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鉄槌と清風

作者:deburu
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66部分:65:アースラにて


65:アースラにて

 『聖王のゆりかご』は軌道上に上がった所を、待機していた次元艦隊の一斉射撃で、しっかりと破壊された。
 その頃、機動六課の隊舎代わりになっているアースラでは。

 「……ヴィータ、お前それ大丈夫なのか?」

 「あぁ、動ける程度には回復してるって、おい良彦何処いくんだ?」

 「一寸、スカリエッティ殺って(とって)くる」

 「まてまて、折角生け捕りしたのに、何言ってんだお前は!」

 飛び出そうとする良彦を抑えたのはシグナム。

 「落ち着け、我らは弱くなったとはいえ、主からの緊急再生機構がある、まだあれくらいなら、大丈夫だ」

 「って、いっても…俺となのは、そこに今度はヴィータが、だな」

 「そういうのは嬉しいけど、落ち着けよ、傷はのこんねーし、問題ねーんだって」

 シグナム、ヴィータ二人に止められ、渋々諦めたように力が抜ける、其処へ

 「それにな、良彦君…折角やし今回の治療の時前言ってたこと、しとこうとおもてるんや」

 それを聞いた良彦は、はやての方にざざっと近づき

 「本当か、はやて?」

 「ほんまや、怪我治すのと一緒に一部書き換えやね」

 「…ま、まぁそれなら」

 「なぁ、はやて、前言ってたのってなんだ?」

 そう聞かれるとはやては、人の悪そうな笑みを浮かべて

 「それは良彦君からきいてや、私からは恥ずかしいわ」

 と、良彦に振ってくる。

 「良彦、なんなんだよ、なぁ」

 「そ、それは…後で部屋で話すから、此処じゃ簡便してくれ」

 「…むぅ、絶対だかんな!」

 ともあれ、一旦はそれで落ち着き、会議室へフォワードメンバーは集合になった。



 会議室には新人4人と、隊長、副隊長、セプト、ツヴァイ、グリフィス、シャーリーなどが席に着き、はやてが話しだすのをまっている。

 「集まってくれてありがとうな、今回のレリック事件の方もこれで一段落やし、今度時間見てそれぞれ休暇だすからな」

 その言葉に、皆頷き、休暇の事については嬉しそうだ。

 「それと、六課隊舎の修理もはじまってるんや、そっちが直ったらこっそりパーティしようと思っとるんや、楽しみにしてな」

 「料理は、六課の料理人と、俺とはやてか?」

 「せやね、久しぶりに料理とかしたいわ」

 良彦の問いにはやてが笑いながら答え。

 「それじゃ、一寸真面目な話しに移るよ」

 はやてが、一旦そういって、真面目な顔になる。

 「まず、スカリエッティとナンバーズについては、これから事情聴取とか、色々な手続きがある、それにシグナムが預かった騎士ゼストが集めた事件データも解析やね」

 「そこ等辺は、私とシャーリーの専門かな」

 フェイトが言って、シャーリーも頷く。

 「うん、基本はお任せするわ、ティアナも訓練無い時間なんかはてつだってな」

 「はい」

 ティアナの返事に頷き

 「それと、ルーテシアとアギトなんやけど…あの二人の扱いは、今のところ保護扱いやね、ルーテシアは精神操作やら、されとったし」

 「騎士ゼストからも、二人を頼むと言われている」

 はやて、シグナムがそういってくる。

 「それで、ヴィヴィオなんやけど、経過観察と健康診断やね」

 「うん、それで、ヴィヴィオを本格的に引き取ろうとおもうんだけど」

 「ええと思うよ、ヴィヴィオも喜ぶんやないかな」

 「だな、というかそれで無茶が減りそうなのがありがたいな」

 「ちょ、よしくん、無茶とかして「ブラスター3までつかってか?」はい、すみません」

 「というか、良彦君も、なのはちゃんも、ヴィータも、突撃組みは無茶しすぎや!」

 なのはをからかったら、はやてから反撃を受けた。

 「つっても、あの状況で、あんな相手じゃなぁ、ヴィータ」

 「そうだよ、最後の方出てきたの、良彦となのはを落とした奴だったんだぞ」

