守り」
「そしてそのうえで」
「機を見てですね」
「反撃に転じるよ」
これがヒムラーの戦略だった、まずは難攻不落のアルプスで枢軸軍の主力を消耗させてそしてであるのだ。
「それで枢軸軍を破り」
「それからですね」
「枢軸軍を軍門に降し」
その勢力を手に入れてだというのだ。
「後は最早衰えきったエイリスを叩けばね」
「それで、ですね」
「我がドイツの覇業が成りますね」
「前総統の悲願も達成されるよ」
レーティアの名前も出す、とはいってもこれは彼女の名前を出して自分のドクツ国民への人気取りと大義名分の看板としたのだ。
「これでね」
「はい、それでは」
「我等も」
「そう、頼むよ」
こうも言うヒムラーだった、表の部下達なので彼は今はレーティアの後を忠実に添う後継者として振舞っていた。
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