とある科学の煉獄魔王
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一部
第3話
スキルアウト殲滅任務から三日後、俺は冥土帰しのいる病院に来ていた
理由は敵アジトで保護した少女の見舞いである
組織の仲間から『助けたのなら見舞いにくらい行くべきです。相手もお礼が言いたいかもしれませんよ』と言われたからだ
俺個人としてはお礼を言われるためにわざわざ行くのはどうかと思ったが、しつこいのでしぶしぶ行くことにしたのだ
先日運ばれた少女のお見舞いに来たと、受付の人に言ったところ、何故か冥土帰しのもとに行かされた
「いったい何のようだ?」
俺は奴の部屋に入るなり質問した。
「とりあえず、そこの椅子に座るといいよ」
「さっさと用件を言いやがれ」
俺は椅子に腰掛けながら再度用件を聞いた
「君が下部組織に運ばせた少女の件だよ」
この男とは多少面識があるため、互いの素性はだいたい知っている
「あの子の外傷は打撲が多かったけど、重症じゃあないね。 ただ問題は精神的な面だね」
「どうゆうことだ?」
冥土帰しは少女の状態を詳しく話始めた
「あの子は人に触れられるのを拒絶する。 近づこうとするとものすごく暴れるんだね。 聞いたところによるとスキルアウトに監禁されていたんだろう? 恐らくそこで暴力をふるれたんだろうね」
だいたい想像通りだな。 スキルアウトに捕まった奴の末路なんてそんなもんだろ
俺は黙って話を聞き続けた
「今は睡眠薬で眠っているが、またいつ暴れるかわからないんだ。 運悪く看護婦さんがいたら大変だからね そこで君に頼みがあるんだ」
「はぁ? 俺になにしろってんだよ」
この医者は俺に何をさせようと言うのだろうか
「彼女の心を落ち着かせてほしいんだ」
「何で俺がやらなきゃいけないんだよ そんなこと精神科の医者にやらせろよ」
俺は面倒くさいオーラバリバリで言い返した
「初対面の人を見るだけで暴れるんだね。 その点君は助けたときに顔を見られてるんだろう? だから君に頼んでるじゃないか。 助けたのなら最後まで面倒を見るべきだね」
「わかった、ただし今回だけだ。こんな厄介事を引き受けるのは」
そう言って俺は少女の病室に向かった
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