 「まぁ、きもちは判る、でもリミットブレイクで、ヴィータはアイゼン壊して、良彦君は最後魔法つかっとらんやんか!」

 「「すいません」」

 はやての剣幕に思わず謝る、青と赤。

 「まぁ、ええわ…ともあれこれから暫くは後処理と、六課隊舎復旧の方が忙しくなるからな、がんばっていこや」

 「はい(おう)」

 全員の返事が重なり、それぞれ部屋を出て行く、所で良彦がシグナムを引き止める。

 「シグナム、一寸良いか?」

 「どうした、良彦?」

 「アギトなんだけど、ユニゾンしたってホントか?」

 「あぁ、騎士ゼストから託され、大量のⅡ型が降下して来たときな」 

 「それで、どんな感じじゃった?」

 「そうだな…不思議と懐かしく、心が安らぐ気がした」

 「そうか…ならば、あの者も間違えなさそうじゃな」

 「だな…シグナム」

 「どうした?」

 「前に話したかもだけど、アギトは元々シグナムの為の融合騎だ、リトの記憶でセプトと一緒にメンテナンスに出してたのを覚えてるから、ほぼ間違えないと思う」

 「いかようにしてか、今まで残っていたようじゃな、我もだが稀有な事よ」

 「そうか、それ自体は私はどちらでも構わないと思っている、今の私はアギトに見張られる身だからな、騎士ゼストとの約束を守るために」

 その言葉に良彦もセプトも苦笑し。

 「そっか、まぁ一緒に居られるようにするんなら悪くは無いだろ」

 「じゃな、呼び止めてすまなんだ」

 「いや、構わない、ではな」

 そういって、シグナムも立ち去り…残っているのは良彦とセプト…と、扉をでたらヴィータがまっていた。

 「さて、部屋戻ってはなそうぜ、良彦」

 「覚えてやがったか」

 「あたりめーだ、いくぞほら」
 
 「我は暫し外そう、デリケートな問題ゆえな」

 セプトはさっさと飛んでいってしまい、ヴィータに引きずられ与えられている部屋へ連行される。



 で、アースラ内の二人の私室に来たわけだが。

 「ほら、ちゃんと言えよ」

 「…わかったって、一寸待て、今落ち着く」

 冷蔵庫からスポーツドリンクを取り出し、飲み干して深呼吸。

 「よし、いいか良く聞けよ」

 「おう、言ってみろ」

 「はやてに頼んでたのは…ヴィータが子供できるように、だな…してもらうって事を頼んだんだ」

 「…は?」

 「だから、戦う存在として、そういう部分が抑制されてるんだとよ、それを直して、その…できるようにして欲しいって頼んでたんだ」

 「…おまっ、それって」

 「ずっと二人でもいいけど、欲しいだろ、子供」

 「ばっ、何であたしに先に相談しねーんだよ!」

 「恥ずかしいだろうが、流石に!」

 「あたしだって恥ずかしいっての、ばかっ」

 久しぶりに脛蹴りが炸裂する。

 「いてーって、何かあるとそれだな、お前は」

 「うっせ、何度も同じ事繰り返させんのはてめーだろ!」

 げしげしと何発も蹴り、落ち着いたようだ。

 「はぁ、はぁ…とりあえず判ったけど、何時からそれ言ってたんだ?」

 「一応婚約してくれた時だな…はやてにえらくからかわれた」

 「…1年一寸か…はぁ、そっか、子供…」

 一寸赤くなりながら考えるヴィータ。

 「ま、まずは結婚からだけどな、来年6月だから、準備始めねーとってはやてとか桃子さんが言ってたし」

 「ん…そいや、披露宴は両方でやるとかいってたよな」

 「地球とミッドでな、両方出るのが何人か居るけど、基本はどっちかだな」

 「そっか…うし、良彦、六課での仕事きっちりこなして、文句出させずに結婚するぞ」

 「あぁ、当たり前だっつの」

 ぽんぽんとヴィータの頭をなで、抱きしめる…この後仕事が無ければ、ゆっくりできるのにとか思いながら。
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ヴィータというか、守護騎士がそのままでは子供できないんじゃないかと言うのは、書いてる人の想像です、公式ではありません。

次回は隊舎が直った頃辺りを書こうかと思います。
 
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